真夜中に目が覚めて折角だからFOMCの決定会合と記者会見を見ようと、暗い部屋で一人でみていたら損しかしていない気分で後味の悪い朝を迎えた。

その気分をそのまま言葉に落とし込んでツイートしたのでご関心のある方はご覧ください：
[https://twitter.com/aminimaz/status/1405247057464479745](https://twitter.com/aminimaz/status/1405247057464479745?s=20)
 
### さて、今日のモーニングコメントは原油に関して。

2008年のリーマン前の夏。世界の原油生産量が最大化するタイミングが近づいていると騒がれ、ピークオイル議論で原油価格が一時$140ドルを付け、世界中に本震前のショックを走らせた。

当時の米国エネルギー省（DOE)の統計で全世界の原油需要は一日当たり8700万バレル。同時期のOPEC生産量は3300万バレルで残りは非OPECのOECD等が賄っていた。需給が概ね釣り合っていたにも関わらず市場が不確定な未来予測に基づいて一気に原油価格を約2倍に値上がりさせた。当時の米国CPIが2007年中の＋2％前後の水準から2008年7月に＋5.6％に跳ね上がり、数十年ぶりのオイルショックを起こした。

2021年に早送り。

コロナ禍で低迷していた原油需要が凄まじい勢いで回復中。IEA統計によると2020年末にすでに9100万バレルに回復し、2021年Q2に9490万バレル、Q3に9770万バレルに急伸する見込み。
 
### そこでOPECの生産量は？

2021年5月で**2556万バレル**。
 
### 2008年オイルショック時の77％に過ぎない。イランの眠っている100万バレルを足しても80％。

意図的に絞ってきた供給が戻るのはまだ先の話だが、需要が供給を上回り続伸中。そしてこれからワクチンが普及しているアメリカは、2008年同様に夏のドライビングシーズンが始まる。

原油価格は5月に＋4.3％値上がりし、6月もすでに8％上昇。GSをはじめとした各社の予想も上方修正中。GSのQ3予想はIEA予想を上回る9900万バレルを見込み、夏に原油価格が$80を超えると予想。イランの生産回復を見込んでも。

この数日、エネルギー関連の経営者等のコメントも続出。需要の急回復、ESGによる生産抑制等で、供給不足に注目が移っている。彼らは短期的に原油が**$100を超える**と声をあげて予想をしている。

【2021.06.17】FOMCを（ほぼ）無視したコメント。原油を語ろう。