IIJの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

2,530円

4,473億円

44.4%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

24.3倍 

22.0倍

3.9倍

1.37%

 7.1倍

*株価は2023/8/8の場中。

IIJ:2024年3月期1Q決算結果

売上高614億円前年同期比5.6%増
営業利益50億円同▲0.5%
親会社の所有者に帰属する四半期純利益35.8億円同▲18.4%

法人及び官公庁のDX需要は引き続き強く、NWサービス(モバイルを除く)の売上は前年同期比11.1%増と強かった。しかしSIでは案件の大型化及び複雑化により売上計上するまでにタイムラグが発生しており1Qではシステム構築の売上高が同5.1%減となり、システム運用保守の売上高は同2.8%増となった。また1Qは年度初めで販管費では人件費増が大きく販管費は同14.6%増となり営業利益は同▲0.5%と若干の減少となった。営業利益率は同0.5pt低下の8.1%であった。金融収益は、ファンドの金融資産評価益が前年同期12億円計上した事の反動減となり今1Qの金融資産評価益は3億円となった。持分法による投資損益は、ディーカレットに関する損失1.25億円等を含む1.54億円の損失であった。四半期純利益は同▲18.4%の35.8億円であった。
 

【NWサービスの売上内訳】

法人向けインターネット接続サービス107.7億円前期比13.2%増
アウトソーシング(セキュリティ、ネットワークサーバー等)125.3億円同14.5%増
WAN (広域網ネットワークサービス)70.5億円同5.7%増

大規模NWシステム更改との需要・提案機会が大幅増加し事業領域が構造的に拡張している。 IP: +13.4%、アウトソーシング: +14.5% (うちセキュリティ: +17.1%)、WAN: +5.7%

 

【モバイル事業の売上内訳】

法人モバイル売上31.5億円前年同期比19.3%増
MVNE売上26.3億円同8.2%増
IIJmio(個人モバイル)売上51.7億円同▲2.6%

法人モバイル売上の伸びが大きかった。自社開発「マルチプロファイルSIM」とモバイルクリエイト社共同開発「自動切換アプ
リ」を組み合わせた冗長化ソリューション提供開始。通信障害時の回線自動切換等でユーザー業務の可用性向上に貢献。

 

【SI事業の売上内訳】

SI構築売上(一時売上、機器販売を含む)72億円前年同期比▲5%
SI構築受注額141億円同31%増
SI構築期末受注残高 206億円同32.5%増
SI運用保守売上171億円同2.8%増
SI運用保守受注額197億円同▲14.7%
SI運用保守期末受注残高716億円同7.1%増

市場環境活況・受注好調で大・中規模のNW更改等の潜在案件も多数進行中である。1Q23末受注残のうち約40億円は来期計上予定。2Q23に海外DC構築案件約30億円売上計上予定 。1Q23 PTC(買収したシンガポールのSIer)業績: 売上 21.8億円、営業利益 0.6億円 

SI運用保守は、4Q22末に大口運用案件想定通り終了で1Q23売上約△2億円QoQの影響があった。1Q22受注は複数年確定大型案件(約30億円)内包(1年契約分受注・自動継続が一般的)で1Q23受注は反動減があった。ゲーム系需要見合い要因のマルチクラウド減少で、1Q23クラウド売上78.7億円と前年同期比5.1%減少した。
 

IIJ:2024年3月期通期計画

売上高2,860億円前期比13.2%増
営業利益 315億円同15.7%増
当期利益207億円同10.0%増
EPS114.67円
一株当たり配当金34.36円

1Qが終わり従前の会社通期計画を維持した。今期も最高益更新を予定している。複数年にわたるNWサービス、SIの複合案件が増加している。IIJの売上の約87%はストック売上であり、スケールメリットで構造的にマージンが拡大する為に最高益を更新する予定である。

アナリストによる投資判断

SIでは案件の大型化及び複雑化により売上計上するまでにタイムラグが発生しており1Qではシステム構築の売上高が前年同期比若干の減少となり、また販管費の二桁増により営業利益の減少、また四半期純利益が減少したが、ファンダメンタルの悪化ではない。しかし、決算結果が正午に発表されると前場で5%近く株価が上昇していたが、後場寄りで大きく売られ一時6%以上下落したがその後値を戻した。SIに関しては1Qに計上されなかった分が2Q以降に計上される見込みで今期も引き続き最高益を更新する可能性が高い。SI運用保守(ストック売上)の受注残高は過去最高水準となった。多様なNWサービス群で競争優位性が高く、法人の高いD/X需要から中期的に業績は安定的に推移するであろう。地味な銘柄ではあるが、D/X銘柄の本命銘柄の一つであると考えている。

NTTグループ・KDDIとの通信キャリアが同率筆頭株主となった。(2023年5月末時点で11.1%ずつ保有)

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