【銘柄注目ポイント!】
国内はサブスクで盤石、中国では利益率の高いオルソレンズで高成長。
株価 (2022/6/6) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
2,823円 | 2,139億円 | 49.7% | 10.4% | 6.1% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
32.9倍 | 31.5倍 | 3.3倍 | 0.71% | 11.9倍 |
2022年3月期通期決算
メニコンの2022年3月期通期決算結果は
売上高 | 1,002億円 | (前期比16.2%増) |
---|---|---|
営業利益 | 99億円 | (同22.8%増) |
当期純利益 | 65億円 | (同8.9%増) |
希薄化後EPS | 79.08円 | ー |
一株当たり配当金 | 20円* | (前期配当金35円) |
*メニコンは2021年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行った。2021年3月期の年間配当金35円は2021年10月1日付の株式分割前の金額である。
2020年末に買収した中国販売拠点の板橋貿易の完全子会社化により中国の販売網が大きく寄与し、食品事業も計上された事により最高益を更新した。
営業利益率は前期比0.5pt上昇の9.9%であった。
海外売上高は同69.3%増の257.2億円(うちコンタクトレンズ関係売上は222億円、その他売上は35.2億円)、海外売上高比率は8.1pt上昇の25.7%となった。
定額制会員システム「メルスプラン」の会員数は134万人となり1DAYの会員比率は前期比2pt上昇の42%となった。
コンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズを含む)、レンズケア商品の総売上は490億円(収益認識に関する会計基準等の適用による影響額▲8.9億円を含む)で、前年同期比83.2億円増(20.5%増)だった。
内訳は
使い捨てレンズ(1DAY) | (前期比12.8億円増) |
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その他コンタクトレンズ | (同15.1億円増) |
オルソケラトロジーレンズ | (同11.9億円増) |
ケア商品 | (同43.4億円増) |
使い捨てレンズは国内外の需要回復による売上伸長、その他レンズは欧州を中心にコンベンショナルレンズの売上回復、オルソとケア商品の伸びは中国での販売が堅調だった事が主な要因であった。
定額制会員システム「メルスプラン」の売上は446億円(収益認識に関する会計基準等の適用による影響額▲3.2億円を含む)で、前期比7.8億円(1.8%増)だった。
メルスの累計会員数は134万人だった。
内訳は
使い捨てレンズ(1DAY) | (前期比13.5億円増) |
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2 Week | (同0.2億円増) |
その他 | (同5.9億円減) |
メルス会員数が前年同期比微増の134万人となった。
クーポンなどの施策が実り利益率が高い使い捨てレンズが一番伸びた。
メルスプランにおける1DAY売上高の構成比は前期比2.0pt上昇の42%となった。
また高単価の遠近両用タイプの売上も伸長した事等により平均月会費が同1.5%上昇の2,767円となった。
コンタクトレンズ及び関連物販の海外での売上高は222億円で、前期比71億円増(46.9%増)だった。
欧州では同8.7億円増、1DAY、1 month中心に売上げが回復した。
北米では同3.8億円増、1DAYとレンズケア商品の売上が回復した。
アジアでは同58億円増、中国を中心にオルソレンズとレンズケア商品が堅調だった。
その他地域は同0.3億円増だった。
ヘルスケア、ライフケア事業は前期比48.5億円増(288.8%増)の65億円(収益認識に関する会計基準の適用などの影響▲1.6億円も含む)だった。
食品事業は同44.5億円増、板橋貿易グループによる食品事業の加算が要因だった。
その他事業は同4億円増、動物医療事業(メニワン)、環境バイオ事業等の売上伸長による。
2023年3月期予想
会社発表の2023年3月期業績予想は
売上高 | 1,078億円 | (前期比7.6%増) |
---|---|---|
営業利益 | 104億円 | (同4.4%増) |
当期純利益 | 68億円 | (同4.9%増) |
EPS | 89.65円 | ー |
一株当たり配当金 | 20円 | ー |
上記業績予想は定額制会員システム「メルスプラン」の累計会員数が136万人になるのを前提としている。
メニコンの中期経営計画では2026年3月期に売上高1,400億円、営業利益率、ROE10%、「メルスプラン」会員数150万人、海外売上比率35%という定量目標を持っているが、堅調に進捗している。
ROE10%に関しては既に2022年3月期で達成済である。
海外売上の拡大の為に利益率の高い1 DAYやオルソレンズに注力する予定である。
また、海外売上の拡大を視野に入れてマレーシアに1DAYの新工場を設立する。(2022年8月建設開始、投資額は180億円、メニコングループで最大規模の工場になる予定。)
アナリストによる投資スタンス
最高益更新の好決算を受けて決算発表翌日の5月13日にメニコンの株式は上昇し、前日終値比8.3%上昇した。
米国での金利上昇観測から高PER銘柄はここ数カ月売られており、メニコンの株価も大分調整した。
現在の株価で予想PERは31.5倍、PBRは3.3倍、EV/EBITDAは11.9倍と他のディフェンシブな銘柄に比べて若干の割高感がある。
しかし、国内事業は「メルスプラン」で盤石であり、成長余地の大きい中国市場では利益率の高いオルソレンズが高い成長を維持しており、コンタクトレンズは生活必需品に近い医療機器であり、景気に左右されない事もバリュエーションがやや割高になる要因であるだろう。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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