【銘柄注目ポイント!】
中小事業者向けのECプラットフォームでNo.1であるが株価は年初来安値を更新中。
株価 (2022/2/21) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
368円 | 410億円 | 47.2% | N/A | N/A |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
N/A | N/A | 2.72倍 | N/A | N/A |
2021年12月期 決算
BASEの2021年12月期 決算(通期)の結果は
売上高 | 99億3,100万円 | (前年同期比19.8%増) |
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営業損益 | ▲9億7,700万円 | (同赤字転落) |
当期純損益 | ▲11億9,400万円 | (同赤字転落) |
4Q単独の結果は
売上高 | 27億5,500万円 | (前年同期比20.2%増) |
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売上総利益 | 15億4,300万円 | (同14.9%増) |
販管費 | 20億3,000万円 | (同20.4%増) |
営業損益 | ▲4億8,700万円 | (同42%減) |
四半期純損益 | ▲7億2,700万円 | (同99.7減) |
4QのGMV(決済額)は前年同期比22.0%増加し298億6,500万円と過去最高を記録した。流通総額の成長により、売上高及び売上総利益は増加した一方で、主に購入者手数料の減少により、テイクレートは前年同期の8.1%からは0.4pt低下、前四半期比0.2pt低下の7.7%であった。テイクレートの低下は販促支援と季節性等による決算単価の上昇、決済手段の構成比の変化によって減少した。
4Qの販管費20億3,000万円のうち10億円強がプロモーション費用であり、今までで一番大きくプロモーション費用に使った四半期であった。プロモーションの内容であるが、TVCM、Web広告に加えてクーポン付与を積極的に行った。販管費の大幅増加に関しては期初からの計画通りでプロモーションや人材採用の先行投資の為であるが、営業段階で赤字に転落した。プロモーション費用を除くと営業段階で黒字を達成した。
セグメント別の内訳は以下の通りである。(累計)
BASE事業
売上高 | 84億2,000万円 | (前年同期比15.0%増) |
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セグメント損益 | ▲7億300万円 | (前年同期は11億1,200万円) |
GMV(注文ベース) | 1,138億円 | (前年同期比19.4%増) |
GMV(決済ベース) | 1,066億円 | (同21.5%増) |
PAY事業
売上高 | 14億4,800万円 | (前年同期比54.2%増) |
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セグメント損益 | ▲3,800万円 | (前年同期は▲7,200万円) |
GMV | 553億円 | (前年同期比53.2%) |
その他事業(YELL BANK等)
売上高 | 6,200万円 | (前年同期比127.3%増) |
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セグメント損益 | ▲5,200万円 | (前年同期は▲4,500万円) |
BASE事業では、月間売店数が前期末比11,000店増と想定を上回って増加し、1,000億円を突破した。累計では2022年1月に170万ショップを突破した。GMVのCAGR(5年間の年平均成長率)は66.9%と高い成長を維持している。4Qの月間GMVは105億円と前年同期比20.7%増、4Qの月間売店数は同19.2%増の62,000店、4Qの1ショップあたり月間平均GMVは同フラットの170,000円であった。
BASE事業の4Qの事業トピックスは、CRM機能や在庫連携機能を拡充し大規模ショップの購入者との関係構築や業務効率化をサポートした。ショップの集客や販売促進のサポートを目的に広告出稿機能を拡充のためにInstagramやGoogleとの連携Appをリリースした。オンラインセミナーによりマーケティング等のノウハウを提供し、継続利用ショップの成長をサポートした。オフラインでは常設店舗やポップアップショップを拡大した。
PAY事業は2020年4QにGo Toキャンペーン大型案件が約10億円あったが、その一時的なGMVを除くと4Qは51.2%増と高い成長であった。4Qの売上総利益は前年同期比41.7%増、売上総利益率は同0.4pt上昇の10.0%となった。
2022年12月期予想
2022年12月期予想に関しては合理的な業績予想の算定が困難であるために発表していない。
2022年12月期はBASEの月額有料プランの提供、BNPL(後払い決済)への参入に伴う採用活動の強化やプロダクト開発及びスカウトチームの外注費により販管費が増大し短期的には赤字幅が拡大する予定である。
アナリストによる投資スタンス
2月9日の決算発表以来、今期は更に赤字が拡大するとのコメントを受けて株価は下がり、毎日年初来安値を更新している。3か月前の決算発表時より株価は半値以下に下落した。メルカリもそうだが、先行投資の為に営業赤字の銘柄は売られる傾向にある。株価バリュエーションは業績予想がない為に予想PER、EV/EBITDAの算出はできないが、PBRは2.72倍である。
BASEは中小事業者向けのECのロングテール市場で圧倒的な強さで拡大しており長期的な成長ストーリーは不変ではあるものの、株価的には黒転しない限り上昇するのは難しそうである。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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