株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
3,718円 | 2.2兆円 | 37.9% | 16.5% | 9.3% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
25倍 | 25.7倍 | 4.1倍 | 0.91% | 12.8倍 |
*株価は2024/11/11の終値。
PPIH:2025年6月1Q決算結果
売上高 | 5,506億円 | 前年同期比8.1%増 |
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営業利益 | 411億円 | 同24.9%増 |
四半期純利益 | 205億円 | 同▲16.8% |
PPIHの2025年6月期1Q決算結果は増収減益であった。1Q単体で売上高、営業利益、営業利益率は最高を更新した。売上高は前年同期比8.1%増の5,506億円、営業利益は同24.9%増の411億円、営業利益率は同1.0pt増の7.5%ととなった。しかし、営業外で為替差損を98億7,200万円計上した事により四半期純利益は同▲16.8%の205億円となった。
インバウンド売上、PB/OEMの拡大、メディア露出の強化、会員限定価格による集客戦略の奏功に加えて夏物季節需要を想定需要以上に獲得できた事でディスカウント事業を中心に売上、総利益率が予算を上回り全体を牽引した。為替差損に関しては海外事業へのグループ間ファイナンスによる為替変動が主要因であった。しかし、ファイナンス形式の変更により今後は為替の影響は限定的になる予定である。
事業セグメント別の状況は以下の通りである。
【国内ディスカウント事業】
売上高 | 3,545億円 | 前年同期比9.2%増 |
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営業利益 | 271億円 | 同43%増 |
既存店売上は前年同期比106.9%で着地した。免税売上は円高局面においても伸長し351億円となった。免税以外の売上はメディア露出の強化、マーケティング戦略、価格戦略により伸長した。majica会員売上比率は前年同期比4.1pt上昇の48%となった。総利益率は同1.4pt上昇の28.2%となった。PB/OEM売上は前年同期比144億円増と大きく伸び743億円となった。販管費は水光熱費や免税対応等による人件費増、決済手数料増があったが、売上の伸長により販管費率は同▲0.5ptの20.5%と前年、予算ともに下回った。
【UNY事業】
売上高 | 1,143億円 | 前年同期比1.6%増 |
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営業利益 | 63億円 | 同▲12.5% |
今期よりGMS事業の名称をUNY事業に変更した。既存店売上は101.8%で着地した。前期より価格戦略を進め、売上、集客は改善した。PB/OEMの売上は前期比40億円増の277億円であった。既存店粗利率は前期比▲0.1ptの26.6%となった。食品は価格戦略により前年を下回ったが、PB/OEMや季節物を中心に非食品が伸長した事で前年並みを維持した。人材配置の適正化により人件費はコントロール。水光熱費やmajica関連販促費用により販管費は前期比で増額であったが、予算内におさめた。
UNY事業では商品軸、店舗軸PPIHトップ人材を配置した。強さの根源である「商品 X 店舗」のマトリックス経営をこれから加速する。未導入商品の積極導入と商品改廃を年内に実施予定。25年1月以降カテゴリー全体の本格的な導入を行い非食品の改革を行う予定。
【海外事業】
売上高 | 863億円 | 前期比11%増 |
営業利益 | 12億円 | 同▲29.4% |
海外事業は増収減益であった。北米事業は売上高はMarukai CAやグアムの新店の好調であったが、Gelson'sやハワイが低調であった。総利益率は高粗利率の寿司やデリカの伸長、Gelson'sのロス率改善が寄与し38%と計画通りであった。北米事業の売上は前年同期比62億円増であったが、販管費は新店費用、MD強化、為替の影響等により営業利益は前年同期比4億円減少した。
アジア事業は市況の低迷により香港が苦戦も新規出店により売上高は前年同期比23億円増となった。顧客ニーズを捉えたプライシング戦略や現地商流を活用した商品戦略を進める事で改善を図る。新店費用、不採算店舗の手当等により営業利益は前年同期比1億円減少した。アジア事業はコンセプトを再構築し、将来の成長に繋げる予定である。
PPIH:2025年6月期予想
従前の会社計画を維持した。2025年3月期通期は増収減益の予定である。
売上高 | 2兆2,200億円 | 前期比6%増 |
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営業利益 | 1,500億円 | 同7%増 |
当期純利益 | 865億円 | 同▲2.5% |
EPS | 144.9円 | |
一株当年間配当金 | 34.00円 |
アナリストによる投資判断
国内はDS事業は相変わらず絶好調、UNY事業は増収減益であった。UNY事業は非食品の改善が鍵となるとみられる。海外事業に関してはアジア、北米ともに苦戦しており、回復に時間がかかるとみられる。業績的にはDS事業に支えられて大きく下振れする事なないと思われる。