ロームの株価情報

株価

(2023/5/9)

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

10,710円

1兆511億円

81.4%

9.2%

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

 13.08倍

15.01倍

1.18倍

1.87%

5.9倍

 

ローム:2023年3月期通期決算結果

売上高5,078億円前期比12.3%増
営業利益923億円同29.2%増
当期純利益804億円同20.3%増
平均為替レート1USD=135.0円 

 

4Q単体の決算結果は

売上高1,177億円前年同期比3.3%増
営業利益169億円同10.6%増
四半期純利益124億円同▲32.5%

自動車関連市場及び産業機器関連市場からの売上増及び円安による増収効果により2023年3月期通期決算での売上高は前期比12.3%増の5,078億円と過去最高売上を達成した。原材料費、販管費の増加はあったが、営業利益は同29.2%増の923億円となった。営業外で為替差益を114億円計上し、経常利益は同32.7%増の1,095億円、当期純利益は同20.3%増の804億円であった。通期の営業利益率は前期比2.4pt上昇の18.2%となった。ロームがKPIとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費)は同30.8%増の1,484億5,600万円であった。

 

セグメント別概況は

LSI

セグメント売上高2,337億円前期比14.6%増
セグメント利益482億円 同46.0%増

自動車関連市場向けで、ADAS(先進運転支援システム)やインフォテインメント向けの電源ICなどが好調であったことに加え、電動車の普及加速に伴いパワートレイン向けに絶縁ゲートドライバICなどの高付加価値商品が順調に売上を伸ばした。また、産業機器関連市場向けでは、活況な設備投資により引き続き堅調に推移し、コンピュータ&ストレージ市場ではSSD向けの電源ICがシェアアップしたことにより売上を伸ばした。

半導体素子

セグメント売上高2,122億円前期比12.8%増
セグメント利益345億円同5.4%増

事業セグメント別では、トランジスタ、ダイオード、パワーデバイスについては、自動車関連市場のxEV向けを中心に好調に推移したことに加え、産業機器関連市場でも太陽光発電向けなどが堅調に推移した。また、発光ダイオードについては、民生機器関連市場向けで、アミューズメント関連を中心に売上が増加したが、半導体レーザーは、産業機器関連市場向け等で売上が減少した。 

モジュール

セグメント売上高343億円前期比4.5%増
セグメント利益43億円同▲3.6%

事業セグメント別では、プリントヘッドは、プリンタ向けなどで売上が増加し、オプティカルモジュールは、通信機器向けなどでセンサモジュールの売上が減少した。

その外

セグメント売上高276億円前期比4.7%増
セグメント利益51億円同1.4%増

事業セグメント別では、抵抗器については、自動車関連市場向けに高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が好調に推移した。

ローム:2024年3月期通期会社予想

 

売上高5,400億円前期比6.3%増
営業利益750億円同▲18.8%
当期純利益700億円同▲12.9%
予想為替レート1USD=130.27円前後 
EBITDA1,590億円同7.1%増
設備投資額1,600億円同26.9%増

今期の会社予想の通期業績は増収減益である。これは業績悪化ではなく減価償却費を前期比49.6%増の840億円計上を予定しているためであ。ロームの重視するKPIのEBITDA(営業利益+減価償却費)は前期比7.1%増の1,590億円を予定している。

アナリストによる投資判断

前述した通り会社計画では減益予想であるが、減価償却費の大幅増加により利益が圧迫されるためであり、ファンダメンタルの悪化ではない。ロームは中期的にEV市場での次世代パワー半導体のSiCパワー半導体でグローバルトップシェア商品の確立を目指している。そのために増産等で設備投資額を増加しており減価償却費が利益の下押し要因となるが、車載関連ソリューションの強い需要は継続しており中長期的な成長ストーリーは不変である。