【銘柄注目ポイント!】
緊急事態宣言解除からメルカリJPの出品数鈍化。成長が鈍化したか復調するか?!
株価 (2022/2/17) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
3,370円 | 5,390億円 | 12.0% | N/A | N/A |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
92.5倍 | N/A | 13.77倍 | N/A | N/A |
2022年6月期第2四半期決算
メルカリの2022年6月期第2四半期決算(累計)の結果は
売上高 | 712億円 | (前年同期比47.7%増) |
---|---|---|
営業利益 | ▲ 17億7,400万円 | (赤字転落) |
四半期純利益 | ▲27億2,800万円 | (赤字転落) |
メルカリUSの収益認識の会計方針変更の影響で売上高が増加した。会計方針変更の影響額が59億円あり、その影響を除いた2Qの売上高は前年同期比22%増の316億円だった。売上高は過去最高を達成したが、各事業において将来成長するための広告宣伝費などの投資を強化した結果営業損失を計上した。
セグメント別の状況は以下の通りである。
メルカリJP事業
売上高 | 218億円 | (前年同期比15%増) |
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調整後営業利益 | 56億円 | (同9%減) |
調整後営業利益率 | 26% | (同6pt低下) |
GMV(流通取引総額) | 2,268億円 | (前年同期比15%増) |
MAU(月間アクティブ・ユーザー数) | 2,045万人 | (前年同期比13%増) |
新規ユーザ獲得に加え、既存ユーザ活性化に向けたCRM施策などによってユーザ基盤が着実に拡大し、2Q GMVの過去最高を更新した。しかし、昨年10月末に緊急事態宣言が解除され、出品数の鈍化や購入頻度の減少が影響し、想定比でGMV成長率が低かった。持続的な成長の源泉となるユーザ基盤の拡大にむけて積極的に投資を継続した結果、調整後営業利益率が前四半期比で横ばいにとどまった。ユーザの多様化への対応やUX向上を目的として、スマホのみで提供していた機能の追加などWeb版メルカリの機能改善を継続的に実施した。その結果、新規BuyerのWebからの流入比率が上昇し、GMVに占めるWebの比率が増加した。
スマホ決済サービスを提供するメルペイでは、引き続き「メルカリ」の利用実績とAI技術を活用し、ユーザーの最新の利用状況にあわせた適切な与信を提供することで、与信分野を中心に収益力の強化に取り組んできた。この結果、「メルペイ」の利用者数は1,214万人となるとともに、「定額払い」債権残高が350億円を突破するなど、順調に成長している。
メルカリUS事業
売上高 | 9,580万ドル | (前年同期比22%増) |
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調整後営業損益 | ▲2,010万ドル | (前年同期▲1,190万ドル) |
GMV | 3億800万ドル | (前年同期比17%増) |
MAU | 512万人 | (同21%増) |
メルカリUSではホリデーシーズンの需要期にあわせたマーケティング施策が奏功し新規ユーザ数が伸長、12月単月でMAUが過去最高の530万人を達成した。売上高は前年同期の途中から導入した決済手数料の効果もあり前年同期比22%のプラス成長だった。ホリデーシーズンにおける新規ユーザ獲得及び既存ユーザ活性化を目的としたクーポンキャンペーン等のオンライン施策が奏功した。全体GMVに与える影響はまだ軽微だが、「Mercari Local」「後払い決済サービス」共に取引単価上昇、新規ユーザ獲得に寄与した。
ソウゾウでは、10月7日の本格提供後も出店数や出品数が順調に増加した。事業者の売れる体験の最大化にむけて、積極的なマーケティング施策を実施している。
メルコインでは暗号資産はFY2023.6の事業開始を目指し、ライセンスの取得を推進している。NFTは2022年以降のブロックチェーン技術の活用を目指している。
2022年3月期予想
合理的な業績予想の算定が困難であるため記載していない。
アナリストによる投資スタンス
2月3日の決算発表以降に2Qで再び営業赤字に落ち込んだ事、稼ぎ頭のメルカリJPにおいて昨年10月末の緊急事態宣言解除以降の出品数の鈍化、購入頻度の減少が特に問題視されているようである。三カ月前の1Q決算発表時より40%以上株価は下落した。リユースC to C市場は参入障壁が低く、競合が沢山市場に参入している。メルカリの手数料10%が高いという意見も多くあり、成長が鈍化したのか注視していく必要がある。またメルカリUSについては全く黒字化する気配はない。投資をし続けるものの黒字が定着しないメルカリはバリュー株に投資家がシフトする中、毎日年初来安値を更新し続けている。2022年6月期通期の業績予想を発表していないため、PER、EV/EBITDAは計算できないが、PBRは13.77倍である。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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