株価 (2022/2/4) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
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58,090円 | 6.8兆円 | 76.8% | 25% | 22.9% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
14.4倍 | 17.1倍 | 3.6倍 | 2.92% | 9.7倍 |
2022年3月期第3四半期決算
任天堂の2022年3月期第3四半期決算(累計)の結果は
売上高 | 1兆3,202億円 | (前年同期比6.0%減) |
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営業利益 | 4,725億円 | (同9.3%減) |
四半期純利益 | 3,673億円 | (同2.5%減) |
減収減益決算ではあったが、減収幅が中間決算時より縮小し、第3四半期の売上高としては過去3番目に高い水準となった。為替の影響額は、売上段階で累計で+598億円、営業利益段階で+360億円であった。Nintendo Switchのハードウェアの累計販売台数が1億台を突破し、その普及基盤を活かして新作および定番タイトルが好調に推移した結果利益を下支えした。営業利益率は前年同期比1.3pt低下し、35.8%となった。期中の平均為替レートは、1USドル=111.06円、1ユーロ=130.54円だった。
累計の売上総利益は売上高の減少により前年同期比4.5%減の7,340億円だった。売上総利益率は、ソフトウェア売上高に占める自社ソフト売上高の比率が低下したものの、主に円安による為替の影響により、前年同期比0.9pt増の55.6%となった。
販管費はメディア広告を中心に広告宣伝費が増加した事や円安により海外での広告宣伝費が円換算した際に膨らんだ事等により前年同期比5.6%増の2,614億円となった。売上高に占める販管費の割合は同2.2pt増の19.8%となった。
売上高の内訳は
ゲーム専用機 (ハードウェア、ソフトウェア、アクセサリ) | 1兆2,782億円 | (前年同期比6.1%減) |
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モバイル・IP関連収入 (スマートデバイス向け課金収入、ロイヤルティ収入等) | 398億円 | (同5.2%減) |
その他 | 21億円 | (同57.8%増) |
地域別売上高比率は日本が21.0%、米大陸が42.8%、欧州が26.5%、その他地域が9.7%で、海外売上高比率は79.0%だった。
2021年第3四半期(累計、4~12月)の主なソフトウェア、ハードウェアの商品の販売本数は以下の通りである。
『ポケットモンスター ダイヤモンド・シャイニングパール』 | 1,397万本 (2021年11月発売) | |
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『マリオカート8 デラックス』 | 796万本 | |
『マリオパーティスーパースターズ』 | 543万本 (2021年10月発売) | |
3Qまでの累計ソフトウェアの総売上本 | 1億7,929万本 | (前年同期比1.8%増) |
Nintendo Switch | 1,179万台 | (同29.7%減) |
Nintendo Switch Lite | 317万台 | (同56.8%減) |
Nintendo Switch有機ELモデル | 399万台 (2021年10月発売) | |
3Qまでのミリオンセラータイトル | 29本 (自社22本、他社7本) |
生産や物流遅延により、ブラックフライデー後から北米でハードウェアの品薄状況が続いているが、全世界ベースでは4月から12月までの売上は過去2番目の水準となった。また、Nintendo Switch有機ELモデルが買い替えや買い増しの新しい需要を生み出している。
2022年3月期予想
半導体不足の状況とソフトウェアの好調な売上を受けて通期のハードウェアとソフトウェアの販売数量予想を以下のように修正した。
ハードウェア | 2,400万台→2,300万台 |
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ソフトウェア | 2億本→2億2,000万本 |
以上販売数量予想の修正と為替の前提レートの変更を踏まえて、2022年3月期の会社計画の業績予想を修正した。中間決算時に続き二度目の上方修正になる。
売上高 | 1兆6,500億円 | (前年同期比6.2%減) |
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営業利益 | 5,600億円 | (同12.6%減) |
当期純利益 | 4,000億円 | (同16.7%減) |
従前予想より売上高を3.1%、営業利益を7.7%、当期純利益を14.3%上方修正した。前提となる為替レート1ドル105円から110円へ変更し、1ユーロ125円変更した。配当金は、中間配当金が1株当たり620円、期末配当金を870円から1,080円へ増額し、年間配当金の合計額は1,700円とした。
アナリストによる投資スタンス
昨日の第3四半期決算で二度目の業績上方修正を好感して前場に株価は4%近く上昇した。半導体不足の状況ではあるが、Nintendo Switchの有機ELモデルが新たな需要を作りだしている事、またソフトウェアの売上が好調な事はポジティブである。株価バリュエーションは予想PERが17.1倍、PBRが3.6倍、EV/EBITDAが9.7倍と既に割安であり、ファンダメンタルは好調であるためにここから大きく下落する事はないと見ている。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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