株価(2023/4/12) | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
9,590円 | 1,657億円 | 53.9% | 37.7% | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
7.7倍 | 10.5倍 | 2.4倍 | 1.41% | N/A |
【2023年2月期通期決算結果】
ローツェの2023年2月期通期決算の結果は
売上高(累計) | 945億円 | 前年同期比41.1%増 |
営業利益(累計) | 264億円 | 同67.1%増 |
当期純利益(累計) | 214億円 | 同66.7%増 |
4Q単体の決算結果は
売上高 | 231億円 | 前年同期比13.3%増 |
営業利益 | 87億円 | 同72.3%増 |
四半期純利益 | 17億円 | 同▲58.2% |
半導体の主力搬送装置の売上増加、ベトナム量産効果、円安の影響により売上及び全ての利益段階で最高を更新した。通期の営業利益率は前期比4.4pt上昇の28.0%だった。四半期でみると4Qの営業利益は前年同期比72.3%増と大幅な増益であったが、これは外貨建取引の換算替えにより営業利益が押し上げられ、同程度為替差益が減少した。営業外収益として計上される為替差益の減少により4Qの経常利益は3Q比62%減少の37億円、四半期純利益は3Q比76.5%減の17億円であった。
セグメント別内訳では半導体関連装置の売上は前期比140.3%増の808億円、FPD関連装置の売上は同171.4%増の63億円であった。4Qに入り半導体関連装置の売上は3Q比12.7%減少、FPD関連装置の売上は3Q比39.8%減少した。
通期の半導体関連装置の売上で地域別では中国では製造装置メーカー向けEFEM等の売上が前期比62%増と大幅に増加した。一方米国では主要製造装置メーカー向けEFEMは同2%増と横ばいであった。台湾のファウンドリ向けウエハソータ等の売上は同47%増であった。FPD関連装置に関しては前期末受注による韓国、ベトナム向けの装置納入が売上増加に寄与した。
半導体関連装置の受注に関しては4Qの受注高145億円と3Q比21.9%減少した。これに関しては、長納期先行発注が一段落、メモリーメーカーの投資足踏みが影響している。4Q末の受注残高は559億円、3Q比8.2%減であった。台湾ファウンドリのみ受注増加、米国や中国の製造装置メーカーからの受注は減少した。
FPD関連装置に関しては主要顧客のベトナム向け自動化装置導入が進捗する一方、新規大口受注はなく、受注残高は3Q比12.9%減少の7億円だった。
【2024年2月期通期予想】
売上高 | 880億円 | 前期比▲6.9% |
営業利益 | 216億円 | 同▲18.2% |
当期純利益 | 157億円 | 同▲26.5% |
EPS | 892.13円 | ― |
期末配当金 | 135円 | ― |
今期の業績予想に関しては会社側は減収減益を予想している。当期純利益に関しては前期比26.5%減の157億円を予想している。
アナリストによる投資スタンス
事業環境としては半導体設備投資は調整局面が暫く続く見通しであり、またメモリ価格の下落に伴い、メモリメーカーの新規設備投資需要が減速している 状況が継続している。またローツェは中国の売上比率が30%と地域別でトップであるが、半導体製造装置の輸出規制強化による中国の設備投資への影響が懸念される。ローツェにとっての過去3期にわたった増収増益サイクルは一旦終了し、今期は減収減益になると考えている。今期の二桁減益予想を受けて本日は15%近く株価は下落した。本日の終値ベースで予想PERは10.5倍、PBRは2.4倍であった。
ローツェについて詳しく知りたい方は約3年前に個別レポートを書いたのでこちらをご参照ください。