順序:
日付

281 ディスカッション

【2021.07.09】やっぱりワーストケース到来?来週のCPI発表。他、インフォコム。

昨晩の米国市場は久しぶりにリスクオフの流れ。ここで繰り返し伝えていたように、長期金利の低下が示唆する米国の景気減退のリスクに株式市場が意識し始めたような展開となった。新規失業保険申請件数が前週より微増したことも景気回復が遅行している懸念になったようだが、おそらくはオリンピックの無観客など象徴的な出来事が引き金になったのかと考える。下げがきつかったのはアフターコロナ関連の銘柄。旅行やレジャーといったところ。金利低下もあって金融銘柄の下げもきつかった。 これまで言っていたようなワーストケースのシナリオになるのかどうか。つまり、これだけ緩和している状態にもかかわらず、米国でも成長できない時代に突入するのか。債券市場が示唆するものはそれであるが、現状ではそれをはっきり感じるデータはなく、雰囲気に近い予想を中心に株式市場が右往左往しているイメージ。もっともそれが市場でもあるので、逆に景気回復しているデータがしっかり出てくるまでは不安が市場を覆う可能性はある。 そんな中で6月CPIが来週13日に発表される。これまでの流れで言えば、予想よりやや高いくらいであれば債券市場の見方が変わるようなものにはならないだろうが、予想通りインフレしていれば株式市場はやや安心するだろう。 とはいえ、マクロ注目の投資は今はやめておいたほうがいい。今の動き(特に債券)が自分の中の考えとハマっている人はマクロ投資のいい

【2021.07.08】長期金利低下が一時的インフレ予測を間違える余裕を無くす
icon2021年7月7日
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昨夜の米国株式が過去最高値を更新する中、長期金利の低下がFOMCの金融政策運営を一層困難にしている。 ECBも2%強のインフレを容認する方向性だと報道され、ドイツ等の長期金利も昨夜一段と低下。 FOMC議事録は意見が二つに分かれているメンバーの議論を改めて示した。パウエル議長の一時的なインフレ宣言を信頼している市場が金利をさらに低下させ、金融緩和の長期継続と想定以下の経済成長リスクを再び意識した。 5月~6月のインフレがピークだったという見方が広がる中、FOMCの予測がハズれた際のリスクも高まっている。テーパータントラムを回避すべく台本通りのセリフを言い続けているパウエル議長の行動が裏目に出る可能性が顕在化。 日本で再び緊急事態宣言発令が検討されている中、足元回復していた鉄道、空運、観光やレジャー銘柄が再び手放されるだろう。日本において抜本的な業界再編は危機の中でしか起きないので、今回の長期化する需要低迷で脆弱な企業の再編が進むかもしれない。時価総額の約2倍の負債を抱えている私鉄の近鉄グループ(9041)は3月から資産と持ち合いの売却を進めており、株価が2012年の水準に下落。米国においては大手レンタカー会社や商業系リート等が破綻しており、少しずつ債務再編が進んでいるが低迷期が長引くほど日本もそういった局面に追い込まれるだろう。オリンピック後の大規模な経済対策が不可欠だろう。 最後

【2021.07.07】雇用指数の縮小をどう見るか?金利は低下へ。ドンキを見始めた。

昨晩の米国市場は、発表された経済指標が弱く雇用指数が縮小したことをきっかけに金利が大きくさがり長期金利は1.35%となった。米供給管理協会発表の非製造業総合指数(NMI)が60.1と鈍化し、雇用指数は49.3となった。需要不足が要因ではなく労働力不足が要因で雇用指数が弱いのだが、これによって雇用弱い⇒景気悪化という反応は謎でしかない。とはいえ、これがマーケットであるので、お伝えしている通りマクロベットの投資はなかなか難しい時期である。 個別銘柄探索ということで、最近はドン・キホーテ(パン・パシフィックHD)を調べている。インバウンド需要剥落などもあり、株価は過去1年横ばいとなっているが、インバウンド剥落は一周回って今期(6月決算なので22年6月期)の前年対比でのマイナス要因のはもうあまりならない上に、アジア事業や傘下のユニーが好調なのでここからはプラス面が効いてくるのではないか?というストーリー。インバウンドももしかしたら多少プラスになってくるかもしれない。 とはいえ株価もPERで28倍近くありそれなりの水準でもあるので、決算発表で出てくる会社計画の水準次第といったところかな。今の株価2370円が倍を目指せるようなアイデアではないと思うが、その分業績拡大は堅実と思われ、1年後には3000円を目指していけるといいなと思っている。インバウンドが復活するのは、旅行回復の中でも一番最後、海

【2021.07.06】原油価格一段高。米国ガソリン価格はすでに2014年水準。バンカメ分析をご紹介。
icon2021年7月5日
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独立記念日で株式市場が休場の中、原油をはじめとしたコモディティ価格が値上がり。中古車価格に続き、原油価格も「年後半正常化」説に加わるのか。 昨日のOPEC+は結局合意に至らず会合を中止。サウジとUAEの対立が解決できず、一先ず8月の生産水準を据え置き。それを受けて原油価格が1ドル上昇し、4年ぶり高値を更新。足元、原油価格以上に米国のガソリン価格が上昇し、すでに2014年以来の水準。消費者の手元に現金がある状態でガソリン価格が上がっても払える状況を考えると、ガソリン消費が落ち込まずむしろさらなるガソリン高を招くだろう。 ほかでバンカメの面白い分析を紹介。2021年上期の株式リターンは過去100年で7番目に高かった。年換算で20%を超えるリターンを出した後、次の6か月のリターンは平均としてー9%。プラスは一回のみで2008年のリーマン危機後。それほど深く考えるものでもないが、年前半に満足する程度のリターンが出れば後半はさほどリスクを取らないという自然な行動。ただし、それは機関投資家の発想であり、個人投資家の存在感が高まっている現在においては同じ原理が働くかどうか。 主要市場の動き * ダウ 休場 * S&P 休場 * NASDAQ 休場 * FTSE 7164.91 (+0.58%) * 米国10年金利 休場 * 原油 76.26 (+1.46%) * ビットコイン 3783263円

【2021.07.05】雇用統計、選挙、あれこれ。

金曜日に発表された米国の雇用統計は市場予想+70万人に対して、前月比+85万人という結果となった。やや上振れた結果となったが、おおむね想定レンジの範囲内ということで市場全体に混乱は少なかった。前日にやや金利は上昇していたが、発表後には再度下落して落ち着くことに。連日繰りかえし金利の動きについては疑問を唱えているが、引き続き見方は変わらないものの最近の傾向と変わらない動きで落ち着いている。少なくとも雇用者数が大失速ということはなさそうな上に、ここ最近のテーパリング議論をさらに早めていくほどの衝撃の結果、ということでもないので、今週はマクロ的には波乱は少なそうな展開を予想している。 一方で、日本については週末に都議会選挙があった。自民党が第1党になったが、獲得議席数は予想よりかなり少なく、今後の自民党の政策にもかなり影響が出るのではないかと思っている。都民ファーストも健闘したとはいえ、議席を大きく落としており、小池都知事の行うコロナ対策が支持されているとはとても思えない。それを考慮すると、おそらく自民党は巻き返しを図るために、コロナ対策中心の政策から、今後は経済対策や休業補償など分厚くしつつ、ワクチン普及に向けて引き続き力を入れていくと考えている。しかし、もし敗因分析がコロナ対策の詰めが甘かったこと、という判断となった場合、上記とは逆の一層の締め付けを打ち出す可能性もあり、そのどちらに

【2021.07.02】雇用統計前に小康状態。秋口にかけて日本でも経済対策復活なるか。

昨晩の米国市場は、金利は微上昇、株も微上昇という流れ。新規失業保険申請件数が予想以上の改善を見せる一方で、製造業景気指数は良好なものの前月比で伸び悩み、全体として大きな流れにはならなかった。本日発表の雇用統計(市場予想+70万人)を前に小動き。雇用統計がどういう結果であれば、マーケットが上下するか読みづらい。市場予想を大きく超える数字だとすると、かえって金融引き締めの早期化が意識され金利上昇、株式下落になるかもしれないが、予想通りかややプラスくらいであれば堅調な景気回復として金利は微動き、株式市場は上昇という結果になるかもしれない。 いずれにしてもマクロで動きが決まって、指数買っとけば大体大丈夫!という市場環境は終わったように思う。結果的に株式指数も上がっているかもしれないが、可能なら個別銘柄を追いかけたほうが勝率は高そう。今週はアイデアブックにサンフロンティア不動産を投稿した。あまり流動性がない株なのと、数年を見据えたややロングタームの投資アイデアではあるが、秋口にかけてのワクチン普及率、その効果の顕在化、また政府による財政出動次第ではレジャー、旅行、ホテルなどの業態が一気に回復に向かう可能性もあり、その場合にはサンフロンティアも恩恵を受けるだろう。そのときは短期でのアップサイドも見込めると思っている。 ただこの短期ストーリーにのみベットするのであれば、わかりやすく航空株、レジャ

【2021.07.01】ドル指数と金利が語っているそれぞれの異なる物語。
icon2021年6月30日
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S&Pが過去最高値で第2四半期を終えた中、金曜日の雇用統計前にドル指数と長期金利がそれぞれ異なるメッセージを伝えている。 ドル指数は6日連続上昇し、昨日のドル円も111円台に突入。ドルが買われている背景にいくつかの要素が考えられる。特に6月のFOMC決定会合後に * 永遠緩和期待が後退 * 過度に高インフレ・資産価格バブルを放置しない姿勢の表れ * テーパリングの早期開始の合図 * 投機筋のドルショートカバー といった要素から昨年春先から失われてきたドルの信頼が少し回復している印象。 しかし、通常ドルが買われる理由の一つが「米国経済成長期待」とすれば、長期金利が全く異なるシナリオを描いている。 10年金利が三日連続低下し、今年3月の水準から約0.3%下落。金利の低下が意味していることは色々考えられるが、 * 連銀がブレーキを踏み始めたことで予想外の景気後退リスクが高まった * 引き締めで足元のインフレが急速に低下し、2010~2020年の低インフレパラダイムが繰り返される * 現金給付と失業手当が打ち切られると個人消費も悪化する * 新型コロナウイルスの変異株の影響でコロナ禍が想定より長くつづく * 動機筋の債券ショートカバーで金利上昇ベットが巻き戻された といったところではないでしょうか。 それぞれの矛盾が明確だと思うが、想定以上の景気回復と高インフレだからこそFOMCメンバーの

【2021.06.30】第1四半期決算に向けて。アイフル等。
icon2021年6月29日
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昨晩の米国市場は動きの乏しい展開。米国消費者信頼感指数が127.3(予想:119)と、コロナ前の数値を回復するなど昨晩発表の統計データは引き続き強い展開だったが、今日発表予定のADP全米雇用報告、及び週末予定されている雇用統計と大きな発表が目前に控えており、大きくは動かなかった。 今日で多くの日本企業の第1四半期が終わり、決算発表が約1か月後から始まる。7月はこの決算を意識したポジションがとられている季節でもあるので、今一度自分が保有している企業の会社計画などは再確認したほうがよさそう。会社によっては、5月の決算発表時に出した今期の会社計画が強気すぎ、あるいは弱気すぎる会社も多いし、また中には中間期(9末)の予想を出している会社も多い。こういった会社予想に対して第1四半期の進捗率がどうなのか、決算の見た目でも株価は動きやすい。 私も実際に保有しているアイフル(期限到来でアイデアブックは先日終了・・)の第1四半期見直し作業に入っている。先週発表された月次データを見ると貸付金の伸びが回復しており、昨年のコロナ中に貸付が伸びなかった不安を一掃してくれる結果だった。ただし第1四半期だけでみれば、これはすぐに利益に効いてくるわけではなく、一方で昨年の緊急事態宣言中のようなコストの大きな圧縮はさすがに今期はないので、前年同月比という意味での決算の見た目だけはやや気にはなっている。とはいえ中長期

【2021.06.29】独禁法提訴棄却でFBが1兆ドルクラブ入り。リフレトレードが沈んだ一日。
icon2021年6月28日
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昨夜の米国市場はコロナ禍相場再来を思わせる動きを見せた。フェイスブックはインスタグラムとワッツアップの買収で昨年12月に独禁法違反で提訴されたが、FTCの主張が法的に不十分だった理由からワシントン連邦地裁理事に棄却された。過年度の許可済みの買収で提訴される根拠が薄いとしたが、30日以内に再提訴の可能性を残した。これを受けてFB株が4%値上がりし、めでたく1兆ドルクラブ入りした。再提訴の可能性が残り、6つの独禁法関連法案が論議されている中でFBの独禁法問題が解決されたとは言い難いが、一先ずFBの勝利。 FBを切っ掛けにグロースが急騰してNASDAQが最高値を更新し、これまでのリフレや景気回復銘柄が総じて低調だった。長期金利も再び低下し、引き続き違和感を感じさせる値動きが繰り返される日々。 一方、FRBのストレステストに合格した大手金融機関の株主還元が再開される。引け後に複数の金融機関が還元政策を発表: * JPモルガン四半期配当を$0.90から$1.00に増配し、現在の自社株買いプログラムの継続を発表。 * モルガンスタンレーは四半期配当を$0.70に倍増し、120億㌦(1.3兆円相当)の自社株買いを発表。 * バンカメは四半期配当を17%増配と発表。 * ゴールドマンサックスは四半期配当を$1.25から$2.00に増配。 金利低下で金融株が6月月初から大きく調整しており、株主還元再

【2021.06.28】好調な統計データ⇒金利やや上昇。オリンピック後の財政も注目。
icon2021年6月27日
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金曜日に発表があった5月の個人消費支出価格指数(PCE)が前年同月比+3.4%、前月比は横ばいとなったが、前月の数字自体が+0.4%上方修正された。これをうけて金利は上昇し、長期金利は1.5%を回復した。また株式市場もNASDAQを除きおおむね上昇。金利も株も上がるという、リスクオンのような動きとなった。 PCEの結果事態はおおむね市場予想の範囲内だと思われるが、それでも好調な指標が確認されて金利が上がるのは個人的にはやや安心感のある反応。インフレ自体はある程度一過性であったとしても、+2%をしっかり超える水準が維持できればさすがに今の金利水準は是正されそうな、そんな予感のさせる動きではあった。バイデン大統領のインフラ投資計画も、ハイテク株よりかはむしろ伝統的な重厚長大産業に効いてきそうなこともあり、金利の下値余地のなさと上昇可能性などからハイテク株からの資金逆流が起こるかが、株式市場内での夏に向けての動きのポイントかもしれない。もっともインフレがここから弱まってくると話も変わってくるが。 日本だとオリンピック以降に、コロナ対策予算の未消化分19兆円が投下される可能性があり、日本版インフラ投資計画ではないが、こちらもワクチン接種の普及と相まって相場に影響を与えそうな話と考えている。聞こえは陳腐化されているかもしれないが、GOTO○○のような政策が再度未消化の巨額予算とともに出てくる

【2021.06.25】債券市場と株式市場の分岐拡大?
icon2021年6月24日
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昨晩の米国市場は、①失業保険申請件数が予想以下の改善で耐久財受注も予想外に減少、②バイデン大統領がインフラ投資計画で超党派の合意を得たと発表、という、どちらもサプライズということもないが、米国経済にとってプラスマイナスの混じったニュースがあった。 これを受けて、株式市場は上昇。①により金融政策の変更がさらに前倒しになるリスクは軽減した(ように見える)ことと、②の財政によるプラス寄与に対して素直に反応した印象。一方で債券市場は冷めた見方でほとんど金利は動かなかったが、それ自体がある意味株式市場にとってはいいニュースともいえるかもしれない。 FOMC以降の動きの不可解さがリスクオフの前兆としてとらえられるのか、21日のモーニングコメントでも警戒していた通りだが、今週を振り返ってみて市場全体のリスクアパタイトは大きくは落ち込まなかった印象。昨年と同じ感覚ではないのは間違いないが、リスクオフというよりかは債券市場と株式市場で見ている未来予想が異なりつつある、そのギャップが広がりつつあるというのがFOMC以降の相場だったように思う。 債券市場が正しいとすると、これだけの金融緩和と財政政策の中でもインフレはかつての水準にとどまり、それを凌駕するものにならない、金融緩和をやめれば低成長になると言っているに等しい。イコール、米国経済はかつてほどの成長を遂げないという意味にもなり、先進国で唯一といっ

【2021.06.24】明確なメッセージを与えられず市場の様子見開始。エネルギー関連堅調。
icon2021年6月24日
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連銀メンバーの意見が真っ二つに分かれ、パウエル議長も台本通りの答えしか与えない中で出来高が低下し、相場全体の方向性が失われている。昨夜の米国市場も小幅な値動きで引き続き金利低迷でNASDAQが僅かに最高値を更新。 市場に与えられている使命は今後のマクロデータ指標を自ら判断し、「一時的」と主張されているインフレなのか「本当の」インフレなのか決断すること。いかなる局面においてもあまり冷静的でないマーケットにとってはやや厳しい要求。 今後インフレの判断に役立ちそうな指標と市場予想は以下: * 6月24日 GDPのQ1修正(3次)のコアPCE。前回の2.5%から修正の有無。 * 6月25日 個人所得と支出。どちらも前月比悪化する見込み。 * 6月25日 5月PCEコアデフレーター。前月比やや減速する予想。 * 6月29日 4月FHFA住宅価格指数。前月比やや加速。 * 6月30日 ADP。前月比半減する予想。 * 7月2日 雇用統計。前月比の55.9万人から増加し70万人弱の予想。時給は前月比大きく伸びる見込み。 なお金利とコモディティが下がる中、原油は引き続き好調。ロシアのOPEC+供給増提案とイランの核合意のニュースを受けても堅調で、需要が当面供給を上回る見方が浸透しつつある。このローテーションを表しているのがエネルギーETFのXLE対金融ETFのXLF。6月に入ってからXLEがXLF

【2021.06.23】金利周りは一時落ち着き。個別銘柄を見よう。サンフロンティア不動産。
icon2021年6月22日
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昨晩はFRBのパウエル議長が、インフレのみをみての性急な利上げは行わない、という議会証言があり、NASDAQ中心に株価は上昇した。一方で金利はあまり反応しておらず、債券市場は多少落ち着いた相場となった。発言内容自体はあまり意味のあるものでもなく、先週からの市場の動きを考えると債券市場の反応のほうが自然な反応。 株と債券市場でFOMCの受け止め方や昨晩のパウエル議長の証言に対する反応など、この1週間はバラバラとなっている。金利の動きは引き続き解せない部分が大きいが、長い目で見ればこういうバラバラな時は債券市場の動きが正しいことが多いので、そういう意味では夏にかけてのインフレ率と雇用者数が予想を超えるものではない、というシナリオを警戒している。 多少落ち着いたとはいえ、引き続き市場全体の動きに対して気持ち悪さが残る中、株でリスクを取りに行くとすればマクロとは関係ない動きができる中小型の個別株となってくる。時間があまりなくてちゃんと見きれていないが、サンフロンティア不動産が気になっており、今週末に調査してみるつもり。 本業は中古のオフィスビルを買って内装含めてリノベして売却。売却するまでの間は賃料収入入るし、それはそれで悪くない、といったビジネス。テナントが大企業でもない限り、内装まで整えてくれた方が入居者側も助かるしで、賃料含めてビルの収益力アップしての売却となっている。 数年前からバ

【2021.06.22】説明のつかない動きとその逆転。懲りずに原油。
icon2021年6月21日
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昨夜の米国市場は先週木金のほぼすべての下落を戻し、長期金利も急上昇。ここまで相場が極端に優柔不断な動きを見せると、水面下でより莫大な歪みが潜んでいる。端的にいうと、マーケットが壊れている。 最初は切っ掛けがなかったのもその破損の度合いを語っている。日経平均が3%下がったあと、米株先物と金利が上昇しはじめ、昨日の昼頃に1.92%だった30年金利が今朝2.10%に戻った。 リスクオフの起爆剤となったブラード総裁は月曜日のオンラインイベントで再び似たようなコメントをしていたにも関わらず、今回は長期金利上昇材料となった。繰り返しだが、壊れている。 その中で原油が3%値上がりし、2018年以来の水準を回復した。昨日ツイッターでも改めて$100原油のシナリオを紹介したが、私のビューに合わせたかのように(笑)バンクアメが今日原油$100のリポート発行。発送は同じ: * 需要がしばらく供給を上回る * エネルギー関連企業の供給はESG等により当面縛られる * これからドライビングシーズン等の需要期が始まる 昨日もコメントしたが、テーパリングと利上げの議論が加速している中で$100の原油が見えてきたら別のショックが重なり、大きな混乱が発生する恐れ。 ビットコインも中国の銀行・決済業者のさらなる取締により1月ぶりの安値を付け、リスク資産全体が前も後ろも見えない砂嵐に翻弄されている。 取るべきリスクが全

【2021.06.21】金利低下が止まらない。違和感も止まらない。
icon2021年6月20日
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金曜日の米国市場はリスクオフ相場となった。ハト派寄りとして知られるFRB当局者(ブラード総裁)の発言がタカ派寄り、つまり金融引き締め寄りの発言をしたということで、テーパリングをより強く市場が警戒したことから相場は下がった。 ということだが、正直かなり困惑している。主な点は2つ。1つ目は、金融引き締めのリスクをより強く市場が意識したのであれば、長期金利が大幅に低下する理由がないところ。2年債や5年債といった比較的短期の金利は上昇したのだが、金曜日は長期金利がさらに低下してFOMC前の水準かそれ以下まで下がってしまった。米国の構造的な成長は長期では見込めないと言っているような、そんな金利のカーブになってしまった。その理由がブラード総裁の発言がキッカケといわれると、かなり違和感を覚えてしまう。インフレの過度な上昇、つまり成長が急すぎることを警戒しての政策金利引き上げの話であるのに、その発言の結果として長期金利が成長を見込まなくほど下がる、というのは辻褄があっていない。 2つ目はブラード総裁の発言がタカ派寄りと解釈されている点。確かに22年中の引き上げを示唆するのはタカ派と思われる側面はあるが、内容自体は当然という普通である。「FRBが金融政策の引き締めを早める方向に動いたのは、経済成長、インフレ率が予想よりも伸びていることに対して自然な対応である」と語っており、当然だが経済成長、インフレ

【2021.06.18】ニュースほどにはサプライズでもないFOMC
icon2021年6月17日
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FOMCで利上げ見通しが2023年に前倒しされたことで、前々日は金利が急騰した。といっても、もともと下がっていたこともあり、上がったとはいえ直近の高値と比較すればまだ低い水準。そもそも23年中の利上げくらいであればある程度予想されていることだと思うので、(報道ではサプライズ的なトーンが多いが)本質的にサプライズだった可能性は低い。あえていえば、利上げ予想している当局者13人中7人が22年にも利上げすると考えており、23年末までというよりむしろ22年末かもしれない、といった辺りはややタカ派的なメッセージとして受け止められたくらいか。 金利も結局昨日は大きく下がって2日トータルでみれば、多少の上昇でとどまっている。追加でニュースがなければ、いったんFOMCの話は消化されつくしただろう。結局は毎月のインフレ率と雇用統計の数字次第ということであり、今回分かったことはそれらが強い数字を出し続ければ、さすがに利上げは早めてくるよねということ。逆に言えば、インフレ率や雇用者数が上振れなければ、テーパリングは相当しないともいえる。 この議論は前もあったが、素朴な疑問としてはこれだけの緩和状態の中でもしインフレ率が2%前後の通常運転に収束してしまった場合、もはやアメリカ経済は健康状態といえるのか?という疑問を呼び起こしそう。金融政策はどっちでもいいから、インフレはそれに応じてしっかりしていてくれない

【2021.06.17】FOMCを(ほぼ)無視したコメント。原油を語ろう。
icon2021年6月16日
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真夜中に目が覚めて折角だからFOMCの決定会合と記者会見を見ようと、暗い部屋で一人でみていたら損しかしていない気分で後味の悪い朝を迎えた。 その気分をそのまま言葉に落とし込んでツイートしたのでご関心のある方はご覧ください: https://twitter.com/aminimaz/status/1405247057464479745 さて、今日のモーニングコメントは原油に関して。 2008年のリーマン前の夏。世界の原油生産量が最大化するタイミングが近づいていると騒がれ、ピークオイル議論で原油価格が一時$140ドルを付け、世界中に本震前のショックを走らせた。 当時の米国エネルギー省(DOE)の統計で全世界の原油需要は一日当たり8700万バレル。同時期のOPEC生産量は3300万バレルで残りは非OPECのOECD等が賄っていた。需給が概ね釣り合っていたにも関わらず市場が不確定な未来予測に基づいて一気に原油価格を約2倍に値上がりさせた。当時の米国CPIが2007年中の+2%前後の水準から2008年7月に+5.6%に跳ね上がり、数十年ぶりのオイルショックを起こした。 2021年に早送り。 コロナ禍で低迷していた原油需要が凄まじい勢いで回復中。IEA統計によると2020年末にすでに9100万バレルに回復し、2021年Q2に9490万バレル、Q3に9770万バレルに急伸する見込み。 そこで

 【2021.06.16】インフレ加速しても金利が上がらない理由あれこれ、第2弾。
icon2021年6月15日
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昨晩の米国市場は、金利はほぼ横ばい。一方でNASDAQを中心に株式市場は木曜日のFOMCを警戒して利食いやポジションを落とす動きが見られて、やや弱含んだ。まぁわざわざボラティリティ追いかけなくてもいいよね、という動きではあるし、とりあえずFOMCの内容待ちなので今週はそれまではあれこれ言っても仕方ない面もある。 FOMCでよほどのサプライズがない限りは、23年末までにテーパリング開始といった辺りが変更点としてありそうな気はするが、だとしてもある程度織り込まれているようには思える。22年となってくると結構驚きになるのかもしれないが、とはいえ市場が冷静な理由があるとすれば、ということで今週考察している第2弾。 失業給付金上乗せが消え、労働市場に復帰⇒賃金上昇率の低下、車の購買力低下 月曜に書いた通り、原油以外の残りの懸念でいえば、賃金上昇率や購買力低下が考えられ、購買力は特に直近のインフレ要因(寄与8%くらい)となっている車価格についてである。車価格については、半導体不足に加えて、自動車部品全般が港湾で棚上げされている状態で、荷下ろし、輸送が滞っている状態の模様。昨年の12月のピークからはある程度解消したようだが、完全回復には数か月では足りない(トラック輸送も稼働率100%とか)ことが車価格の大きな上昇に繋がっている。 問題はそれでも消費者が買えてしまうということもあり、失業給付金の

FOMC前のポジション調整による値動きを深く考えすぎないこと。パーク24決算で景気回復銘柄に黄信号。
icon2021年6月14日
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ナスダックが過去最高値を更新し、金利が上がり、農産物コモディティが大幅下落し、FOMC前のポジション調整とショートカバーで騒がしい米国株式相場だった。 昨日はポール・チューダー・ジョーンズ氏が多くの投資家の内心を代弁し、現状を「バット・シット・クレイジー」(とんでもなくめちゃくちゃ)と雄弁に語った。報道によるとFOMC委員会メンバーの利上げ予測が前倒しされ、現在2023年にゼロ近辺にある金利予想値の中央値がやや上がる見込み。いずれにせよ、決定会合の声明が事実上「現状維持」であれば、ジョーンズ氏も語ったように、インフレヘッジ(仮想通貨、金、コモディティ)が大きく買われ、リスクアセットのバブルが再度膨らまされるだろう。 引き締め姿勢への過剰反応を恐れているFOMCは、勇気を絞り出して少しブレーキを踏み出すのだろうか。取り返しのつかないことになる前に踏んでほしい…。ターゲットにしている雇用改善は現在の金融政策によって実現できているかは個人的に大きく疑問。 国内株式で昨日はパーク24(4666)が2Q決算を発表し、大幅な未達に加え通期を赤字に大きく下方修正し、想定外のロックダウン打撃、景気回復の遅れのシグナルを示した。 上期は元々1300億の売上、5億の営業赤字を見込んでいたが、着地は1218億の売上(予想比-6.3%)と65億の営業赤字(予想比13倍、前年同期比4.3倍の赤字拡大)。通期

【2021.06.14】インフレ加速しても金利が上がらない理由あれこれ、第一弾。原油価格の低下リスク。
icon2021年6月13日
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金曜日の米国市場は動きの少ない展開。金利が落ち着いていることから、買い優先の市場ではあるが一時マイナスになるなど高値警戒、利食いの動きは引き続きあり、それを超えていくほどにはニュースもなく、カタリストが不足しているような展開だった。 CPIが予想を超えて上昇していくなかで、金利が下がり続ける理由について要調査と思い、週末少し調べてみた。可能性として、①原油価格、②賃金上昇率、③消費者購買力、あたりが低下していくことを考えられている、あるいは④少しでも利回り確保したい運用会社が短期的に買いに回った結果の需給要因(私自身コメントに書いた通り同じことをした・・)、という話があるようだ。今日はそのうち①の原油の価格動向(向こう数か月)を紹介したいと思う。 米国のイラン核合意復帰により原油輸出含む1,000件あまりの制裁解除 3月ごろに一度言われていた話ではあるが、バイデン大統領はイラン核合意復帰を打ち出しており、現在1,200件近くある経済制裁の内、1,000件あまりは解除していく段階的合意が存在している。一方で、イラン側は残り200件が解除されないことに態度を硬化させた結果、この段階的な解除自体が水に流れてしまった。 しかし、今週の6月18日のイランの大統領選以降、イラン側が再度交渉につくのではないか?という思惑がある模様。反米のハメネイ師が擁立する候補が勝つとみられているが、だからこ