株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
14,660円 | 18兆円 | 21.7% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り** | EV/EBITDA |
19.3倍 | 19.58倍 | 2.54倍 | 0.58% | 8.5倍 |
*株価は2024/2/14の終値。
ソニー:2024年3月期3Q決算結果
売上高 | 3兆7,475億円 | 前年同期比22%増 |
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営業利益 | 4,633億円 | 同10%増 |
四半期純利益 | 3,639億円 | 同13%増 |
平均為替レート | 1USD=147.9円 | |
1ユーロ=159.0円 |
ソニーの2024年3月期3Q決算は増収増益決算であった。金融、I&SS、映画、音楽は増収増益であったが、G&NSは増収減益、ET&Sは減収減益となり全体で増収増益決算となった。売上高は前年同期比22%増の3兆7,475億円、営業利益は同10%増の4,633億円、四半期純利益は同13%増の3,639億円であった。営業利益率は前年同期比1.3pt低下の12.4%となった。
セグメント別概況は
ゲーム&ネットワークサービス分野 (G&NS分野)
セグメント売上高 | 1兆4,444億円 | 前年同期比15.9%増 |
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セグメント利益 | 861億円 | 同▲25.9% |
為替の影響は売上に+760億円、営業利益に+146億円であった。ホリデーシーズンであった3QにPS5の販売台数は820万台、累計販売台数は5,470万台であった。従前にPS5の今年度の年間販売台数目標を2,500万台と公表していたが、2,100万台に引き下げた。
ソフトウェアでは10月に発売した「Marvel Spider-Man 2」は2月4日に販売本数1,000万本を達成した。ソフトウェアの総販売本数は前年同期比3.7%増の8,970万本、うち自社タイトルの販売本数は同▲22.1%の1,620万本であった。
売上高は同15.9%増の1兆4,444億円であった。セグメント利益に関しては従前にプロモーションの増加や販売チャネルミックスの変化でPS5の損益は悪化すると公表していたが、PS5の損益悪化に加えて自社制作のゲームソフトウェア販売の減少の影響によりセグメント利益は同25.9%の861億円となった。
3Qを終えて通期の売上高の下方修正をした。従前予想の4兆3,600億円から4兆1,500億円へと修正し、セグメント利益に関しては従前予想の2,700億円を維持した。
音楽分野
セグメント売上高 | 4,221億円 | 前年同期比16.1%増 |
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セグメント利益 | 761億円 | 同20.8%増 |
増収増益であった。為替の影響は売上に+139億円であった。⾳楽制作及び⾳楽出版における有料会員制ストリーミングサービスからの収⼊増加、音楽制作における興行物販やライセンス等の収入増加により増収した。セグメント利益に関しては⾳楽制作及び⾳楽出版における増収がプラスの影響が販管費の増加を相殺し増益となった。売上高は前年同期比16.1%増の4,221億円、セグメント利益は同20.8%増の761億円であった。
3Qを終えて通期の売上高を上方修正した。為替の要因で従前予想の1兆5,600億円から1兆5,700億円へと+100億円(1%)修正し、セグメント利益は従前予想の2,950億円を維持した。
映画分野
セグメント売上高 | 3,663億円 | 前年同期比10.5%増 |
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セグメント利益 | 416億円 | 同63.8%増 |
増収増益であった。主に為替、FY23の劇場公開作品の貢献によるテレビ・動画配信サービス向けライセンス収⼊及びホームエンタテインメント売上の増加、また有料会員数増加によるCrunchyrollの増収が増収増益の要因であった。3Qを終えて通期の売上高を上方修正し、従前予想の1兆4,600億円から1兆4,700億円へと+100億円(1%)修正し、セグメント利益は従前予想の1,150億円を維持した。
エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野 (ET&S分野)
セグメント売上高 | 7,357億円 | 前年同期比▲2.3% |
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セグメント利益 | 772億円 | 同▲4.8% |
減収減益であった。為替の影響は売上に+273億円、営業利益に+80億円であった。テレビの販売台数減少による減収減益であった。通期の売上計画を100億円下方修正し、従前予想の2兆4,400億円から2兆4,300億円とし、セグメント利益は従前計画の1,800億円を維持した。
イメージング&センシング・ソリューション分野 (I&SS分野)
セグメント売上高 | 5,052億円 | 前期比21.1%増 |
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セグメント利益 | 997億円 | 同17.6%増 |
増収増益であった。為替の影響は売上に+196億円、営業利益に+131億円であった。為替、モバイル機器向けイメージセンサーの増収、販売数量の増加、製品ミックスの改善が増収要因であった。セグメント利益は増収の影響、為替の好影響が減価償却費の増加、モバイル機器向けイメージセンサーの新製品量産⽴ち上げにおける費⽤の増加といったマイナスを相殺し増益となった。
通期の売上、セグメント利益は従前計画を維持し、それぞれ1兆5,900億円、1,950億円とした。
⾦融分野
金融ビジネス収入 | 3,117億円 | 前年同期比11.8倍増 |
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セグメント利益 | 773億円 | 同64.1%増 |
大幅増収増益であった。ソニー生命の大幅増収増益、市況の変動による⼀般勘定および特別勘定における運⽤損益の改善、変額保険等に係る市況の変動による損益の改善が増収増益の要因であった。
通期の金融ビジネス収入の計画を9,00億円(7%)上方修正し,、1兆3,000億円とし、セグメント利益を200億円(13%)上方修正し1,750億円とした。セグメント利益の上方修正はソニーペイメントサービスの⼀部株式の譲渡の計上によるものである。
2024年3月期予想
売上高 | 12兆3,000億円 | 前期比12.1%増 |
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営業利益 | 1兆1,800億円 | 同▲9.4% |
当期純利益 | 9,200億円 | 同▲8.5% |
予想為替レート | 1USD=142円前後 | |
1ユーロ=153円前後 |
通期の会社計画は売上高を1%下方修正し12兆3,000億円、当期純利益を5%上方修正し9,200億円とした。増収減益を予想している。また、配当に関しては一株当85円とした。
アナリストによる見解
ET&S事業は減収減益、G&NS事業は増収減益であったが、他事業は好調であった。PS5は今期の販売目標台数の引き下げを行ったが、来期は目玉となるような自社開発ソフトの発売予定がなく更に厳しくなるだろう。決算と同時に2020年に完全子会社化したソニーファイナンシャルグループ(SFGI)のIPOを2025年5月に計画していると発表した。パーシャル・スピンオフにより、保有するSFGI株の80%超を現物配当でソニーGの株主に分配し、スピンオフ後の保有比率を20%未満とするとの事である。