【決算ポイント】超小型電源IC、パワー半導体の需要がEV、IoT、5G、自動運転等で大きく拡大。
株価 (2022/11/21) | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
2,961円 | 327億円 | 66.2% | 12.4% | 8.2% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
10.32倍 | 9.27倍 | 1.28倍 | 1.89% | 3.8倍 |
トレックス・セミコンダクター:2023年3月期2Q決算結果
売上高 | 173億8,400万円 | 前年同期比16.0%増 |
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営業利益 | 34億1,000万円 | 同91.2%増 |
四半期純利益 | 24億6,100万円 | 同93.5%増 |
2Q単体の決算結果は
売上高 | 87億9,000万円 | 前年同期比10.3%増 |
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営業利益 | 16億6,700万円 | 同45.3%増 |
四半期純利益 | 12億2,300万円 | 同53.8%増 |
円安の追い風もあり1Qとして最高売上を更新し、2Qとして最高益を記録した決算だった。営業利益率は前年同期比7.7pt改善の19.6%であった。中間決算で通期の当期純利益予想の70.3%を達成した。
トレックス、ファウンドリー子会社のフェニテックともに上場来最高益を達成した。海外売上比率は前年同期比4.1pt上昇の71.0%だった。期中平均為替レートは1USD=133.5円だった。トレックスは半導体需要の増加、円安の影響により同24%増収となり欧州、北米が好調だった。営業利益は同2.4倍の増益となった。フェニテックは生産拡大、円安の影響により約10%の増収、営業利益は同1.5倍の増益となった。
トレックスとフェニテックの内訳は
【トレックス】
売上高 | 81億4,700万円 | 前年同期比23.9%増 |
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営業利益 | 18億2,100万円 | 同139%増 |
トレックスのアプリケーション別売上高は、産業機器が前年同期比42.8%増の32億4,200万円、車載機器は同34%増11億300万円、医療機器は同71.3%増の1億8,500万円、ウェアラブル機器は同29.5%増の2億5,000万円、その他機器(家電等の民生機器)は同5.8%増の33億6,700万円だった。
トレックスの地域別売上高は、日本が前年同期比14.8%増の29億1,600万円、アジアが同9.7%増の28億9,700万円、欧州が同75.1%増の13億8,500万円、北米が同56.6%増の9億4,900万円だった。
【フェニテック】
売上高 | 92億3,700万円 | 前年同期比9.9%増 |
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営業利益 | 15億8,900万円 | 同55.6%増 |
フェニテックのアプリケーション別売上高は産業機器が前年同期比19.7%増の17億5,800万円、車載機器が同9.4%増の24億8,600万円、医療機器が同4.1%増の7,700万円、その他機器(家電等の民生機器)が同6.9%増の61億400万円だった。
フェニテックの地域別売上高は、日本が前年同期比▲6.1%の40億1,000万円、アジアが同37.9%増の30億3,600万円、欧州が同30.9%増の6億5,300万円、北米が同6.7%増の27億2,600万円だった。
トレックス・セミコンダクター:2023年3月期予想
中間決算で通期の当期純利益予想の70.3%を達成したが、下半期の半導体市況の見通しが不透明なことから通期の業績の計画は従前予想を維持した。
売上高 | 330億円 | 前期比6.9%増 |
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営業利益 | 50億円 | 同28.3%増 |
当期利益 | 35億円 | 同10.9%増 |
EPS | 318.22円 | |
一株当たり配当金 | 56円 | |
減価償却 | 19億400万円 | 同45.2%増 |
設備投資 | 53億3,400万円 | 同178.4%増 |
今期も最高益更新を予定している。工場の稼働状況が逼迫する中、生産能力の増強に努めトレックス、フェニテック両社とも増収増益を予想している。設備投資は前期比3倍近い53億円の予定であるが、フェニテックの岡山工場、鹿児島工場の増産投資に向ける設備投資である。フェニテックの鹿児島工場ではトレックス向け生産ラインを増設予定である。
トレックスは今年も日刊工業新聞主催のモノづくり部品大賞で電気・電子部品賞を受賞した。トレックスの省電力/小型の電源ICは高く評価されており何度も受賞している。
アナリストによる投資判断
11月14日の決算発表以降株価は3,000円を割り込みぱっとしない。決算内容はポジティブであり、通期で上方修正をする可能性はあると考えている。トレックス・セミコンダクターは小型株ではあるが、トレックスの超低消費電流IC、フェニテックの競争力のあるパワー半導体はEV、自動運転、IoT等からの需要は大きく成長株であると考えている。次世代半導体デバイスの開発で世界をリードしているノベルクリスタルテクノロジーとの資本提携により更に成長は加速すると考えている。PEGレシオを計算してみると予想PER9.27倍÷今期の当期純利益成長率10.9%=0.85倍と1倍割れであり超割安である。短期的なパフォーマンスを気にせず長期的な株価リターンを考える人にとっては買い場と言える。現在の株価で予想PERは9.27倍、PBRは1.28倍、EV/EBITDAは3.8倍と超割安状態である。
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執筆者プロフィール
株式会社pafin
マーケットアナリスト 西村 麻美
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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