株価 (2023/5/9) | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
5,730円 | 6.7兆円 | 79.4% | 20.0% | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
15.4倍 | 19.6倍 | 3.1倍 | 2.77% | 10.6倍 |
*注:任天堂は2022年10月1日を効力発生日として、普通株式1対10の株式分割を実行した。
任天堂:2023年3月期通期決算結果
売上高 | 1兆6,016億円 | 前期比▲5.5% |
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営業利益 | 5,043億円 | 同▲14.9% |
当期純利益 | 4,327億円 | 同▲9.4% |
期末レート | 1USD=133.00円 1ユーロ=144.67円 | 同+11.17円 同+9.26円 |
4Q単体の決算結果は
売上高 | 3,064億円 | 前期比▲18.3% |
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営業利益 | 938億円 | 同▲21.9% |
四半期純利益 | 865億円 | 同▲21.5% |
減収減益の決算となった。しかし3Q決算時に下方修正した予想ほど悪くはなかった。売上高は前期比5.5%減の1兆6,016億円。売上高段階での為替の影響額は+1,578億円であった。売上総利益は、売上高が減少したこと及び利益率の低いNintendo Switch(有機ELモデル)の販売割合が高くなったことや部材コストの上昇を受けて同▲6.4%の8,854億円となり、売上総利益率は同▲0.5ptの55.3%となった。
販管費は、為替レートが円安に推移したことで、海外子会社で計上される費用が増加したほか、発送配達費や研究開発費が増加したこと等により、同7.9%増の3,810億円となり、売上高に占める販管費の割合は、3.0pt増の23.8%となった。営業利益は、売上総利益が減少し、販管費が増加したため、同▲14.9%の5,043億円となり営業利益率は▲3.5ptのの31.5%となった。営業利益段階での為替の影響額は約+440億円であった。
営業外で為替差益を397億円計上したものの経常利益は同▲10.4%の6011億円、当期純利益は同▲9.4%の4,327億円となった。
売上高の内訳は
ゲーム専用機 (ハードウェア、ソフトウェア、アクセサリ) | 1兆5,449円 | 前期比▲5.5% |
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モバイル・IP関連収入 (スマートデバイス向け課金収入、ロイヤルティ収入等) | 510億円 | 同▲4.3% |
その他 | 56億円 | 同105.1%増 |
地域別売上高比率は日本が22.8%、米大陸が43.8%、欧州が24.7%、その他地域が8.7%で、海外売上高比率は77.2%だった。
2023年3月期通期の主なソフトウェア、ハードウェアの商品の販売本数は以下の通りである。
- 『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』2,210万本
- 『スプラトゥーン3』 1,067万本
- 『Nintendo Switch Sports』960万
- 『マリオカート8 デラックス』845万本
- 『星のカービィ ディスカバリー』381万本
- 2023年3月期通期のソフトウェア売上本数 2億1,396万本(ハードウェア等に同梱して販売した125万本を含む、前期比▲9.0%)
- Nintendo Switch 614万台 (同▲54.7%)
- Nintendo Switch Lite 262万台(同▲29.2%)
- Nintendo Switch有機ELモデル 922万台(同58.8%増)
- ミリオンセラータイトルは35本(自社22本)
任天堂:2024年3月期通期会社予想
売上高 | 1兆4,500億円 | 前期比▲9.5% |
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営業利益 | 4,500億円 | 同▲10.8% |
経常利益 | 4,800億円 | 同▲20.1% |
当期純利益 | 3,400億円 | 同▲21.4% |
EPS | 292.04円 | |
一株当たり配当金 | 147円 | |
前提となる為替レート | 1USD=130円、1ユーロ=135円 |
今期通期の会社計画は減収減益を予想している。上記業績予想の前提としてNintendo Switchのハードウェアは1,500万台、ソフトウェアは1億8,000万本としている。またこの業績予想には現在全世界で公開中の映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』からのIP収入は含まれていないと推測している。
アナリストによる投資判断
発売から6年が経過したNintendo Switchはピークアウトしたようで2020年11月に発売したPS5に2023年2月以降国内販売台数トップの座を明け渡したようである。Nintendo Switchは発売7年目に入りピークアウトしているものの、インバウンドの観光客からNintendo オフィシャル・ストアは大人気であり、今年10月には京都にも東京、大阪に続きオープン予定である。またスーパー・ニンテンドー・ワールドがUniversal Studios Hollywoodに2月にオープンしている。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は公開1か月で全世界で既に1,500億円を突破している。映画の人気でソフトウェアが会社計画より伸びる可能性もあり、大きく減益とはならないのではないかと思っている。