昨夜の米国株式市場は、ファイザー製ワクチンの3回目の接種でオミクロン株に対する免疫反応が確認できたことで再び上昇し、オミクロン下落前の水準を回復した。ただし金利の戻りが鈍く、オミクロン下落前に1.66%だった10年金利は1.52%にとどまり、金曜日のCPI発表で大きく動く可能性が残る。
本日は印象に残ったブルームバーグの記事を深堀したいと思います。
記事ではバンカメ調査でS&P500の実質株式益利回りが1947年以来の低水準を記録したと報道された。同社の調べで現在の実質株式益利回りが-2.9%であり、利益が大きく成長しない限り株を保有することでインフレ考慮後に期待収益が著しくマイナスであることを意味する。下図にブルームバーグが算出した実質株式益利回り(=-2.34%)を表示しているが、バンカメ調査と同様の歴史的低水準である。
おさらいのため、実質株式益利回りを説明しましょう。
株式益利回りはPER(株価収益率)の逆数であり、一株当たり純利利益/時価総額で求める。例えば、時価総額1000億の企業が100億の純利益をねん出している場合、株式益利回りが100/1000=10%となる。その企業は市場に与えられている価値(=時価総額)に対し、10%のリターンを挙げていることになる。すなわち投資家として10%の収益を期待できる。
実質株式益利回りはそれからインフレを差し引いて、インフレの潜在的コストを考慮する。
上図を見て頂ければ、過去に0もしくは大きくマイナスになった局面が何回かあることがわかる。「A」と「B」のラベルを付けている二か所は、1970年代のオイルショックに伴う二桁のインフレの局面であり、株価のバブル状況というよりはインフレによる低下を示している。その後、株価のそれぞれ40%と20%の下落で水準が正常化した。
「C」と付けたところはブラックマンデー前の高値である。ブラックマンデーの30%の下落で一旦大きくプラスに転じた。「C」においてはCPIが約3.9%であり、1980年代の中で比較的に安定した水準であったため、当時の実質株式益利回りが大きく下がったのは株価の高バリュエーションによるもの。
「D」はいうまでもなくドットコムバブルのピークであり、株価の極端なバリュエーションによるマイナス転落。
一方「E」はリーマン危機直前の、景気後退による成長鈍化に加え、原油が$140をつけたダブルパンチの現れであった。
そして現在の―2.3%(バンカメの計算で―2.9%)。上昇が止まらない株価に加え、30年ぶりの高インフレ。
歴史が繰り返されるのであれば、正常化がどこかのタイミングで来るはず。だが、インフレが突然デフレにならない限り、その正常な水準への回帰は企業の想像を絶する成長か、株価の下落のどちらかでしかできない…。
怖いな(笑)。
主要市場の動き
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ダウ 35754.75 (+0.10%)
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S&P 4701.21 (+0.31%)
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NASDAQ 15786.99 (+0.64%)
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FTSE 7337.05 (-0.04%)
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米国10年金利 1.5212 (+0.0479)
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原油 72.36 (+0.43%)
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ビットコイン 5746523円 (-0.61%)