株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
1,472.5円 | 5,684億円 | 63.6% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
10.5倍 | N/A | 0.60倍 | 3.4% | N/A |
注:*株価は2025/2/3の終値。
ローム:2025年3月期3Q決算結果(累計)
売上高 | 3,446億円 | 前年同期比▲3.0% |
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営業利益 | ▲11億8,000万円 | 同赤字転落 |
四半期純利益 | 2億1,000万円 | 同▲99.5% |
平均為替レート | 1USD=151.32円 |
3Q単独の決算結果は
売上高 | 1,126億円 | 前年同期比▲2.8% |
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営業利益 | ▲110億円 | 同赤字転落 |
四半期純利益 | ▲18億5,800万円 | 同赤字転落 |
ロームの2025年3月期3Q決算は営業赤字が拡大した決算であった。3Q累計の決算結果は売上高は前年同期比▲3%の3,446億円、営業損益は2Q決算時より赤字が拡大し、▲11億8,000万円、四半期純損益は同▲99.5%の2億1,000万円であった。3Q単独の決算は売上高が同▲2.8%の1,126億円、営業損益は▲110億円、四半期純利益は▲18億5,800万円であった。ロームがKPIとして最重要視しているEBITDA(営業利益+減価償却費)は同▲44.9%の504億円であった。
3Qに赤字が拡大したのは自動車向け売上の減少に起因する。2Q決算まで自動車向け売上はずっと前年同期比増であったが、3Qでは前年同期比▲3.6%と落ち込んだ。自動車売上の内訳を見てみるとxEV(電動車全般)向け売上が▲20億円と2Qの8億円から大きく落ち込んでいる。地域別では日本国内の落ち込みが大きく、前年同期比▲6.6%であった。
セグメント別概況
LSI
セグメント売上高 | 1,559億円 | 前年同期比▲1.7% |
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セグメント利益 | 39.8億円 | 同▲77.7% |
自動車関連市場向けで、電動車向け(xEV)の製品は調整局面となったが、インフォテイメント向けやADAS(先進運転支援システム)向けの高付加価値商品が伸長した。一方民生機器市場向けでは省えネ性能エアコン向けモータドライバが引き続き好調に推移した。また、コンピュータ&ストレージ市場向けではサーバー市場を中心にSSD及びPC関連向けのモータードライバICや電源IC、その他FANモータードライバーIC等の売上が回復傾向にある。産業機器市場及び通信機器市場向けについては引き続き厳しい状況であった。
半導体素子
セグメント売上高 | 1,441億円 | 前年同期比▲5% |
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セグメント損益 | ▲145億円 | 赤字転落 |
事業セグメント別では、パワーデバイスについては、自動車市場向けの売上は、SiCデバイスでの増加は見られるものの、足元ではEVを中心に需要は低迷しており、成長は想定を下回っている。産業機器市場向けの売上はエネルギー市場の鈍化を受けて減少した。汎用デバイスは、産業機器市場のFA向けの売上が大きく落ち込んだ。また、発光ダイオードは、産業機器市場向けを中心に売上が低迷したが、半導体レーザーについてはコンピューター&ストレージ市場向けや産業機械市場向けで売上を伸ばした。
モジュール
セグメント売上高 | 257億円 | 前年同期比0.3%増 |
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セグメント利益 | 27億円 | 同29.4%増 |
事業セグメント別では、プリントヘッドは、事務機器向け売上が減少したが、決済端末向けの売上の増加が補填した。オプティカル・モジュールについてはスマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加した。
その他
セグメント売上高 | 189.6億円 | 前年同期比▲2.2% |
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セグメント利益 | 18.9億円 | 同12.5%増 |
事業セグメント別では、抵抗器については、自動車関連市場向けに高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が好調に推移した。
ローム:2025年3月期通期会社予想
中間決算時に赤字決算へ下方修正したが、その計画を維持した。
売上高 | 4,500億円 | 前期比▲3.8% |
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営業利益 | ▲150億円 | 赤字転落 |
当期純利益 | ▲60億円 | 赤字転落 |
予想為替レート | 1USD=148.93円(期中平均) | |
EBITDA | 742億円 | 同▲35.7% |
設備投資額 | 1,500億円 | 同▲19.7% |
アナリストによる投資判断
EV市場鈍化で3Qは赤字が拡大した。ロームはSiCパワーデバイスに社運を賭けているが、足元ではSiCの需要は予測を下回っており厳しい状況が続いている。今期は赤字であるが、来期も厳しいのではと考えている。ロームはトヨタ向けのSiC供給で強みがあり、本格的にトヨタがBEVに参入する2027年からSiC事業が大きく成長する可能性はある。しかし、それまではSTマイクロ、ウルフスピード等の競合との耐久戦になるのではと見ている。