株価 (2022/5/25) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
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4,705円 | 4,249億円 | 44.7% | 16.2% | 12.1% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
27.1倍 | 24.3倍 | 4.1倍 | 1.24% | 7.3倍 |
2022年3月期通期決算
IIJの2022年3月期通期結果は
売上高 | 2,263億円 | (前期比6.3%増) |
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営業利益 | 235億円 | (同65.3%増) |
当期純利益 | 157億円 | (同61.4%増) |
EPS | 173.56円 | ー |
一株当たり配当金 | 48円 | ー |
最高益を更新した決算だった。
営業利益率は3.7pt改善の10.4%であった。
法人の高いDX需要からNWサービスのトップライン成長、マージンの拡大により最高益を達成した。
営業利益増益93億円のうち84.5億円はNWサービスからの貢献であった。
NWサービス事業(モバイルを除く)
売上高 | 875億円 | (前期比10.3%増) |
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IPサービス | 136.8億円 | (同12.4%増) |
アウトソーシング (セキュリティ、ネットワークサーバー等) | 405.2億円 | (同13.5%増) |
WAN | 264億円 | (同5.4%増) |
法人向けIoT関連モバイルサービスでは、継続した案件需要と既存案件の回線数増加等もあり、売上高は前期比31.4%増、契約回線数は同23.7%増と伸長した。
セキュリティ関連サービスに関しては自社開発セキュリティサービス群の機能強化、ラインナップ拡充、「IIJ C-SOCサービス」の案件積み上げ等により売上高の高増収が継続した。
モバイル事業
売上高 | 407.2億円 | (前期比14.3%減) |
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法人モバイル売上 | 102.6億円 | (同31.4%増) |
MVNE売上 | 100.9億円 | (同39.6%減) |
IIJmio(個人モバイル)売上 | 203.7億円 | (同11.4%減) |
法人モバイルは既存案件の回線追加、継続的な新規案件獲得で伸長した。
マルチキャリア構成、SoftSIM等多様なSIM形状での提案等で差別化を発揮した。
利用用途は拡大しており、 決済端末(自動販売機他)、マーケティングカメラ、防犯・監視カメラ(作業員ヘルメット他)、ドライブレコーダー、WANバックアップ、GPSトラッカー(児童見守り他)、遠隔操作(鍵開閉他)、リモートワーク用等であった。
一方MVNE、IIJmioは回線数は増加したものの平均販売単価の下落により減収であった。
SI事業
売上高 | 953億円 | (前期比14.5%増) |
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SI構築売上 (一時売上、機器販売を含む) | 354億円 | (同11.4%増) |
SI構築受注額 | 387億円 | (同18.6%増) |
SI構築期末受注残高 | 125億円 | (同49.5%増) |
SI運用保守売上 | 599億円 | (同16.4%増) |
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SI運用保守受注額 | 628億円 | (同8.8%増) |
SI運用保守期末受注残高 | 603億円 | (同10.6%増) |
ネットワーク構築案件が活況で、システム構築の売上高は前年同期11.4%増、受注額は18.6%増と順調に伸長した。
システム運用保守売上高は、継続したシステム運用保守案件の積み上げに加え、マルチクラウド需要の高まり等によるクラウドコンピューティング関連サービス売上高の増加もあり、前年同期比16.4%増となりました。
また、企業の社内システムのフルクラウド化需要に対応すべく、新サービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2」を開発し提供開始した。
SI事業のうち昨年4月に連結化したシンガポールのSIerの売上は68.9億円、営業利益は3.1億円であった。
前期は大口顧客の変動やコロナ禍の影響で売上は期初予想に対して未達であった。
ATM運営事業
売上高 | 28億円 | (前年同期比3.7%減) |
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持分法適用会社のディーカレットに関しては前期の損益は▲28億円であった。
2月にで暗号資産事業を譲渡し、立ち上がりつつあるデジタル通貨事業にリソースを集中する。
ディーカレット関連損益は税効果対象外で処理した。
2023年3月期見通し
会社発表の2023年3月期通期の業績予想は
売上高 | 2,500億円 | (前期比10.5%増) |
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営業利益 | 272億円 | (同15.5%増) |
当期純利益 | 175億円 | (同11.7%増) |
EPS | 193.77円 | ー |
一株当たり配当金 | 58.5円 | ー |
NWサービスの旺盛な需要継続にNW更改の大型複合案件、またNWサービスはストック売上でありスケールメリットで構造的にマージンが拡大する為に最高益を更新する予定である。
また増益に伴い増配を予定している。
アナリストによる投資スタンス
5月13日の決算発表後、週明けの月曜日には一時株価は12.7%も上昇し、その後は売りに押されたが今期も最高益更新予定と好業績が評価されて株価は上昇基調である。
IIJは法人のDX需要の継続で法人向けNWサービスはこれからも拡大していくだろう。
株価バリュエーションは予想PERは24.3倍、PBRは4.1倍、EV/EBITDAは7.3倍と割高感はない。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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