株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
3,390円 | 2.02兆円 | 33.5% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
30.56倍 | 26.45倍 | 4.27倍 | 0.62% | 14.3倍 |
*株価は2024/2/13の終値。
PPIH:2024年6月2Q決算結果
売上高(累計) | 1兆476億円 | 前年同期比7.1%増 |
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営業利益 | 755億円 | 同31.4%増 |
四半期期純利益 | 482億円 | 同31.1%増 |
2Q単独の決算結果は
売上高 | 5,383億円 | 前年同期比6.6%増 |
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営業利益 | 426億円 | 同26.9%増 |
四半期純利益 | 236億円 | 同28.8%増 |
PPIHの2024年6月期2Q決算は国内リテール事業に牽引され半期で売上1兆円越えと上期、2Qともに最高益を達成した。2Q累計の売上高は前年同期比7.1%増の1兆476億円、営業利益は同31.4%増の755億円、四半期純利益は同31.1%増の482億円であった。売上総利益は前年同期比9.4%増の3,309億円となり、営業利益率は同1.3pt改善し、7.8%となった。
インフレに対応したコストパフォーマンスやメリハリのきいた商品開発によるMD戦略の奏功、免税売上の伸長及び外出・イベント需要を捉えたDS事業が全体を牽引した。売上総利益は国内、国外ともにPB/OEMの伸長に加え継続した在庫コントロールにより売上総利益率は前年同期比1.6pt増の31.6%となった。販管費は戦略的な投資は行いながらも売上の伸長と国内、国外での適正な人員配置の見直し等の販管費コントロールにより販管費率は前年同期比▲0.6%の24.4%と前年・予算ともに下回った。
事業セグメント別の状況は以下の通りである。
【国内ディスカウント事業】
売上高 | 6,605億円 | 前年同期比12%増 |
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営業利益 | 448億円 | 同47.8%増 |
既存店売上は前年同期比110.4%と大きく伸長し2Qとして過去最高を記録した。免税売上は上期累計502億円と前年同期比421億円増と大幅増となった。インバウンド客の増加、インフラ整備等が大幅増収に貢献した。12月は売上が100億円超えとなり過去最高を記録した。
商圏単位で運用開始した”マジ価格”施策の奏功等により既存店客数は前年同期比101.9%と伸長した。既存店粗利率は同0.7%増の26.8%と改善した。PB/OEMはブランド認知向上により伸び売上構成比は18.8%となった。既存店在庫は同▲77億円と削減された。販管費は成長投資により増額も、売上伸長や水光熱費の減少等により同▲0.8%となった。
2Qにドン・キホーテ京急蒲田店、キラキラドンキ狸小路店(北海道)をオープンした。
【GMS事業】
売上高 | 2,362億円 | 前年同期比▲1.4% |
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営業利益 | 192億円 | 同35.2%増 |
総利益率の向上や販管費率の改善が継続し営業利益は前年同期比50億円増となった。既存店売上は同99.5%で着地した。既存店売上は1Qは夏物商品が好調も2Qは秋冬商品の立ち上がりが弱かった。既存店粗利率は同0.9pt増の27.5%と伸長した。
PB/OEMは一等地展開、定番棚割導入といった積極的な拡販により奏功。売上構成比は同5.3pt増の25.1%となった。(粗利率押上効果+0.5%)販管費は同▲36億円(販管費率▲1.1%)となった。2QではTVCM、チラシ、Web広告等館全体の販促強化をしながらも人員配置の適正化やテナント及びMD本部の販促強化をしながらも人員配置の適正化やテナント及びMD本部の機能統合等販管費コントロールを継続した。
【海外事業】
売上高 | 1,611億円 | 前年同期比2.4%増 |
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営業利益 | 34億円 | 同▲34.6% |
海外事業は新店コストなど戦略的投資は継続し、海外事業全体では増収減益であった。営業利益は北米が計画を上回るもアジア事業が苦戦であった。
アジア事業は売上高が前年同期比▲2億円、営業利益は▲9億円と減収減益であった。外食需要拡大の中消費トレンドの変化に対応が遅れ寿司、生鮮品などの高単価品売上が減少した。客単価の前年割れが全体の押し下げ要因となった。PB/OEMや直貿品の売上構成比増加、プライシング施策により総利益率は同1.1pt増と改善した。販管費は各国の新店コスト等の影響により同13億円増加するも、本社機能集約での費用減少や既存店では人件費の適正化を継続し、予算内で着地した。
北米事業は前年及び期初想定を上回り着地した。営業利益は前年同期比▲9億円と減益も予算を超える水準で推移した。セントラルキッチンからの供給体制が確立し安定した商品供給に加え寿司、デリカの拡販により売上、総利益の伸長に貢献した。PB/OEMの強化を行い総利益率は同0.3pt増となった。新規出店に加えセントラルキッチンや倉庫等の投資や人材採用の強化をするも予算内で着地した。
PPIH:2024年6月期予想
中間決算を終え、通期の業績計画を上方修正した。今期も最高益更新を予定している。
売上高 | 2兆700億円 | 前期比6.9%増 |
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営業利益 | 1,300億円 | 同23.5%増 |
当期純利益 | 765億円 | 同15.6%増 |
EPS | 128.19円 | |
一株当年間配当金 | 21.00円 |
アナリストによる投資判断
中間決算は国内のディスカウント事業に牽引された好決算であった。GMS事業も営業利益ベースでは大幅に改善した。海外事業は北米事業では増収減益、アジア事業は減収減益となった。アジア事業の立て直しには少々時間がかかりそうだが、国内ディスカウント事業、GMS事業の好調により中期経営計画の売上高2兆円、営業利益1,200億円は一年前倒しで今期達成する予定である。