PPIHの株価情報

株価*

 

 

 

ROIC

3,722円

2.22兆円

35.8%

17.9%

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

33.5倍

27.8倍

 4.3倍

0.56%

13.9倍

*株価は2024/8/16の終値。

PPIH:2024年6月通期決算結果

売上高(累計)2兆951億円前期比8.2%増
営業利益   1,402億円 同33.2%増
当期期純利益887億円 同34.1%増

4Q単独の決算結果は

売上高5,277億円前年同期比10.0%増
営業利益299億円同27.1%増
四半期純利益166億円同23.1%増

PPIHの2024年6月期通期決算は35期連続の増収増益を達成した。2024年6月期通期累計の売上高は前期比8.2%増の2兆951億円、営業利益は同33.2%増の1,402億円、当期純利益は同34.1%増の887億円であった。4Q単独の決算結果は売上高が前年同期比10%増の5,277億円、営業利益が同27.1%増の299億円、四半期純利益が同23.1%増の166億円だった。

中期経営計画「Visionary2025」で揚げた売上高2兆円、営業利益1,200億円は1年前倒しで達成した。また、5年間で営業利益二倍以上を実現した。

顧客の心をつかむ商品開発、PB/OEMの伸長、在庫状況の適正化により売上総利益は前期比0.6%増の6,629億円となり、営業利益率は同1.3pt改善し、6.7%となった。

インバウンド、PB/OEM伸長、プロモーション強化、国内外36店出店、majica会員数1,500万人突破、会員限定の価格戦略及びキャンペーン施策等の成長戦略が国内リテールを大きく牽引した決算であった。

 

事業セグメント別の状況は以下の通りである。

【国内ディスカウント事業】

売上高1兆3,186億円前期比12%増
営業利益860億円同55%増

既存店売上は前期比110.1%と二桁成長を達成した。引き続き免税売上が伸長し、前期比206%増の1,173億円となった。

免税以外売上(前期比3.3%増)においても会員限定の価格戦略や販促施策が奏功した事、外出/イベント需要を捉えた商品展開、夏の季節品の好調等により伸長した。

粗利率は同0.9pt増の27.3%と収益性が向上した。PB/OEMは同24.4%増の2,461億円、構成比19.3%(同+2.0pt)と伸長した。24店舗の新規出店や人財投資に販管費が増額するも予算内でコントロールした。販管費率は売上の伸長や水光熱費の減少等により同▲0.9ptの24.9%となった。

PB/OEMは需要を捉えた商品開発やメディア露出/SNS戦略等により前年を上回り推移した。「マジボイス」による顧客の正直な声から商品開発を進め現行商品を改善した。顧客に寄り添った商品開発を実現、「ミックスナッツ」や「紅生姜せん」等ヒット商品から様々なフレーバーを開発し、面展開をした事でカテゴリー全体の売上に寄与した。

免税売上は通期累計1,173億円と修正予算も大きく上回り着地した。円高にふれても免税顧客のシェア拡大を図る戦略でインバウンドNo.1を突き進んだ。旅前の販促プロモーション強化が認知の向上に繋がり集客に寄与した。PPIHの強みである「競合に対する価格力」 「品揃え」 「深夜営業」に加えてキャラクター商品の拡充やメーカーコラボ品の強化等、各国のトレンド合わせた店づくりを行う「変化対応力」によりシェア拡大した。

多彩な出店フォーマットで新規出店を進め24年6月期は24店を出店した。「リプレイス型」等新たな出店戦略を見出し、全国に出店余地を拡大した。

 

【GMS事業】

売上高4,624億円前期比0.1%増
営業利益342億円同22%増

 

既存店売上は前期比101%と伸長した。上期は収益性改善の一方、客数が伸び悩んだ事から戦略転換し下期以降は日配価格訴求や4月からの「価格総選挙」といった各種販促強化が奏功した。既存店粗利益率は同0.2pt増の27.1%と伸長した。価格訴求により4Q単体の粗利率は前年同期比▲0.5ptとなったが売上が伸長した事で粗利額は前期並みとなった。

PB/OEMは売上が同22.9%増の1,099億円、構成比率4.8pt増の25.7%となった。また、MD統合効果による新商品の導入や一等地展開の強化により拡大し、収益性向上に寄与した。販管費は広告宣伝やmajica関連の販促強化による費用増も人財配置の適正化や水光熱費の減少により同▲40億円(販管費率▲0.9pt)で着地した。

UNYは2019年にグループ入りしたが、5年間で売上高は+902億円増(19年比114.7%)、営業利益は+231億円増(同206.5%)、営業利益率は6.4%(同+2.9pt)と劇的な進化を遂げ中期計画を達成した。

UNYの強みとDSの強みを融合した新規業態の創造により売上拡大を実現した。1店舗の平均売上を31.6億円35.3億円と増収した。

 

【海外事業】

売上高3,326億円前期比5.3%増
営業利益99億円同▲50.5%

海外事業は増収減益であった。

北米事業は売上高は前期比+140億円とインフレや外食から内食への需要の変化に対しデリカや寿司の強化戦略が奏功し増収となった。店舗管理費は適切に管理も成長投資により▲37億円の減益で着地した。Marukai CAやハワイは増益で着地した。Gelson'sは価格やMD戦略の遅れにより減益も施策効果が出始め改善の兆しが見え始めていると判断した。粗利率は高利益率のデリカや寿司の伸長、PB/OEM率改善効果と価格訴求の粗利ミックスによりコスト増を吸収し、37.4%と前年並みで着地した。

アジア事業は新規出店等により売上高は前期比+28億円となった。人件費はコントロールも新規出店に伴う販管費増により▲13億円の減益で着地した。本社費等のコスト改善、閉店を含めた体質改善を実施した。不採算店2店舗を撤退し、収益性の高い店舗に集中した。6エリア、11店舗の新規出店を実施し事業規模を拡大した。安定した収益店舗が複数出てきた事や減損の実施により不採算店舗の方向性が固まり収益化にめどがついてきた。

 

PPIH:2025年6月期予想

2025年3月期通期は増収減益の予定である。
 

売上高2兆2,200億円 前期比6%増
営業利益1,500億円同7%増
当期純利益865億円同▲2.5%
EPS144.9円
一株当年間配当金34.00円

 

アナリストによる投資判断

中期経営計画の売上高2兆円、営業利益1,200億円は一年前倒しで達成した好決算であった。国内はDS事業、GMS事業共に好調で海外の不振を相殺している。小売業で営業利益率が6.7%というのは競合に比べて圧倒的に高くPB/OEM化、マーチャンダイジングの統合、在庫の最適化が大きく貢献しており、小売セクターのコア銘柄として安定感がある。