1週間でS&Pは３％強下落、日本株も４％強下落している。

一瞬落ち着いた金利上昇も再度点火しているなか原油高も止まらない。このグローバルの下げは、もちろん原油高をはじめとしたインフレ懸念とそこからくる利上げ懸念がキッカケであるが、先週まではセクターローテーションにとどまっていたものの、今週に入って幅広い業種で利確が行われておりリスクオフ。

金融株も今週に入って息切れしつつあり、相対的には買っているものの利確の動きが目立ち始めている。特に昨日GSの決算が出たが、想定以上に振るわないトレーディング収益であったため、金利恩恵として注目されていた金融セクターの利確の号砲となった。
幅広くリスクオフとなっているものの、金利は下がっておらず、株式と為替のみがリスクオフの世界線で債券が買われていることもない。利上げ警戒である以上、当然と言えば当然であるが現金化されたものの向かう先が今後気になるところ。

日本株は政策リスク含めて輪をかけて弱気にならざるを得ない可能性がある。原油高、インフレ、金利上昇は、もはや日本も他人事ではなく影響を受けつつあるが、足元原油が大きく上昇し始めたのはオミクロンによる経済封鎖の可能性が下がったことも起因している。需要が減らないのであれば原油は下がらない、という構図であり、実際に米国も経済に影響を与えかねない行動制限は現時点では行ってない。そのような中で、日本は政策により制限を加えつつあり、需要を減らして経済への影響を与えながらも、その分インフレが和らぐわけでもなく、ダブルパンチが懸念。とはいえ、高い支持率を背景に、このコロナ政策は継続される可能性があり、経済への影響とそれを短期的に補填するために見え始めている増税リスクが日本株市場の暗雲となっている。

とはいえ、政策がそろそろワークしない可能性も出てきてり、まん延防止にしてもあまり市民の行動は変わらずに消費は回復を続けることはあり得る。政策が明確に変わらない限り、マクロのトップダウンでは日本株は買いにくいが、実態とのギャップを狙ったボトムアップの投資であればチャンスもありそう。ちょうど3月決算企業の第3四半期決算シーズンに入るが、例えばパーク24などは先日の月次売上で駐車場需要が着実に回復しており12月の粗利が60％伸びていると開示があった。

2019年10月期の各月の売上を100としたときの売上推移が下記の通り。2021年の11月以降にコロナ前水準にまで回復してきており、オミクロン騒動による影響が今後気になるところだが、政策はともかく人々の行動としては前回ほどの緊迫感もなく、かつ車であれば移動も気にしない、という落としどころと相まって需要が堅調に伸びる可能性があるとみている。

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売上が19年10月期水準を確保し、さらに伸びる可能性が出てくると、現状の株価1650円は19年までの2500－3000円水準からみて大きく下がっているため、今後のアップサイドの余地が大きそう。実際、この1週間はパーク２４の株価は下がっておらず、マクロ的な要素で全体は下がっている中で、下がりきった個別株の復活は別の動きをするのではないか？と思い、現在調べているところ。売上が前年比7％伸びただけで粗利は60％増えた12月もそうだが、売上増加がそのまま利益に落ちてくるような構造でもあるため（その分売上下がると一気に利益は減るが・・）、前年比でみればレバレッジのきいた利益成長があるかもしれない。

もっとも、「回復したところで増資」というパターンもあり得るため、うかつに手を出しにくいが、そうはいってもさすがにこの水準で増資はしないんじゃないか、という甘い期待も込めて、少しビビりながらポジションを持つか来週報告します。インフレや金利上昇との関係性についてはまだあまり考えられていないので、その辺りも考えてみたいと思う。





【2022.01.19】インフレ懸念と原油高に加えて政策リスクの日本。パーク24が気になる。