株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
3,231円 | 1.9兆円 | 31.8% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
29.12倍 | 26.89倍 | 3.96倍 | 0.7% | 13.5倍 |
*株価は2023/11/13の前場の終値。
PPIH:2024年6月1Q決算結果
売上高 | 5,093億円 | 前年同期比7.5%増 |
---|---|---|
営業利益 | 329億円 | 同37.8%増 |
当期純利益 | 246億円 | 同33.4%増 |
PPIHの2024年6月期1Q決算は好調な国内事業がけん引し、1Qとして最高益を達成した。売上総利益は前年同期比9.7%増の1,582億円となり、営業利益率は同1.5pt改善し、6.5%となった。
エネルギーや原材料価格が高止まりする中、食品や生活必需品の値上げが続く状況において消費者の生活防衛意識が一層高まる厳しい経営環境でも他社との差別化要因である現場主義、個店主義に基づき攻めの経営を行った。中期経営計画で重点施策のPB/OEM商品について引き続き認知度の向上、販売体制の強化に加えて前期に実施したディスカウント事業とGMS事業のマーチャンダイジングの統合によりGMS事業で商品数が増加した事が売上増に貢献した。免税売上については販売体制の強化やレジ等インフラ環境の整備を強化した事でコロナ前の免税売上を上回った。
事業セグメント別の状況は以下の通りである。
【国内ディスカウント事業】
売上高 | 3,246億円 | 前年同期比12.7%増 |
---|---|---|
営業利益 | 189億円 | 同44.3%増 |
既存店売上は前年同期比110.9%(+299億円)と大きく伸長し1Qとして過去最高を記録したた。外出需要の高まりの継続とともに7~9月を通じて夏の季節品が伸びた事が寄与した。既存店顧客数は同102.1%と順調に推移した。免税売上は年間目標211億円に対して1Q実績70億円と好調に推移した。粗利率は26.8%と同0.8%増で着地した。PB/OEM比率は売上構成比18.3%と同2.1%上昇した。販管費率は同▲0.4%で着地した。人事制度改定による給与増や各種の費用増額も人員配置見直し等販管費コントロールをした事で販管費率は前年比を下回った。
【GMS事業】
売上高 | 1,125億円 | 前年同期比▲0.7% |
---|---|---|
営業利益 | 72億円 | 同89.5%増 |
総利益率の向上や販管費率の改善が継続し営業利益は前年同期比89.5%増と大幅に増加した。既存店売上は同100.3%とプラスで着地した。夏の季節品伸長等が寄与した。PB/OEM比率は売上構成比22.8%(同+4.4%増)へと拡大した。販売強化により食品の売上が伸びるとともに非食品においてもDS事業とのMD統合によりアイテム変更、商品追加した事が奏功した。また夏物季節品(特に家電、衣料品等)の伸長、化粧品の販売強化による売上増も改善に貢献した。
販管費は同▲26億円(販管費率▲2.1%)と大きく減少し営業増益に貢献した。特にテナント、MD本部の統合効果に加えて人材配置の適正化により人件費が減少した。
【海外事業】
売上高 | 777億円 | 前年同期比2.9%増 |
---|---|---|
営業利益 | 17億円 | 同▲29.2% |
海外事業は増収減益であった。全体としては予算程度の進捗であった。
アジア事業は売上高が前年同期比▲2億円、営業利益は▲5億円と減収減益であった。売上高は人流回復により外食への需要変化による客数減やオペレーションに課題があり前年割れで着地した。しかし、総利益率は同1.8%改善した。PB/OEM、直貿商品の拡大が貢献した。販管費は前期及び今期の新店のコストにより前年同期比で増加した。既存店は販管費コントロールにより減額した。
北米事業は売上高は前年同期比+25億円、営業利益は同▲2億円と増収減益となったが、予算比では若干プラスで推移した。引き続きインフレの続く厳しい外部環境にあるものの売上高は堅調に推移した。また粗利率は既存店で+0.3%と改善した。惣菜強化や直貿比率向上が奏功した。販管費は賃金上昇や各種コストインフレ、また新倉庫稼働や新店準備の投資があるなかで前年並みにコントロールした事が予算内での営業利益進捗に貢献した。
PPIH:2024年6月期予想
1Q決算を終え、従前の通期計画を維持した。今期も最高益更新を予定している。
売上高 | 2兆621億円 | 前期比6.8%増 |
---|---|---|
営業利益 | 1,110億円 | 同5.5%増 |
当期純利益 | 667億円 | 同0.8%増 |
EPS | 111.8円 | |
一株当年間配当金 | 21.00円 |
アナリストによる投資判断
1Q決算は国内のディスカウント事業、GMS事業に牽引された好決算であった。アジア事業が人流回復により外食需要増により客数減、オペレーションの問題により減収減益となり、北米事業では増収減益となった。国内でのPB/OEM等の成功モデルを海外事業でも生かしており、また北米事業では粗利率の高い惣菜を強化する等適切な施策を取っており中期的には海外事業も改善すると思われる。GMSも抱える小売業で営業利益率6.5%は競合他社の倍以上の利益率の高さであり、このセクターのコア銘柄である事は不変である。