IIJの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

2,995円

5,299億円

44.4%

15.2%

12.6%

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

26.7倍 

25.7倍

4.1倍

1.17%

 8.5倍

*株価は2025/2/7の前場の終値。

IIJ:2025年3月期3Q決算結果(累計)

売上高2,293億円前期比14.0%増
営業利益207億円同2.1%増
親会社の所有者に帰属する四半期純利益138億円同6.2%増

3Q単独の決算結果は

売上高823億円前年同期比12.9%増
営業利益89億円同8.8%増
親会社の所有者に帰属する四半期純利益63億円同35.6%増

IIJの2025年3月期3Q決算は増収増益決算であった。企業、官公庁のネットワーク更改等の需要は引き続き良好でサービスインテグレーションで大型NW更改案件を多数獲得、SIの売上の伸びの継続と好調な決算であった。VMwareライセンスの実質大幅値上げに対応する価格転嫁も進み増益基調に戻った。

売上は前年同期比14%増の2,293億円、営業利益は同2.1%増の207億円、営業利益率は同▲1.0ptの9%となり、四半期純利益は同6.2%増の138億円となった。ファンド評価損益は5億1,200万円、持分法損益は▲2億6,400万円、うちディーカレット(出資比率38.2%)の損益は▲3億3,500万円であった。

 

【NWサービスの売上内訳】

法人向けインターネット接続サービス361.3億円前年同期比8.7%増
アウトソーシング(セキュリティ、ネットワークサーバー等)434.3億円同11%増
WAN (広域網ネットワークサービス)206.6億円同▲2.6%

各サービスの売上が継続的に伸長している:IP+7.3%YoY、アウトソーシング+11.0%YoY、うちセキュリティ+16.3%YoY。3Q24でのサービス価格改定効果+4億円。セキュリティの高い成長はNW更改案件等でSASE・SOC(セキュリティ・オペレーション・センター)等の旺盛な需要による。

 

【モバイル事業の売上内訳】

法人モバイル売上112.6億円前年同期比12.1%増
MVNE売上85億円同7.9%増
IIJmio(個人モバイル)売上173.8億円同7.1%増

法人モバイル売上の伸びが引き続き大きかった。デュアルキャリア・eSIM等でソリューション強化。個人モバイルの市場環境は安定推移、端末プラン・eSIM等で積極展開した。

 

【SI事業の売上内訳】

SI構築売上(一時売上、機器販売を含む)467億円前年同期比39.3%増
SI構築受注額455億円同4.8%増
SI構築期末受注残高 225億円同▲4.8%
SI運用保守売上603億円同13.6%増
SI運用保守受注額681億円同5.6%増
SI運用保守期末受注残高929.6億円同15.7%増

需要動向は業界万遍なく引き続き良好であった。3Q24で千葉市教育情報ネットワーク案件:SI構築売上約30億円を計上 3Q24で数十億円~百億円超の大型案件もコンスタントに獲得。公共機関向けシステム基盤構築(約40億円・5年間)公共機関向けサービスシステム導入(約10億円・5年間)地銀向け新共同プラットフォーム第2号案件(約110億円・8年間、うち、約半分はNWサービス)3Q24累計進行基準売上影響:+約25億円(3Q23累計:約19億円)大口案件構築売上順次計上に追随し月額運用売上順次蓄積中 AWS関連ソリューションの共同開発等にてサーバーワークスと業務提携

IIJ:2025年3月期通期計画

売上高3,120億円前期比13%増
営業利益 320億円同10.2%増
当期利益206億円同3.9%増
EPS116.46円
一株当たり配当金35円

従前の通期計画を維持し、今期も最高益更新を予定している。VMwareライセンス費用増加は▲11億円。VMwareライセンス費用増加分はSI事業は既に1Qから価格に転嫁を開始し、NW事業に関しては10月より価格改定を開始した。

 

アナリストによる投資判断

IIJのファンダメンタルは好調で売上の78.7%はストック売上であり、スケールメリットで構造的にマージンが拡大し、業績も最高益を更新し続けている。VMwareの実質大幅値上げで1Q、2Qとマージンが低下したが、価格転嫁が進みマージンが回復しており、4Qはもっと改善するのではと思われる。