株価 (2020/6/8) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
242円 | 629億円 | 7.53% | 3.88% | 25.33% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
20.17倍 | N / A | 0.82倍 | N / A | 5.15倍 |
マネックスグループ株式会社 2020年3月期 決算短信はこちら
2020年3月期 決算分析
■2020年3月期の連結決算営業収益 | 532億円 | (前年比2.0%増⤴) |
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税引前利益 | 41億円 | (前年比130.8%増⤴) |
当期利益 | 30億円 | (前年比154.8%増⤴) |
増収増益だった。委託手数料が米国で増加したものの、日本国内では減少し、前年比1.4%減の253億円だった。
トレーディング損益はコインチェック事業での仮想通貨取引の増加と日本国内でのFX収益の増加により前年比32.3%増の85億円だった。
また米国では受取利息が増加したものの、日本国内では信用取引残高が減少したことから金融収益は前年比3.4%減の185億円だった。
2021年3月期 業績予測
マネックス証券の事業は個人投資家を主な顧客としており、株式市場での個人投資家の売買動向に影響を受ける。
2020年3月末での日本取引所グループ発表の東証、名古屋市場における一営業日平均個人売買代金は前年比6.8%減の1兆478億円だった。
マネックスグループは2021年3月期の業績予想を発表していないが、株式市場での個人投資家の売買動向に関しては実際のところ減少している印象がない。
日本取引所グループ発表の2020年5月18日から5月22日の東証、名古屋市場における一営業日平均個人売買代金は1兆1,400億円で、むしろ三月末より増加している。
本日(5月28日)には日経平均株価は2万1,900円まで回復しており、また東証一部の売買代金も二カ月ぶりに3兆3,000億円を回復している事もあり、足元のマネックス証券事業はしっかりしていると思われる。
マネックスグループの米国市場でのビジネスはアクティブトレーダー層を主な顧客としており、市場のボラティリティが上昇すると取引量が増加し、収益に貢献する傾向にある。
米中間の緊張の高まりによりVIX指数が高まる事態が今後起こる確率は高そうな上、企業の倒産、また新型コロナウィルスの第二波の到来など市場のボラティリティが高まる要因には事欠かなさそうであるので、米国市場でのビジネスが極端に悪化しそうな印象はない。
コインチェックは2018年4月にマネックスグループが子会社化し、経営体制の変更を行った後、2018年10月に新規口座開設と取扱仮想通貨の新規取引を一部再開し、2018年11月末に顧客によるすべての取扱仮想通貨取引が可能となった。また2019年1月に仮想通貨交換業の登録を完了。現在取り扱う仮想通貨の種類は12種類になった。
コインチェックは年間を通じてすべての取扱仮想通貨について、顧客による新規購入・売却などの営業活動を行ったこと、また2020年1月以降はビットコインの価格が110万円まで上昇したことによって、仮想通貨取引は再び活況を呈した事から経営体制の変更後初めてセグメント利益が黒字化した。
コインチェックの2021年3月期の業績だが、ビットコインの価格は今でも90万円台で推移しており出来高もそんなに減ってない事、また取り扱う仮想通貨の種類が多い事、日本円から直接仮想通貨を買える事、使いやすいウェブサイトやスマホアプリを持っている事などから初心者が安心して仮想通貨取引を始められる会社に思われる。
アナリストによる投資スタンス
マネックスグループの株価は年初来安値の147円からは大分回復したが、EV/EBITDAが5.15倍とまだかなり割安に感じる。
ROIC(投下資本利益率)が25.33%と大和証券グループのROICの0.7%の36倍も高い。傘下におさめたコインチェックも黒字化した事だし、大きく業績が悪化しそうな不安要因は今のところないように感じる。日経平均株価と売買代金の上昇とともにバリュエーションが見直されて株価の上昇余地は大きそうに感じる。
プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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