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1兆ドルのインフラ法案が上院で可決され、ダウは最高値を更新。続いて3.5兆ドルの支出法案も上院にて審議入りとなった。今後はインフラ法案が下院で審議されることになるが、下院のペロシ議長は3.5兆ドルの支出法案もそろうまで審議しないと言ってるようであり、実際に下院で審議、通過するにはまだ時間がかかると考えられる。 インフラ法案自体は織り込まれていたとは思うが、昨日は改めてポジティブに反応した格好となった。3.5兆ドルの支出法案はまだ紆余曲折あると思われ、市場もそのまま織り込んではいないだろう。 金利はやや上昇したが、本日夜に発表されるCPIが本番といったところか。財政支出を受けて、いわゆるバリュー株に代表されるようなold economy株が上がった印象。ダウがあがり、NASDAQがさがるというのはまさにその典型。再度バリューとグロースの逆転が起きるかどうか注目だが、ダウロングのNASDAQショートはこれまでの動きをみるとやや勇気のいるポジションである。 決算についてはソフトバンクグループが第1四半期の決算発表。純利益が前年同期比40%減の7,600億円であった。事前報道では株価下落により赤字がささやかれていたり、アナリスト予想でも赤字を予想しているものがいるなど、市場予想からみればかなり堅調な利益水準ではある。ただ、懸念視されている中国関連のITエクスポージャーについて、例えばDiD
アミンファンの皆様、申し訳ございません。火曜日ですが、諸事情によりしばらく私が投稿します。 日本は3連休明けとなったが、その間に米国で雇用統計が発表されて金利は1.2%から1.3%へ急上昇。ここ最近の金利の動きとは異なる反応を見せている。これまで好調な統計データが関係なく金利は下がり続けていたが、最近の各連銀総裁によるテーパリングや利上げ環境が来年には整うという一連のメッセージも含めて、ようやく足元の指標の強さに金利が反応した格好。 あれだけ現状の好調さは一過性という文言の中で金利は下がり続けていたことを考えると、今回の雇用統計の結果(+94万人 vs 市場予想+85万人、失業率5.9%→5.4%)はそこまでのビッグサプライズではなかったと思う。ただ金利は大きく反応しているのは、テーパリングや利上げの可能性を過度に無視していたところからの修正点なのかもしれない。今日の日本株も金融株が大きく上昇している。この金利上昇が長続きするかどうかはなんとも言えないが、どちらかといえば金利の底が見えたという安心感が金融株の買戻しに繋がっている可能性はある。 菅政権と自民党について、朝日新聞、TBS、読売新聞によると、直近の政権支持率が発足以来最低であることを示している。政権支持率から自民党支持率を差し引いた「党内政権魅力度」も一部マイナス圏になるなど、年末に向けての選挙に相応しくない状況になって
昨晩の米国市場は金利がやや上昇し、株式市場も上昇するなどリスクオン相場となった。今週の新規失業保険申請件数が38.5万件と先週の40万件から改善していることがキッカケとも言われるが、あまり深い意味はなさそう。本日雇用統計が発表される予定でもあり、どちらかと言えばその前のちょっとした調整ではないか。 ADP雇用統計が発表された際、弱い数字であったため一時金利は急落したが、その後連銀総裁の利上げ時期に関するコメントもあり、金利は一気に戻した経緯がある。市場金利が上がっていた数か月前は、金利上昇をけん制するかのようにテーパリングの否定や金融政策に変更がないことを強調していたが、最近逆に市場金利が下がっているなかで、今度はその市場金利の下落をけん制するかのようにテーパリングや利上げを匂わせるコメントが相次いでいる。 本日の雇用統計が市場予想に到達しなかった場合、あるいは最近の傾向でいえば予想を多少上回ったとしても、金利は下落すると思うが、ただそれをあまりよしとしていないのか、連銀総裁の誰かから金利下落をけん制するようなコメントが入る可能性があり、よほど酷い結果でもない限り金利はあまり動かないか、口先介入次第ではやや上昇する可能性もあると思って注目している。 日本株の決算も総じて堅調、好調のように見える。特に大型株がしっかりしているので、全体の指数はしばらく崩れないかもしれない。ただ秋口の選
昨夜の米国株式市場の主要指数の値動きはまだら模様だったが、決算を発表している個別銘柄は引き続き活発。マクロ観点において原油価格の下落と想定より弱いADP(+33万人、市場予想+65万人)で景気減速懸念が強まった一方、非製造業ISMが64.1(市場予想60.5)と過去最高水準を記録。金利はISM発表後、一時上昇したが結局下がりほぼ変わらずの水準に回帰。 個別決算で印象的だったのは大手オンライン予約サイトのブッキング。2021年第2四半期の決算は市場予想を大きく上回り、ワクチン接種が進んでいるアメリカ人の潜在的トラベル需要を表した。 サイト経由で予約されたパッケージ総額(Gross Bookings)は152.9億㌦で前年同期比+851.7%。四半期の絶対水準として2019年第3四半期以来の高水準。宿泊日数は前年同期比+457.5%とホテル等のレジャー施設の回復を示した。航空券は前年同期比+626%で過去最高水準の400万枚台。レンタカー日数は前年同期比+558%と2019年第4四半期以来の高水準。 特に航空券の販売が市場予想を大きく上回り、コロナ禍の巣ごもりで溜まっている旅行需要を物語っている。 市場全体の方向性は金利が示すと考えている。昨日はツイッターでも共有したが、シティのマクロサプライズ指数が1年ぶりにマイナスに転じ、エコノミストの足元の予想が楽観的過ぎることが伝わってくる。本
昨日の米国市場は上昇。特段ニュースのないなか、引き続き発表される決算内容が好調であることに素直に反応した模様。金利もほぼ動かずで、マーケットもしばらく静観している状態が続いている。 中国政府による中国ネット企業締め付けや、それをキッカケにした中国株の下落に対して、振り返ってみれば結局米国に資金回帰した影響もあるのか米国株はあまり影響を受けていない。下がっているのはいつものながら日本株。まぁ日本株はそれ以外にも要因はあるので、中国規制強化のネタだけでは語れないところはあるが、いずれにしても中国の話の他市場への影響は少し落ち着いたと思われる。 ただ中国に依存度の高い銘柄は引き続き敬遠されそうなので、再度自身が保有している銘柄で中国事業が大きい会社がないか確認はした方がよさそう。ソフトバンクグループは言うまでもないが、他にも日経平均におけるウェイトが大きい影響もあるが、ユニクロ、ファナックあたりの被害が大きいのも中国リスクが引き続きくすぶっていることが影響していそう。 一方で中国政府もEVは国家事業としてサポートしているようで、中国EV業界は影響があまりない模様。そのため細かい違いを追いかけるなら、EV関係やそのサプライチェーンであれば中国向けのエクスポージャーが高くても影響は軽微に留まるという見方もある。半導体も同様。東京エレクトロンを見ても、あまり売られておらず、こういうシェアの高い
昨夜の米国市場は一段の金利低下で指数全体が小幅な値動きだったが、決算及びM&A発表等で個別銘柄の動きが活発だった。金利低下は中国の想定以下の製造業PMIをはじめとした成長懸念が原因だったと思われるが、雇用統計発表前のポジション調整等も今週影響するであろう。 本日のテーマはアマゾン対サイモン。先週アマゾンの決算が想定より弱く株価が9%値下がりした。未達要因に関して会社側の説明はコスト増と顧客行動の正常化であった。すなわち昨年3月から始まったオンラインシフトが逆流し始めている。 アマゾンを離れ実店舗に戻っている顧客の行動が本日の米国最大手商業リートのサイモン・プロパティ(SPG)のQ2決算に顕在化した。発表された実績は * 一株当たりFFOが$3.24と前年同期比52%の増加であり、市場予想対比でも36%の過達。 * 売上は12.5億ドルと前年同期比18%の伸び。市場予想対比5%の過達。 * どちらも市場予想レンジの上限を超える結果。 * 四半期配当を$1.40から$1.50に2期連続上方修正。 * 年間見通しも上方修正し、市場予想を超える水準に。 * 6月末の稼働率は91.8%と3月の90.8%から1%改善。 * 家賃はやや低下し、1sqf当たり$55.03と3月の$56.07から1.8%低下。 サイモン社長のコメントも総じて前向き。テナント確保が好調であり、顧客も戻っている。米国で
米株は下落。アマゾンを始め、GAFAなどハイテク株中心に下落した。1日の動きだけではなんとも説明しづらいが、これまで市場をけん引していたハイテク株について風向きが変わってくることになるのか。6月の個人消費支出価格指数は、コア指数が+3.5%と市場予想の+3.7%に届かず、早期の金融引き締め観測が後退し金利は下落。コロナ再拡大の懸念、金利下落、と株式にとってプラスマイナス入り乱れる要素があったが、その中でハイテク株中心に下落した。 過去1年半にかけて市場全体は割とシンプルなテーマ、つまり巨大な金融緩和、財政の下、コロナによる恩恵と負け組、そこからの復活というもので、ワクチンの開発と普及がある意味ではゴールでもあった。一方で、現状ではそのゴールが見えつつあることで、例えばコロナ恩恵銘柄の決算内容に変調がありつつも、デルタ株拡大の懸念などワクチン普及がゴールではない可能性がでてきており、コロナ解決という単純な未来が描きにくくなっている。 かといって、再拡大したとしてもまたロックダウンだの給付金だのと、シンプルにこれまでの繰り返しになるイメージもなく、案外この共存というシナリオがどういう人々や社会の変容をもたらすか、マーケットも混乱しているような印象。 買うなら、コロナ恩恵銘柄なのか、負け組の復活なのか。とはいえ、S&P500社の内、300社が決算を出し、90%が市場予想を上回る内容となっ
米国株式市場は上昇。GDP速報値は年換算で前期比₊6.5%と予想の+8.5%に届かず、今週の失業保険申請件数も40万件と予想の38万件ほどには下がらず。という状況の中、出てくる企業決算自体は総論としては好調でもあり、市場は上昇した。GDPなどマクロ指標がやや弱かったことから、金融緩和の長期化が意識されて安心感につながったという見方もあるが、個人的には仮に予測通り強く出ていたとしても、あまり動きは変わらなかったとも思う。金利はほとんど動いておらず、緩和長期化が意識されて下がったわけでもない。かといって、仮に経済指標が強かったとしても金利上昇が起きたとも思えず、株式マーケットはどっちにしても良いように解釈していたと思うし、(一時的に?)不感症になっているように思う。 アマゾンの決算発表によると、さすがにコロナによるEC利用の伸びは鈍化しつつあるとのこと。決算を受けて時間外取引で売られているが、言い換えると、予想されていたことだがオフラインのビジネスに消費が流れ始めていることが示唆されている。コロナ拡大中の日本では、また飲食やレジャー、旅行などの銘柄は弱含む可能性はあるが、ワクチン接種後のリターンを考えると、下に押す局面では拾っていくつもり。 あと予想通り経済対策の報道がきた。総額30兆円とあるが中身がよくわからず。とはいえ元々未消化の予算だけでも20兆円近くあったと思うので、規模感とし
FOMC後の米国市場は結局小幅な動き。先月のタカ派シフトに比べ今月は現状維持に受け止められ、ジャクソンホールまでマクロデータと感染拡大を分析していく日々が続きそう。 一方大暴落していた中国ADRが大きく反発。中国政府は国内銀行と緊急会議を行い、教育関連の非営利化義務に対する姿勢を改めて説明した模様。ほかの産業へ飛び火しないと確信した市場は様々な銘柄を拾い、多くのADRが10%~30%値上がり。 決算を発表したフェイスブックの実績は市場予想を上回ったが、プラットフォーム(アップル等)のルール変化や規制等の影響で今後の広告収入が減速するとコメント。目先の不透明感からアフターマーケットで株価下落。 米国株式を牽引している大手テク銘柄の決算は非常に好調だが、各銘柄が約7週間ぶり小幅に下落中。ナスダック全体のバリュエーションがドットコム並みに上がっている中でこれまでの成長率だけで株価維持が難しい局面。バリュエーション、規制強化、成長鈍化を考慮すると、どれも買う気にならない。 原油価格は再び$72台を回復。夏のドライビングシーズンが好調のようで昨日発表されたDOE原油在庫の減少が市場予想を上回り、主要貯蔵ハブであるクッシングの在庫水準が2019年12月ぶりの低水準に下落。 コロナ禍がもたらした前代未聞の緩和・財政対策からすでに1年が経過。過去にないスピード感で無理やりに景気回復と資産価格暴騰に
昨晩はNASDAQ中心に下落。今週決算を発表するハイテク関連株、グーグル、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどが決算を前に売られた。他に、中国市場が各種規制強化を受けて大幅に下落していることや、27-28日に開かれるFOMCを控えての警戒もあり、相場全体も6日ぶりに下がった。なお、引け後に決算を発表したグーグル、アップル、マイクロソフトは、時間外取引で現在+3%, -1.5%, +0.8%となっている。 前日に決算を発表したテスラも、決算内容は良好だったが半導体不足が依然として深刻であることが、今後の業績含めて懸念視され2%安。相場全体も上期決算の内容から、下期の予想が維持できるかどうか、失速しないかどうかを見始めており、企業業績へのわかりやすいリスクファクターとしてコロナの再拡大や半導体不足を再度意識し始めているようだ。 そうなると半導体産業が再度注目を浴びるかも?ということで、昨日決算を発表した信越化学。経常利益が1,308億円と市場予想対比+6.6%で、塩ビ事業に加えて、半導体用のシリコンウェハも好調であった。下期にかけても特段懸念はないように見えるが、元々半導体については供給不足が一巡するタイミングが懸念視されていただけに、再度供給不足が意識されるようであれば一連の半導体セクターは他より強い可能性はある。住宅・半導体ともにやや長めの一過性とみられがちなので、決算を受けての
FOMC前の米国主要指数は小康状態。一方、今月の中国ADR、中国株の波乱が継続。今月の暴落の影響はどういうタイミングでどこに現れるか要注意。 この数日だけで中国は様々な抜本的な規制強化を発表した: * 学習塾の非営利化義務 * 独占的な音楽配信権の放棄命令 * フードデリバリーの監督義務化 「資本の悪影響」を受けている産業や企業を名指しに次々と切り刻み、株価を暴落させている。米国に上場している教育関連銘柄大手のGOTU、TAL、EDUは今月80%値下がりし最も打撃を受けている。 昨日は不動産事業のさらなる監督強化憶測で香港に上場している関連銘柄も16%下落。 フードデリバリーを手掛けている美団も14%下落。 これらの暴力的な値動きは間違いなく多くのファンドや企業に影響を及ぼす。例えばTALの筆頭株主は実はモルスタであり、おそらく顧客のスワップ等やレンディング用のポジション。GOTUの筆頭株主もクレディスイス。アルケゴスのような状態に追い込まれているファンドがほかにあるかどうか。 タイガーグローバル、ブラックロック、GIC等々もこういった銘柄を幅広く保有。 まだ上場していない中国企業を保有しているVCファンドも多数。 一銘柄だけであればリスク管理可能な状況だろうが、ほぼ無差別的に米中両方の市場が同時に暴落すると資金面の危機的な事態が発生する。解約のための流動性確保や、担保提供している
米国市場は終値ベースで史上最高値を更新。コロナ再拡大による警戒がくすぶっている中、好調な企業業績を背景に続伸する結果となった。先週指摘していることと変わらないが、決算シーズンに突入しており強い決算が相場全体を支えている状況である。 リフィニティブによると、S&Pの500銘柄のうち120社が決算を発表済。そのうち88%が市場コンセンサスを上回る決算を出しており、長期金利も1.3%に迫る水準まで回復することとなった。株の定義を考えれば、マクロの経済指標以上に企業業績そのものが重要であるのは言うまでもなく、そこが非常に好調であることは市場全体にとっては安心感につながら内容であろう。GAFAに加えてテスラなどの決算も今週発表される予定で、グロース系も期待に応えられるかどうかが要注目である。その他、今週はFOMCが開催される予定。 先週水曜日は大型株の日本電産が決算を出している。税引前利益が437億円と前年比で₊60%で、市場予想対比で+6%と予想を上回る内容であった。家電向けのモーターやコンプレッサーが好調だったようで、在庫確保の動きもあったのかもしれないが、エアコンや冷蔵庫などの家電業界の売れ行き自体も好調なのかもしれない。7-9月期は猛暑からさらにエアコン需要が増していると想定され、家電メーカーや量販店などの決算でそのあたりは確認できるかもしれない。日本電産の通期の業績予想に変更はない
昨晩は米国株式市場は1.5%前後上昇する展開となり、前日までの二日間で下げた分の半分近くを戻した。月曜日のモーニングコメントでも書いた通り、企業決算自体は好調であり予想を上回る内容が多いことから、決算を好感しての買戻しが入った模様。株式の定義からして、最後は企業利益がどうであるからが根本でもあるので、この原点部分でしっかり強い結果が今のところ出ていることは下支えになると思われる。見方を変えれば、相場全体がやや弱気になる中、ちょうど決算シーズンに突入していてよかったね、とも言える。 やや気になるのは、仮想通貨市場がダラダラと緩やかに下げていること。年初の位置からみてリスクオフといえるほどの下げでもないが、リスク許容度が徐々に下がっているのは間違いない。緩やかであるため気づきにくいのだが、やはり数か月前と市場全体の状況が違うことは念頭に置いていいと思う。 そんな中でネットフリックスの決算が20日に発表され、4-6月の契約件数の増加は₊154万件となり、市場予想の₊103万件は上回った。一方で前年は₊1010万件とコロナの巣篭り需要を大きくとらえていたため、ポストコロナでの成長がどうなるのか、他の多くのコロナ恩恵銘柄の評価にも影響を与えるとして注目している。7-9月の会社予想によると、契約件数は₊350万件と予想しており、市場予想の₊550万件を大きく下回る内容であった。これをうけて時間
昨夜の米国市場は久しぶりに1%~2%の下落を記録し、弱気の雰囲気が少し広がっているがダウ、ナスダック、S&Pの各指標はまだ年初来10%強の値上がりでまだリスクオフとは言い難い状況。 OPEC+の合意を受けて原油が7.5%下落し、感染拡大とピークグロース懸念から10年金利も大きく10bps低下。金融・エネルギー関連が特に売られた一日。 その中で実はもう一つ面白い局面を迎えている。テクニカルをあまり紹介しないが、テクニカルの基本である移動平均線(MA)が面白いシグナルを示している。 昨夜のS&Pが一時50DMAを下回っていたが、引けに向けて反発。一方、ダウは50DMAを下回り100日を僅か0.7%上回っている。欧州においてもUKXやDAXが昨年の10月以来、100DMAを割り込み、サポート水準を通過して下落。昨日の日経平均がちょうど200DMA近辺で引けたが、CME先物が一段安となり本日は200日まで反発できるかどうかでテクニカル面の雰囲気が大きく左右される。 経済指標や決算は決して悪化してない中で、相場は悪化する前提で動いている。市場参加者が前提条件を迷っている時はテクニカルが意外と重視される。 ファンダメンタルズ面は引き続き強い状況。昨日のキャノンの市場予想を上回る上方修正や、昨夜のIBMの決算発表もコンセンサス以上。景気敏感銘柄の決算はこれからだが、前年対比の伸び率がピークだとし
金曜日の米国市場は、金利はほぼ動かないまま、株式市場は下落した。強弱ある統計データが出るなか、全体的な利食いに押された形。6月の小売売上高は前月比+0.6%と、市場予想の-0.4%に対して予想外にプラスとなり景気回復を強く意識されたが、その後発表された7月のミシガン大学消費者信頼感指数が80.8と前月の85.5から大幅に低下し2年振りの低水準となったことで、物価上昇による景気悪化の懸念が今度は意識される展開となった。 リフィニティブによると、これまで決算発表したS&P500に採用されてる米国企業41社の内、2021年4-6月期の利益がアナリストの予想を上回った企業は全PER体の90.2%となり、S&P500の採用企業の利益は同期間で前年比72%の増益と見られている。7-9月期以降からの一年間の予想利益をベースとしたPERは21.8倍となり、予想通りに利益を今後生み出していければ米株のPERの高さはかなり改善されるだろう。 今後の景気動向に期待と不安が混在するのは当たり前の話だが、足元の企業決算は期待を上回り堅調に推移しているようで、このままPERが改善していくようであれば株価の位置も安心感は出そう。といっても、今の株価がPER上、適正水準になるということは、予想以上の決算が今後でない限り、バリュエーションの観点では向こう一年はあまり上がらないということでもある。 なお原油について、
昨晩の米国市場は債券と株式でややバラバラの動きとなった。債券市場では、金利は大幅に低下。パウエル議長の証言が従来と変わらないものであったことから、今週前半の金利上昇分が消滅する形で金利は低下することとなった。CPI発表後に起きた金利上昇について、証言内容が変わらなければまた金利は下がるとコメントしていたが、その通りの展開となった(なってしまった)。インフレは一時的であり金融政策に変更なしという見方の継続。 一方で、株式市場は失業保険申請件数がしっかり下がっているなど、インフレ懸念からNASDAQ中心にやや売られた。ここ最近よく見かける、債券市場とは反応が逆の状況。とはいえ金利で動くというよりかは、決算シーズンが始まっており、そろそろ決算相場になりそう。米国株式は高水準のPERになっているので、決算がそれなりに予想達成してくれないと、金利の動向に関わらずPERの銘柄中心に利食いされるリスクが高そうだ。 日本株も7月末くらいから決算シーズンに突入。ただ日本株の場合、それよりも早く日経新聞が業績観測記事をドンドン出してくるので、その前から主要企業の決算情報が出てくる。個人的には業績予想対比でそこそこ強い決算になるのではないかと思うが、その場合報道でも予想上振れ、高進捗といった言葉が出てくるようになるので、堅調な決算自体は相場全体の下支えになるのではないかとは思う。ただ米国市場が弱含んだと
カナダやニュージーランドの中央銀行が引き締めに動く中、昨夜のパウエル議長はこれまで通りのメッセージを議会に伝え、お祭りの幕を閉じる気がないことを改めて強調した。 目新しい情報がないという意味で本日は米国住宅ローン市場の健全性に少し触れたいと思う。住宅バブルが加速する中でイエレン財務長官をはじめとした何人かの重要人物がリーマン前のサブプライムとの比較を述べ、今回が健全であり制度的なリスクはないとコメントしている。 今週金曜日にイエレン財務長官とパウエル議長が金融安定監督評議会(FSOC)の非公開会議に参加する予定。議題は住宅市場の制度的リスクの評価。 確かにローン規制の厳格化でリーマン前に起きていた「ライヤー・ローン」(借り手の所得を偽るローン)のような事例が少ないし、サブプライム比率も極めて低い(下図)。 クレジットスコア別ローン融資額(10億ドル) 日本人にとっては馴染みのない制度だが、米国消費者の信用力は大手3社の消費者信用情報管理企業のエクィファクスとエクスペリアンとトランズユニオンにて評価される。クレジットスコアは300~850のレンジ内で評価され、620以下のスコアがサブプライムに該当する。 上の図を見て頂ければ、住宅ローン市場全体の希望が急拡大しているにも関わらず借り手のプロフィールが極めて健全であり、サブプライムやニア・プライム(660以下)層がほとんどいない。 でも
待ちに待ったCPIが発表。前年同月比で+5.4%、前月比で+0.9%上昇と5月の数字よりさらにインフレが加速。食品・エネルギーを除いたコア指数でみても前年比で+4.5%、前月比で+0.9%上昇しており、過去30年の高い伸びを達成している。 長期金利は上昇し1.4%を回復。というと、インフレ加速していることで金利上昇したかに思うが、実際にはCPI発表後はむしろ金利は微減しており、予想上回るCPIの結果に対しても引き続き一時的なものであるという見方通りの反応を示していた。ただその後30年債の入札が予想外に低調であったことで、長期金利が一気に上昇し終わってみれば1.4%を超える水準まで上昇した。これを受けて、株式市場も当初ややプラス圏を維持していたNASDAQやS&Pもマイナス圏に下落。CPIの結果というより30年債入札の結果が相場全体を動かした1日だったと思う。もっとも入札が低調だった理由の1つにCPIの結果も多少あったとは思うので、そういう意味ではCPIの数字も金利上昇の要因と言えなくもないのかな、という程度では思っている。 引き続き中古車市場がインフレの主なけん引役にはなっている。中古車価格が+10%以上となっており、これをみてインフレは一時的という見方が根強い。確かに中古車市場は、半導体不足の解消とともに、早晩落ち着いてくるものとは思われる。一方で住宅の家賃市場も堅調に伸びており
本日発表予定のCPIは5月に続き高水準のインフレを示すと予想されているが、足元の株式相場の上昇を見ていると仮に想定より強かったとしても「ピークインフレ論」の材料となりそう。相場は高インフレが長続きするかどうかに興味がなく、伸び率さえ低下すれば金融緩和への妨げがなくなると思い込んでいる印象。 同じ意味で今週から本格化する米国決算発表も「ピーク成長率」を示すだろう。昨年の4~6月期が多くの産業にとって最悪期であったため、前年比の増収率、増益率も当面のピークを迎えそう。S&P500のQ1利益は前年比+52.5%だったのに対してQ2は+64%になる見込みだが、この大半が昨年のー31.6%の反動増。ただし、これもインフレと同じ捉え方をすれば、ピーク成長=金融緩和継続という至ってシンプルな結論にたどり着く。 足元の新型コロナウイルスの変異株感染拡大も、人的被害をもたらしながら相場に緩和継続の安心感を与えているだろう。 この構造が変わるには金融緩和を継続できないと思わせる材料の登場が必要だが、相場の動きを見ているとそういった材料は何なんだろうと思ってしまう。 最後に昨日の日本PPI(国内企業物価指数)にて面白いと思った数字のご紹介。木材先物はすでに大暴落し、昨年の11月の水準に戻っているが、高止まりしていた時期の打撃がまさに今企業業績に反映されつつある。昨日のPPIのうち、製材・木の前年比の上昇
金曜日の米国市場は一転してリスクオン。長期金利が急上昇し、景気回復懸念の後退から株式市場全体は回復。週間で見ても、結局プラスで引けることになった。文章を書いていても「なんのこっちゃ」と思うくらい、期待と懸念を深い意味もなく繰り返している。 CPIの発表が13日にあるが、それまでにマーケットがどう動いていたかでCPIに対するリアクションも少し変わりそう。さすがにこの金利水準であれば、市場予想~やや強めくらいの数値であれば、金利が大幅に下がることもないとは思うが、最近の金利の動きは読めないので波乱要因にならないことを祈るばかり。 先週3%近くさがった日本株も今日は強めの展開にはなるだろうが、金曜日の動きについて一言。金曜日の場中、27500円を割る水準まで売られた日経平均だが終わってみれば27940円。さらに引け後の15:15には先物が1%以上プレミアムで取引を終えるなど、引けにかけて大きく値を戻す結果となった。金曜日はどうも終日ETFの決算絡みの売りが見られていたようで、それが下げの主因であれば絶好の買い場だったという話も出ていたが、この動きだけ見ると確かにETF決算の売りが下げを主導していたのかも。 ちなみに決算絡みの売りとは、ETFが配当を払うために保有銘柄を機械的に売却するということであり、本質的にはあまり深い意味のない売りである。そのため下がりきって売りが終わる前の引けに買わ