あけましておめでとうございます！
モーニングコメントから改めて、週2回の投資家コーナーとして、私たちが注目してるマーケットや銘柄について話していきたいと思います。今年もよろしくお願いします。

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年明け早々に米国金利は大きく上昇しており、今さら利上げを織り込みに向かってるような展開となっている。気づけば長期金利も1.64%という水準にまで戻った。株価含めてコロナ前の水準をとっくに回復している中で、金利だけがコロナ前よりずっと低い水準であったが、12月のFOMCでも金利は動かないなどそのギャップが広がる中、ようやく金利も同じ絵を見始めたような動きとなってきている。

金利の絶対値は引き続きまだ低い上に、これまでも実際のイベントが近づいて来ないと反応しないことも多かったので、上述の通り今さら感はあるものの、こうやって何かがキッカケで上昇することには違和感はない。今年のマーケットの注目点は、アメリカのインフレがどこまで続き、賃金上昇や雇用者数含めて、どういう着地を見せるかであろう。

ただ個人的には、日本にもこの流れが波及するかどうかに注目している。先月の24日に発表された11月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が100.1と前年同月に比べて0.5%上昇と、1年振りの高水準だった。
![image.png](https://grid-images-production.cryptact.com/545e726d-0363-4be2-8984-28feb325aee6)
（↑総務省発表資料より抜粋。[https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200573&tstat=000001150147&cycle=1&year=20210&month=24101211&tclass1=000001150149&tclass2val=0](https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200573&tstat=000001150147&cycle=1&year=20210&month=24101211&tclass1=000001150149&tclass2val=0)）

エネルギー価格高騰が効いているが、それを除くと前年同月比-0.6％となっている。もっとも携帯料金値下げの影響がかなり大きく、携帯値下げの影響だけで指数を1.48%押し下げており、この影響を除くとむしろプラス+0.8%となる。

各国のインフレに比べるとはるかに低い水準にとどまる日本だか、一方で一部職種では労働者不足による賃金上昇も起きており、スケールダウンしているとはいえ、流れとしては他国と同じことが起きつつある。
黒田さんが長年目指していたインフレがようやく見えてきたかもしれず、インフレ、賃金上昇、金利上昇という波が日本でも起きる可能性がある。
絶対値としてはどれも他国対比で小さな波である可能性は高いが、一方で期待値比較では20年超にわたりデフレだった日本でこれが起きたときのマーケットインパクトは大きいと思っている。資産インフレの話ではなく物価のインフレ。このときに恩恵の受ける日本企業や業種の選別などほとんどの投資家はこれまでやってきていない。この、ある意味テイルリスクヘッジのためにも、今のうちに考えてみてもよさそうだ。

他には不動産マーケットにも注目しており、これまでオフィスや商業施設はコロナ以降に賃料や空室率は下がってきてるが、物件価格は下がらなかった。いよいよポストコロナが見える今年、上記のインフレや金利上昇リスクもあるなかで不動産価格が保たれるのかどうか、賃料や空室率次第となっている。
![image.png](https://grid-images-production.cryptact.com/ed3c7316-c5e0-4a9d-aa20-ee8dd07fc7eb)
![image.png](https://grid-images-production.cryptact.com/e9264020-e7fe-421b-bb3d-08f027bbbf16)
（↑三木商事のデータ。東京の空室率と賃料。[https://www.e-miki.com/market/tokyo/index.html](https://www.e-miki.com/market/tokyo/index.html)）

不動産賃料にもインフレが起きれば問題なし。一方で、賃貸需要の減少が続き、賃料回復やインフレが起きないと、金利上昇リスクだけが際立ち不動産価格への影響が懸念される。不動産は債務が紐付いた資産としは極めて大きな資産クラスであり、ここに変調をきたすと社会全体の債務収縮につながるおそれがある。
レバレッジ収縮の時代が到来すると、インフレからスタグフレーションになる可能性も出てきてしまう。日本では黒田さんの任期終了が2024年に控えるため、来年には金融政策の出口議論も意識されやすい状況である。不動産市況とレバレッジ動向、インフレと金利、金融政策、と変数の多い1年、ないし2年がこれから待っていると思う。

【2022.01.04】2022年は資産インフレ、物価インフレ、金融政策、金利、不動産、レバレッジ収縮vs拡大、と変数の多い年に。