株価 (2020/11/04) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
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2,297円 | 7,684億円 | 32.3% | N / A | N / A |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
N / A | N / A | 0.87倍 | N / A | N / A |
売上高 | 2,918億円 | (前年同期比72.4%減⤵) |
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営業収益 | 2,809億円 | (同▲3,598億円) |
四半期純利益 | 1,884億円 | (同▲2,452億円) |
EBITDA | 1,908億円 | (同▲3,555億円) |
新型コロナウィルスの影響に伴う旅行需要の減少により赤字決算だった。特に国際線の旅客数は第2四半期も前年同期比96%減、一方国内線は5月に底打ちし回復基調にある。ANA、Peachともに、前年比で約7割の減少となり、第1四半期に比べて改善した。
国際線貨物事業は堅調な単価水準を支えに、旧盆期間を含めて需要の取り込みを強化した結果、第2四半期単独の売上高は、前年を上回った。第二四半期の営業損益、四半期純損益、EBITDAは第一四半期に比べて改善した。営業費用は、前年から4,043億円減少の、5,727億円だった。
財政状態は、資産は手元資金の確保に努めた結果、前期末に比べて1,844億円増加し、2兆7,446億円となった。負債の部は、資金調達を行った結果、前期末に比べて3,631億円増加し、1兆8,543億円となった。
有利子負債は前期末に比べて4,726億円増加し、1兆3,155億円となった。
上期は合計3,330億円のコスト削減を進めた。内訳は運休、減便などの変動費を2,480億円削減、固定費はグループ人件費550億円を含め1,520億円の削減をした。事業構造改革ではフリート戦略を大幅に見直す。
2020年度でANAの旅客機28機を早期退役。当初予定と合わせて20年度の退役35機。合計24機の大型機削減予定。20年度末のグループ全体の機材数は当初計画比33機削減、276機になる予定。今期中に航空機の減損処理等に伴う特別損失を計上する予定だが、来期の収支を大幅に改善していく予定。
グループ役職員の報酬・賃金・一時金の削減や、休業・休職制度の拡充などの人件費抑制策を労働組合に提案した。正社員のグループ外企業への出向は12月までに100人、来春に400人の予定。グループ全役職員の賃金、一時金の削減、希望退職者の募集、新卒採用の中止を予定している。(2021年度は▲2,500名)
また、グループ外に委託していた整備作業や空港ハンドリングなども内製化を進めコスト削減を進める。また、調達、物流コストの削減、オフィス・スペースの削減、返却なども合わせて2021年3月期通期で固定費2,500億円削減を予定している。
また、10月末に総額4,000億円の劣後特約付きシンジケート・ローン契約を締結した。アレンジャーは三井住友銀行、日本政策投資銀行など5行。劣後ローンは、清算手続、破産手続、会社更生手続および民事再生手続などにおいて劣後性を有し、借入額の50%の資本性の認定を受けられる予定。今後も必要に応じて劣後ローンや劣後債等のハイブリッド・ファイナンスを積極的に活用していく予定。
2021年3月期予想
2021年3月期の会社計画の業績予想は、
売上高 | 7,400億円 | (前年比62.5%減⤵) |
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営業利益 | ▲5,050億円 | (前期は608億円) |
当期利益 | ▲5,100億円 | (前期は276億円) |
航空機の大量退役に伴う減損損失等(約730億円)に、施設・設備等の減損損失等を含め、合計1,100億円の特別損失を計上する見込みである。
事業構造改革については労働組合が強いために大胆なリストラまで踏み込んでいない印象がある。日本航空が経営破綻から再生した際には全従業員の三分の一の人員にあたる1万6,000人のリストラを断行した。コロナ感染者数も再び増え始め、国際線の需要が回復する環境にない中もう一段踏み込んだリストラが必要に思われる。
アナリストによる投資スタンス
株価バリュエーションはPBRが0.86倍であるが、厳しい環境の中、ANAが事業構造改革で利益を生み出すようになると期待するのは難しいように思える。
プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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