株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
3,410円 | 20.5兆円 | 22.7% | 12.6% | 9.7% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
21.5倍 | 21.1倍 | 2.7倍 | 0.59% | 8.3倍 |
*株価は2025/2/13の終値。ソニーは2024年10月1日付で一対五の株式分割を行った。
ソニー:2025年3月期3Q決算結果
売上高 | 4兆4,096億円 | 前年同期比18%増 |
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営業利益 | 4,693億円 | 同1%増 |
四半期純利益 | 3,737億円 | 同3%増 |
平均為替レート | 1USD=152.2円 | |
1ユーロ=162.5円 |
ソニーの2024年3月期3Q決算は増収増益の決算であった。G&NS、音楽事業は大幅増収増益、ET&S事業、I&SS事業は減収減益、映画事業は増収減益、金融は大幅増収大幅減益となり全体で増収増益となった。売上高は前期比18%増の4兆4,096億円、営業利益は同1%増の4,693億円、四半期純利益は同3%増の3,737億円であった。営業利益率は前年同期比0.2pt増の11.4%となった。
セグメント別概況は
ゲーム&ネットワークサービス分野 (G&NS分野)
セグメント売上高 | 1兆6,823億円 | 前年同期比16%増 |
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セグメント利益 | 1,181億円 | 同37%増 |
G&NSは増収増益であったが、為替の影響は売上に+359億円、営業利益には▲29億円であった。G&NSの売上高は前年同期比16%増の1兆6,823億円、セグメント利益は37%増の1,181億円であった。販売台数増加によるハードウェアの増収、アドオンコンテンツを含む自社制作以外のゲームソフトウェア販売の増加、為替の影響により増収であった。ソニーはPS5及び関連周辺機器の値上げを2024年9月にした。これにより大幅に収益性が改善した。セグメント利益はネットワークサービスの増収の影響、自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加の影響、ハードウェアの損失縮小が自社制作のゲームソフトウェア販売減少を相殺して増益となった。
3Qが終わり通期の計画をセグメント売上を3%、セグメント利益を7%上方修正した。
音楽分野
セグメント売上高 | 4,817億円 | 前年同期比14%増 |
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セグメント利益 | 974億円 | 同28%増 |
音楽分野は増収増益であった。音楽分野の売上高は前年同期比14%増の4,817億円であった。為替の影響は売上に+109億円であった。音楽制作及び音楽出版におけるストリーミングサービスからの収入増加、映像メディア・プラットフォームにおけるイープラスの連結子会社化の影響、為替の影響により増収となった。セグメント利益は同28%増の974億円であった。
3Qが終わり通期の計画をセグメント売上を3%、セグメント利益を3%上方修正した。
映画分野
セグメント売上 | 3,982億円 | 前年同期比9%増 |
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セグメント利益 | 340億円 | 同▲18% |
映画分野は増収減益であった。映画分野の売上高は前年同期比9%増の3,982億円であった。米ドルベースの売上高は同6%増であった。劇場公開作品からの収入増加、Alamo Drafthouse(米映画館チェーン)、有料会員数増加によるCrunchyrollの増収があった一方テレビ番組制作における納入作品数の減少、映画製作における過去作品のライセンス収入は減少した。セグメント利益は同▲18%の340億円であった。
エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野 (ET&S分野)
セグメント売上高 | 7,045億円 | 前年同期比▲4% |
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セグメント利益 | 771億円 | 同▲0.13% |
ET&Sは減収減益であった。売上高は前年同期比▲4%の7,045億円であった。為替の影響は売上に+128億円、セグメント利益に+9億円であった。販売台数減少によるテレビの減収は為替の影響で相殺され、デジタルカメラの製品ミックスの悪化がセグメント利益に影響した。
イメージング&センシング・ソリューション分野 (I&SS分野)
セグメント売上高 | 5,009億円 | 前年同期比▲0.9% |
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セグメント利益 | 975億円 | 同▲2% |
I&SSは減収減益であった。売上高は前年同期比▲0.9%の5,009億円であった。為替の影響は売上に+173億円、営業利益に+118億円であった。モバイル機器向けイメージセンサーの減収が減収の要因であった。製造経費の増加はあったが、為替の影響でほぼ相殺された。セグメント利益は同▲2%の975億円であった。
3Qが終わり通期の計画をセグメント売上を1%上方修正した。
⾦融分野
金融ビジネス収入 | 7,185億円 | 前年同期比130%増 |
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セグメント利益 | 309億円 | 同▲40% |
金融ビジネス収入の大幅増加はソニー生命の大幅増収と市況変動による般勘定及び特別勘定における資産運用益の増加による。金融ビジネス収入は前年同期比130%増の7,185億円であった。一方セグメント利益はソニー生命の大幅減益、変額保険の最低保証に係る市況変動による損益の悪化により減少した。セグメント利益は同▲40%の309億円であった。
2025年3月期予想
売上高 | 13兆2,000億円 | 前期比1.4%増 |
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営業利益 | 1兆3,350億円 | 同10.4%増 |
当期純利益 | 1兆800億円 | 同11.3%増 |
予想為替レート | 1USD=150円前後 | |
1ユーロ=158円前後 |
3Qが終わり通期の売上高を従前予想より4%、営業利益を2%、当期純利益を10%上方修正をした。通期の計画は増収増益とした。売上高は前期比1.4%増の13兆2,000億円、営業利益は同10.4%増の1兆3,350億円、当期純利益は同11.3%増の9,800億円を予定している。決算発表と同時にソニーは発行済株式の0.5%相当の3,000万株、500億円を上限とする自社株買いを発表した。
アナリストによる見解
G&NSと音楽事業に牽引された決算であった。特にPS5の値上げはポジティブであったが、ネットワークサービスも引き続き伸びており、G&NSの業績を下支えしている。今通期は四期振りに最高益更新予定である。