昨晩の米国市場は、全体的に下落。とくにNASDAQが大幅下落となった。FRBがテーパリング前倒しを決定し、テーパリング終了後の利上げが意識されてバリュエーションの縮小に嫌気がさされた展開となった。FRBが具体的なアクションをしても問題ないようなポジションを考えてはいたものの、実際にアクションするとは個人的には思ってなかったのでちょっと驚いた。もっともその後の株価の展開の方が驚きでもあり、初日の反応は素直に外したと思う。

引き締めが織り込まれたというにはほとんど下がってないような水準であり、不透明感からの脱却として買われた初日の反応は意外であったが、さすがに昨晩はしっかりと高バリュエーション株が売られ金融株が買われる展開となった。1日遅れてようやく少し理解しやすい展開となっている。

一方で債券市場はほとんど動いていない。金利も結局はほとんど上がっておらず、先高観はあるにせよ現時点では低金利でとどまっていることは株式市場にとっても下支えになりそう。また金についても発表後は下げていたものの昨晩は価格を戻しており、引き締めや利上げの影響は今のところない。ビットコインも同様。

ということで、政策発表から市場の反応に至るまであまりかみ合わなかった一週間であったが、幸い下がったわけでもなく、あとは昨晩のようにグロースというよりバリュー株や金融株が上がることに期待といったところ。もう少し時間がたってから反応するのかもしれないが、現状では利上げ懸念で下がったところで拾うというチャンスは少なそうだ。

他に特段ニュースもないのだが、岸田さんが自社株買いに何らかのガイドラインのようなものを用意するのか、と憶測を呼んで株価が下がったことについて、事情に詳しい人に話を聞くと、関係各所においてそのような計画や話は全くなく、唐突な発言として同様に驚いている模様。こういったことを決める場合に素案の議論がなされるのが、例の四半期開示をやめるか否かの話をしているメンバーであり会議のようだが、四半期決算の開示の話に関しても、かなり順位付けは劣後している状況で、一応の議論をしているが四半期報告書は出しつつ短信は省略する、といった影響の小さい方向性での話をしているようだ。
そういった新しい資本主義メンバーの中でも今回の自社株買いの話は全く聞いたことがないようで、単純に岸田さんが野党からの質問に対して神経質に反応してしまった結果あのような物言いになったのではとのことだった。
まぁそうだよね、と思いつつもどちらかと言えばこれまでマイナスの影響の発言ばかりが目立つことを再確認させられた下落である。

### 主要市場の動き

ダウ　35,896.32 (-0.09%) 16時時点
S&P　4,709.85 (-0.88%) 16時時点
NASDAQ　15,196.57 (-2.38%) 16時時点
FTSE　7260.61 (+1.25%)
米国10年金利　1.4292 (-0.0330)
原油　72.08 (+1.71%)
ビットコイン　5,464,096 (-2.91%)

【2021.12.17】利上げがリアルになったが市場の動きにあまり変化なく。