執筆:西村 麻美

株価
(2020/6/9)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
635円 749億円 6.0% 16.2% 4.3%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
12.3倍 N / A 1.98倍 N / A 9.2倍

GMOフィナンシャルホールディングス株式会社 2020年12月期 第1四半期決算短信はこちら


2020年12月期 第1四半期決算分析

■2020年12月期 第1四半期の決算(1~3月期)
営業収益103.6億円(前年比50.1%増⤴
営業利益40.4億円(前年比200.2%増⤴
当期利益23.4億円(前年比279.9%増⤴

増収増益の決算だった。

証券・FX事業、暗号資産事業ともに好調に推移し、四半期決算ベースで過去最高業績を達成


■2020年12月期 第1四半期時点の商品別の営業収益内訳
FX・外為オプション58億円
CFD(差金取引)・株価指数バイナリーオプション14億円
株式など5億円
金融収益(貸株など)9億円
暗号資産11億円

主力商品の店頭FXは、ボラティリティの急上昇でスプレッド収益率が低下したものの、取引高の増加により大幅な増収増益で全体を牽引した。シェアが国内第二位に低下したものの、取引高、預かり証拠金残高は順調に拡大した。

FXに次ぐ収益の柱として注力してきたCFDは、顧客数の着実な伸びに加え株価指数や商品先物等のボラティリティ上昇を受け 売買代金が大きく増加し、収益の第二の柱として業績に大きく貢献した。

また、暗号資産事業は2020年1月に開設口座数が30万口座を突破し、ビットコインを中心に暗号通貨ボラティリティが上昇した事で取引高が増加し営業利益は黒字化した。(前年同期は営業損失)海外株式(タイ)は単月営業利益が黒字化した。


2020年12月期 業績予測

GMOフィナンシャルホールディングスでは証券・FX事業及び仮想通貨事業は、経済情勢や市況環境の影響を強く受け業績予想を行うことが困難であるため、連結業績予想は開示していない。

しかし、各商品の月次データを開示している。また、中期目標として2021年12月期の営業利益200億円を目標としてあげている。(2019年12月期 97.6億円 2018年12月期 118億円)


アナリストによる投資スタンス

株価バリュエーションはPBR1.98倍、EV/EBITDA 9.2倍と特に割安ではない。

証券事業と仮想通貨事業を営むマネックスのPBR0.81倍、EV/EBITDA 5.15倍と比較すると割高に感じる。

また、ROICを比較するとGMO4.3%、マネックス25.33%とマネックスの投下資本利益率の方が高い。市場の期待に応える成長を達成できるかがポイントとなろう。


プロフィール

マーケットアナリスト西村麻実 / Market analyst Mami Nishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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