ロームの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

1,657円

6,395億円

64.5%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

 11.9倍

45.7倍

0.7倍

3.02%

N/A

注:*株価は2024/8/5の終値。

ローム:2025年3月期1Q決算結果

売上高1,183億円前年同期比▲1.6%
営業利益12.7億円同▲92.8%
四半期純利益34.6億円同▲82.8%
平均為替レート1USD=156.53円 

 

ロームの2025年3月期1Q決算は大幅減益の決算となった。売上高は前年同期比▲1.6%の1,183億円、営業利益は同▲92.8%の12.7億円、四半期純利益は同▲82.8%の34.6億円であった。営業利益164億円の減益のうち減価償却費の増加分31億円、研究開発費の増加分44億円が影響した。ロームがKPIとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費)は同▲35.6%の210億円であった。営業利益率は同▲13.6ptの1.1%となった。

自動車市場向け売上高は同3.8%増の578億円、産業機械市場向け売上は同▲30.8%の153億円、民生機器市場向け売上は同1.7%増の253億円、通信市場向け売上は同18%増の54億円、コンピューター&ストレージ向け売上は同12.2%増の145億円であった。

 

2025年3月期1Q市場別売上の変動要因

(単位:億円)

①自動車市場向け売上 ー 578億円(前期比3.8%増)

インフォテイメント分野+6、ボディ分野+4、パワートレイン分野+2、安全走行ADAS(先進運転支援システム)+2、xEV分野+8、その他▲1

②産業機械市場向け売上ー 153億円(同▲30.8%)

FA分野▲20、エネルギー分野▲24、ホームビルディング分野▲3、その他▲21

③民生市場向け売上 ー 253億円(同1.7%増)

AV関連+2、家電分野+20、その他▲18

④通信市場向け売上 ー 54億円(同18%増)

スマホ・モバイル分野+9、基地局&インフラ▲1、有線通信分野フラット

⑤コンピュータ&ストレージ市場向け売上 ー 145億円(同12.2%増)

PC&サーバー分野+24、決済端末向け+3、事務機分野▲12

売上合計 1,182億円(同▲1.6%)

 

2024年3月期国別売上の変動要因

日本 601億円 (前年同期比▲13.9%)

南北アメリカ 151億円(同26.6%増)

欧州 117億円(同5.0%増)

中国 194億円(同21%増)

その他アジア 119億円 (同6.4%増)

国内のみ減収でその他地域は全て増収であった。海外売上比率は同7.2pt増の49.1%であった。

 

セグメント別概況

LSI

セグメント売上高537億円前年同期比▲0.7%
セグメント利益40億円 同▲48.5%
セグメント利益率7.4%同▲7pt

自動車関連市場向けで、電動車向け(xEV)の製品は調整局面となったが、インフォテイメント向けやADAS(先進運転支援システム)向けの高付加価値商品が伸長した。一方民生機器市場向けでは省えネ性能エアコン向けモータドライバが引き続き好調に推移した。また、コンピュータ&ストレージ市場向けではサーバー市場を中心にSSD及びPC関連向けのモータードライバICや電源IC、その他FANモータードライバーIC等の売上が回復傾向にある。産業機器市場及び通信機器市場向けについては前期に引き続き厳しい状況であった。

半導体素子

セグメント売上高489.5億円前年同期比▲5.1%
セグメント損益▲49億円赤字転落
セグメント利益率N/AN/A

事業セグメント別では、パワーデバイスについては自動車市場のxEV向けのSiCデバイスが堅調に推移したが、産業機器市場のFA向けの売上が大きく落ち込んだ。また、発光ダイオードについては、産業機器市場向けを中心に売上が低迷したが、半導体レーザーについては産業機器市場向けやコンピューター&ストレージ市場向けで売上を伸ばした。

事業セグメント別では、トランジスタ、ダイオード、パワーデバイスについては、自動車関連市場のxEV向けを中心に好調に推移した。しかし、民生機器市場やコンピューター&ストレージ市場では厳しい状況であった。パワーデバイスについては自動車市場ではxEV向けを中心に好調に推移したが、中国をはじめ市場成長率が鈍化傾向にある。産業機器市場向けではAIサーバー等特定の分野においては好調であったが、民生機器市場及びコンピュータ&ストレージ市場向けでは依然として厳しい状況であった。また、発光ダイオード、半導体レーザーは民生機器市場向けを中心に低迷した。 

モジュール

セグメント売上高89億円前年同期比10.5%増
セグメント利益7.8億円同70.9%増
セグメント利益率8.8%同10pt増

事業セグメント別では、プリントヘッドは、事務機器向け売上が減少したが、決済端末向けの売上の増加が補填した。オプティカル・モジュールについてはスマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加した。

その他

セグメント売上高66億円前年同期比4.4%増
セグメント利益7億円同25.7%増
セグメント利益率10.6%同3.1pt増

事業セグメント別では、抵抗器については、自動車関連市場向けに高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が好調に推移した。

ローム:2025年3月期通期会社予想

従前計画を維持した。2025年3月期の会社計画は増収減益である。営業利益は前期比▲67.7%、293億円の減益の計画であるが、このうち減価償却費の増加分が▲139億円である。設備投資額は前期比▲11.6%の1,650億円の計画である。当期純利益は同▲74.1%と大幅減の140億円を予定している。

 

売上高4,800億円前期比2.6%増
営業利益140億円同▲67.7%
当期純利益140億円同▲74.1%
予想為替レート1USD=145.49円(期中平均)
EBITDA1,067億円同▲7.5%
設備投資額1,650億円同▲11.6%

アナリストによる投資判断

大幅減益の1Q決算ではあったが、上期計画を1Q終了時点で115.6%進捗と上回った。EV向けのSiCデバイスの1Qの売上が堅調であり、通期のSiCの売上計画が600億円と開示したが、研究開発費と減価償却費の増加が利益の大きな下押し要因となっており、利益レベルでの貢献はあまり期待できないと考えている。また、為替の感応度については1円円高で年間ベースで売上が̟マイナス21億円、営業利益でマイナス8億円との事でこれから更に円高になると下方修正になるのではと考えている。