株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
1,823円 | 200億円 | 63.4% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
9.18倍 | N/A** | 0.89倍 | 3.07% | N/A |
*株価は2023/11/20場中。**今通期赤字予想のためにN/A。
トレックス・セミコンダクター:2024年3月期2Q決算結果
売上高 | 132億5,200万円 | 前年同期比▲23.8% |
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営業利益 | 8,900万円 | 同▲97.4% |
四半期純利益 | ▲1億9,900万円 | 赤字転落(前年同期は24億6,100万円) |
2Q単独の決算結果は
売上高 | 68億4,800万円 | 前年同期比▲22.1% |
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営業利益 | ▲1億3,300万円 | 赤字転落(前年同期は16億6,700万円) |
四半期純利益 | ▲1億2,900万円 | 赤字転落(前年同期は12億2,300万円) |
トレックス・セミコンダクターの2024年3月期2Q決算は減収減益決算であった。四半期最終損益は赤字に転落した。売上高は前年同期比▲23.8%の132億5,200万円、営業利益は同▲97.4%の8,900万円、四半期純損益は▲1億9,900万円となった。2Q累計の営業利益率は同18.95pt低下の0.67%となった。大幅な営業利益率低下は在庫の評価損を売上原価として計上した事で売上原価率が同14.3pt上昇し77.9%となった事が主な要因であった。トレックスは、アジア市場を中心に売上が大きく減少、在庫の評価損も影響し、減収減益となった。ファンドリーのフェニテックもアジア市場での売上が大きく減少し、減収減益となった。前年同期に為替差益を1億円計上したが、2Qは為替差損を3億4,000万円計上した事等により経常利益、当期純利益は赤字に転落した。業績回復のスピードが想定を下回り通期の業績予想を下方修正した。
トレックスとフェニテックの内訳は
【トレックス】
売上高 | 52億2,900万円 | 前年同期比▲35.8% |
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営業利益 | ▲2億8,500万円 | 赤字転落(前年同期は18億2,100万円) |
トレックスでは売上の減少と在庫の評価見直しによる評価損の発生により営業損失に転落した。(影響額は約5.7億円)1Qから継続する中国市場の落ち込みにより大きく減収となった。全てのアプリケーション分類で減少した。
トレックスのアプリケーション別売上高は、産業機器が前年同期比▲35.9%の20億7,800万円、車載機器は同▲39.9%の6億6,300万円、医療機器は同▲28.6%の1億3,200万円、ウェアラブル機器は同▲54.8%の1億1,300万円、その他機器(家電等の民生機器)は同▲33.4%の22億4,300万円だった。
トレックスの地域別売上高は、日本が前年同期比▲27.1%の21億2,500万円、アジアが同▲43.2%の16億4,700万円、欧州が同▲20.2%の11億500万円、北米が同▲62.8%の3億5,200万円だった。
【フェニテック】
売上高 | 80億2,300万円 | 前年同期比▲13.1% |
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営業利益 | 3億7,400万円 | 同▲76.5% |
フェニテックではトレックス同様中国市場での売上が大きく減少し、一般民生機器などの分野が大きく減少した。
フェニテックのアプリケーション別売上高は産業機器が前年同期比41.1%増の24億7,900万円、車載機器が同▲6.1%の23億3,500万円、医療機器が同215.2%増の2億4,400万円、その他機器(一般民生機器)が同▲42.2%の35億2,900万円だった。
フェニテックの地域別売上高は、日本が前年同期比▲20.4%の31億9,100万円、アジアが同▲62%の11億5,200万円、欧州が同20.5%増の7億8,700万円、北米が26.8%増の34億5,700万円だった。
トレックス・セミコンダクター:2024年3月期予想
売上高 | 265億円 | 前期比▲17.1% |
営業損益 | ▲9億円 | 赤字転落(前期は39億7,600万円) |
当期純損益 | ▲8.4億円 | 赤字転落(前期は21億7,900万円) |
EPS | ▲76.36円 | |
平均為替レート | 1USD=141.0円 | |
減価償却費 | 24億8,700万円 | 同51.1%増 |
設備投資 | 59億1,700万円 | 同22%増 |
中間決算結果を受けて今通期会社計画を下方修正した。売上高は前期比▲17.1%の265億円、営業損益は▲9億円、当期純損益は▲8億4,000万円とした。受注の悪化に加えて昨年度における生産拠点の見直しに伴って積み増していた在庫が、会計処理上棚卸評価損の対象となる時期を迎え、今期19億円の棚卸評価損になる見込みもあり営業損益が赤字に転落する見込みである。
アナリストによる投資判断
大幅減益の決算であった。中間決算の結果を受けて通期の会社計画を下方修正し、赤字に転落する予定である。売上の減少と受注回復のスピードが想定を下回ったとの事であるが楽観的な見通しに基づき昨年度に積み増した在庫が評価損となってしまったのが大きかった。
14日の決算発表後翌15日は株価が前日終値から6%以上下落し、以降もだらだらと株価は下落している。トレックスの場合は現行の電源I/Cのみを投資家は見ているのではなく今期から量産体制に入るとみられるSiCパワー半導体、その後に期待される酸化ガリウムのパワー半導体企業としての期待で買われている銘柄ではあるが、中国経済の回復まで調整時期に入り株価は軟調な展開になると考えている。