執筆:西村 麻美

ロート製薬の株価情報


【銘柄注目ポイント!】

ヘルスケア企業として中長期的にアジアで利益成長が期待される企業。

株価
(2022/2/14)
時価総額 自己資本比率 ROE ROIC
3,475円 3,964億円 64.5% 9.8% 8.8%
PER
(実績)
PER
(予想)
PBR 配当利回り EV / EBITDA
23.7倍 20.3倍 2.3倍 1.04% 9.8倍


2022年3月期第3四半期決算

ロート製薬の2022年3月期第3四半期決算(累計)の結果は

売上高1,440億円(前年同期比16.9%増
営業利益235億円(同44.1%増
当期利益169億円(同59.9%増

売上、各利益段階で過去最高を更新の絶好調な決算だった。営業利益率は前年同期比3.1pt上昇し16.4%だった。日本国内のみならず海外も増収増益だった。海外は中国、香港だけでなくインドネシアやベトナムも好調だった。新規に連結子会社になったボラギノールの天藤製薬、また日本点眼薬研究所、クオリテックファーマも業績好調だった。


日本国内は

売上高884億4,900万円(前年同期比14.5%増
営業利益152億5,300万円(同56.3%増

高額目薬、「肌ラボ」、日やけ止めがコロナ前を上回る増収になった。「メラノCC」「デオコ」「ロートV5粒」 など話題の商品が好調を維持した。OEMのCOVID抗原キットも増収に寄与した。原価率の改善と販管費の効率的活用により大幅増益した。


インバウンド、越境EC売上は前年同期比6.4億円増の15.8億円だった。越境EC売上が健闘した。


アジアは

売上高395億5,300万円(前年同期比20.3%増
営業利益71億7,300万円(同27.8%増

中国・香港・インドネシアが好調だったが、ロックダウンの影響を受けベトナム、台湾が伸び悩んだ。リップの新製品のプロモーションに中国で人気のタレントを起用した事により売上が回復し、全主力ブランドが順調に推移した。


2022年3月期予想

好調な第3四半期決算を受けて通期の業績予想を上方修正した。昨年11月に続き二度目の上方修正である。
売上・各利益段階で過去最高を更新予定である。

売上高1,950億円(前期比7.6%増
営業利益280億億円(同21.8%増
当期利益195億円(同16.5%増
EPS170.95円

また、1株当たり配当金を前期から8円増配し、年間36円に変更した。18期連続増配予定である。


アナリストによる投資スタンス

好業績と二度目の上方修正が好感されて決算発表後、連休明けに株価は7%近く上昇した。しかし、株価バリュエーションは予想PERが20.3倍、PBRが2.3倍、EV/EBITDAが9.8倍と同業他社に比べてかなり割安であり、アジアを中心として中長期的な利益成長のポテンシャルを考えると買い場と考える。


投資アイデア

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プロフィール

西村麻実 / MamiNishimura
株式会社クリプタクト
マーケットアナリスト 西村 麻美

新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。


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