株価 (2022/2/9) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
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3,625円 | 3,274億円 | 44.5% | 9.7% | 8.2% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
33.8倍 | 23.9倍 | 3.3倍 | 1.27% | 6.2倍 |
2022年3月期第3四半期決算
IIJの2022年3月期第3四半期決算(累計)の結果は
売上高 | 1,656億円 | (前年同期比6.1%増) |
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営業利益 | 163億円 | (同60.9%増) |
四半期純利益 | 115億円 | (同96.1%増) |
第3四半期単独の決算結果は
売上高 | 565億円 | (前年同期比0.8%増) |
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営業利益 | 69.9億円 | (同41.5%増) |
四半期純利益 | 46億円 | (同36.8%増) |
大幅増益の好決算だった。累計の営業利益は前年同期比3.3%上昇の9.8%、第三四半期単独の営業利益率は前年同期比3.4pt上昇の12.4%だった。
NWサービス:法人向けインターネット接続サービスの売上高は、IPサービス及び法人IoT等用途向け法人モバイルサービス等が増加したが、調達コスト低下に応じたIIJモバイルMVNOプラットフォームサービスの減収影響があり、前年同期比5.4%減の281億円となった。個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービスにおいて新サービスによる平均販売単価低下の影響等があり、同8.3%減の178億円となった。アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス売上高等の増加があり、同13.5%増の 298億円となった。 WANサービスの売上高は、同4.3%増の194億円となった。これらの結果、ネットワークサービス売上高は、同1.2%増の951億円となった。
SI:システム構築及び機器販売による売上高は、前年同期比12.6%増の244億円となった。このうち買収したPTCに係る売上高は37億円だった。システム運用保守による継続的な売上高は、システム運用保守案件の継続積み上げ及びプライベートクラウドサービスの売上高増加等があり、同15.1%増の439億円となった。このうち、PTC の売上高は16億円だった。これらの結果、SI(機器販売を含む)の売上高は、同14.2%増の684億円となった。
第3四半期累計のSI(機器販売含む)の受注は、前年同期比6.2%増の699億円となった。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は同10.7%増の265億円、システム運用保守に関する受注は同3.7%増の434億円(前年同期41,878百万円)だった。
第3四半期末のSI(機器販売を含む)の受注残高は、前年同期末比10.4%増の681億円となった。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は同15.3%増の113億円、システム運用保守に関する受注残高は同9.4% 増の569億円だった。
事業別の状況は以下の通り。
NWサービス(除モバイル)
IPサービス売上 | 100.7億円 | +12.0% | 企業インターネットトラフィック増で継続増収 |
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アウトソーシング サービス売上 | 298.3億円 | +13.5% | セキュリティ継続牽引に加えVPN・NW マネジメント関連サービス需要も伸長 |
(うちセキュリティ サービス売上) | 161.5億円 | +18.7% | メール・Webゲートウェイ等の従来サービス継続増収にC-SOC・SASE等も成長 |
WANサービス売上 | 194.0億円 | +4.3% | 企業NW複合提案等でWAN提供機会増加 |
モバイル(法人・個人)
モバイル総回線数(3Q末) | 337.5万 | 前年同期比+9.3万 |
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法人(除MVNE)売上 | 75.2億円 | +36.3% |
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フルMVNO優位性・顧客基盤・ソリューション提案力でIoT案件積み上げ継続
ギガプラン回線数(3Q末) | 60.7万(新規34% +5.1万QoQ) |
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MVNOトップシェア18.2%ギガプラン投入でシェア向上
FY20 ドコモ モバイル接続料単価 | 194.0億円 | 前年比12.7%減確定(21年12月末)で 3Q費用減効果 |
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SI(システム・インテグレーション)
SI構築 | 売上 244.1億円(+12.6%) | 受注 265.0億円(+10.7%) | 受注残(3Q末) 112.5億円(+15.3%) |
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引き続き旺盛なNWインテグレーション需要 | インターネットゲートウェイクラウド化・ セキュリティ強化・DR環境構築等 |
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PTC連結影響 (21年4月より連結子会社) | 売上 53.0億円 | 営業利益 2.6億円 | コロナ禍行動規制下で 進捗やや遅れ気味 |
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2022年3月期見通し
11月に上方修正した通期見通しを維持した。
売上 | 2,285億円 | (前期比7.3%増) |
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営業利益 | 220億円 | (同54.4%増) |
当期利益 | 137億円 | (同41.1%増) |
EPS | 151.72円 |
アナリストによる投資スタンス
2月8日の決算発表後に株価は下がり基調であるが、おそらく通期決算時に上方修正をしてくるのではと予想する。第三四半期末までに既に通期の当期純利益予想の84%を達成しており、営業利益率は上がっており、受注残も豊富にあるのを考えると会社予想は保守的過ぎる印象がある。株価バリュエーションは今期予想PERが23.9倍、PBRが3.3倍、EV/EBITDAが6.2倍と割高感は全く下値は限定的だと思われる。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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