株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
10,350円 | 1,824億円 | 52.4% | 31.3% | 18.6% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
9.41倍 | 11.6倍 | 2.48倍 | 1.3% | 8.5倍 |
*2023年7月12日終値。
【2024年2月期1Q決算結果】
ローツェの2024年2月期1Q決算の結果は
売上高 | 167億円 | 前年同期比▲23% |
営業利益 | 47億円 | 同▲6.2% |
四半期純利益 | 36億円 | 同▲30.6% |
従前の会社計画通り減収減益決算となった。顧客企業の在庫調整の影響で売上は前年同期比▲23%の167億円と大幅減収であった。営業利益の落ち込みはそんなに大きくなく同▲6.2%の47億円となった。営業利益率は同5.07pt上昇の28.26%であった。しかし、営業外収益では前年同期に計上した21億円の為替差益が四分の一程度に減少し、また前年同期にはなかったデリバティブ損失を1億円計上した事で経常利益は同▲27.5%の52億円、四半期純利益は同▲30.6%の36億円であった。決算発表翌日の翌日12日にローツェの株式は11%強売られた。
1Qの売上はメモリなど半導体需要減退に伴う在庫調整や輸出規制強化などの影響により半導体設備投資が減速したため、半導体関連装置の売上が減少し、大幅減収となった。営業利益に関しては販管費率は上昇したものの円安などによる原価率の低下により、営業利益率が前年同期比5%強上昇となった。為替に関しては実績は1ドル133円台、期初計画より変わらずであった。
売上のセグメント別内訳は以下の通りである。
(単位:百万円) | 売上 | 前年同期比増減 |
半導体関連装置 | 13,987 | ▲23.2% |
分析装置 | 715 | N/A |
FPD関連装置 | 346 | ▲84.0% |
ライフサイエンス関連装置 | 100 | 123.5% |
モータ制御機器 | 49 | 36.9% |
部品・修理 他 | 1,493 | 21.5% |
合計 | 16,693 | ▲23.0% |
1Qのセグメント別概況であるが、半導体関連装置はメモリなど半導体需要減少による新規設備投資の減速、台湾ファウンドリの工場設備投資の進捗状況や輸出規制強化に伴う客先納期先送りの影響などにより売上が減少した。分析装置は当期よりイアス社の分析装置を売上品目に
追加。国内外の半導体デバイスメーカーやウエハメーカー向け売上7億円でスタートした。FPD関連装置は韓国およびベトナム向け装置の売上が減少した。ライフサイエンス関連装置装置は中国などに自動化装置納入、前年同期比で売上が増加した。
地域別売上は中国向け売上減少が大きく米国向け売上が46億円(総売上の27%)と首位であった。中国向け売上は37億円(同22%)と二位であった。
【2024年2月期通期予想】
売上高 | 880億円 | 前期比▲6.9% |
営業利益 | 216億円 | 同▲18.2% |
当期純利益 | 157億円 | 同▲26.5% |
EPS | 892.13円 | ― |
期末配当金 | 135円 | ― |
今期通期の会社計画は従前予想を維持した。減収減益で当期純利益に関しては前期比26.5%減の157億円を計画している。
アナリストによる投資スタンス
会社予想通り減収減益の決算であった。サプライズはなかったが、エヌビディアの1Q決算発表以降に半導体株全般が買われていた事で株価が上昇していたところ一旦の利食いで本日は11%強下落した。業績的には2Qからではなく3Qから回復に向かうのではないかと考えている。本日の終値ベースで予想PERは11.60倍、PBRは2.48倍、EV/EBITDAは8.3倍であった。
本日半導体の国際団体SEMIが2023年の製造装置の世界売上高が22年比19%減の874億ドル(12兆2000億円)になる見込みだと発表した。22年末に公表した従来予想912億ドルから4.2%の下方修正であった。世界的に景気の低迷が長引き、スマートフォンやパソコンの需要回復が当初の想定より遅れており、メモリー市場に関しては回復が鈍い状況である。