ロームの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

1,597.5円

6,166億円

62.0%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

 11.4倍

N/A

0.65倍

3.15%

N/A

注:*株価は2024/11/8の前場の終値。

ローム:2025年3月期2Q決算結果(累計)

売上高2,320億円前年同期比▲3.0%
営業利益▲9億7,400万円同赤字転落
四半期純利益20.7億円同▲94.5%
平均為替レート1USD=152.3円 

2Q単体の決算結果は

売上高1,137億円前年同期比▲4.5%
営業利益▲22億円同赤字転落
四半期純利益▲14億円同赤字転落

ロームの2025年3月期2Q決算は赤字転落の決算であった。2Q累計の決算結果は売上高は前年同期比▲3%の2,320億円、営業損益は赤字に転落し、▲9億7,400万円、四半期純損益は同▲94.5%の20.7億円であった。赤字転落決算は12年ぶりの事であった。営業赤字に転落した要因であるが、308億円の減益のうち売上減少による影響が▲73億円、材料費の値上がり、在庫の影響が▲121億円、労務費の増加が▲23億円、減価償却費の増加が▲54億円、研究開発費の増加分が▲90億円であった。ロームがKPIとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費)は同▲35.8%の393億円であった。

 

市場別今年度の見通し

自動車:BEV普及の後ろ倒しの影響でパワーデバイスの成長は限定的に。日系OEMの中国向け販売の不振、認証試験問題による減産の影響を加味し、売上高は前期比▲0.5%

産業機械:在庫調整が長期化、本格的な回復は来期以降とし、売上高は同▲19.4%

民生機器:白物家電は回復途上では、その他の民生機器は依然調整局面が続く見込みで、売上高は同▲3.9%

通信:スマホの回復が牽引しているが、下期は全体的に需要が弱い、売上高は同▲0.9%

コンピューター&ストレージ:サーバー向け関連は好調、下期はPCの回復が想定よりも弱い、売上高は同3.3%増

セグメント別概況

LSI

セグメント売上高1,042億円前年同期比▲2.9%
セグメント利益55億円 同▲54.8%

自動車関連市場向けで、電動車向け(xEV)の製品は調整局面となったが、インフォテイメント向けやADAS(先進運転支援システム)向けの高付加価値商品が伸長した。一方民生機器市場向けでは省えネ性能エアコン向けモータドライバが引き続き好調に推移した。また、コンピュータ&ストレージ市場向けではサーバー市場を中心にSSD及びPC関連向けのモータードライバICや電源IC、その他FANモータードライバーIC等の売上が回復傾向にある。産業機器市場及び通信機器市場向けについては引き続き厳しい状況であった。

半導体素子

セグメント売上高973億円前年同期比▲4.7%
セグメント損益▲104億円赤字転落

事業セグメント別では、パワーデバイスについては、自動車市場向けの売上は、xEV向け市場の成長が想定を下回ったものの、SiCデバイスを中心に堅調に推移したが、産業機器市場向けの売上はエネルギー市場の鈍化や設備投資抑制の影響を受けて減少した。汎用デバイスは、産業機器市場のFA向けの売上が大きく落ち込んだ。また、発光ダイオードにつきましては、産業機器市場向けを中心に売上が低迷したが、半導体レーザーについてはコンピューター&ストレージ市場向けや産業機械市場向けで売上を伸ばした。

モジュール

セグメント売上高177億円前年同期比4.8%増
セグメント利益21億円同11%増

事業セグメント別では、プリントヘッドは、事務機器向け売上が減少したが、決済端末向けの売上の増加が補填した。オプティカル・モジュールについてはスマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加した。

その他

セグメント売上高128億円前年同期比▲1.5%
セグメント利益15億円同22.7%増

事業セグメント別では、抵抗器については、自動車関連市場向けに高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が好調に推移した。

ローム:2025年3月期通期会社予想

通期の会社計画を下方修正した。営業損益は従前予想の140億円から▲150億円、当期純損益は140億円から60億円とした。今期の設備投資は1,650億円から1,500億円へと修正した。

 

売上高4,500億円前期比▲3.8%
営業利益▲150億円赤字転落
当期純利益▲60億円赤字転落
予想為替レート1USD=148.93円(期中平均)
EBITDA742億円同▲35.7%
設備投資額1,500億円同▲19.7%

アナリストによる投資判断

12年ぶりの赤字転落決算であった。世界的にEV売上が失速しており、自動車メーカー各社はEV戦略を縮小のニュースが相次いでいたので状況は厳しいとは思っていたが、赤字転落とはサプライズであった。懸念はSiCデバイス世界トップシェアを目指しているが、競合他社もSiCに注力しており、供給過剰であり、価格も下落している事である。ロームはSiC関連の設備投資、研究開発費をかなり費やし、東芝の株式非公開化に3,000億円を出資し、財務的なリスクも取っている。東芝とSiCでのシナジーを期待していたが、航続距離や価格の問題が解決されない限りEVの需要が回復するとは思えず事業立て直しには時間がかかると思われる。来期は無配になるのではと考えている。