【銘柄注目ポイント!】
今期最高益更新はほぼ確実。来期もSPE主導で更に伸びるか?
株価 (2022/2/10) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
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57,150円 | 8.9兆円 | 69.9% | 20.2% | 14.1% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
36.8倍 | 22.2倍 | 7.6倍 | 2.25% | 14.3倍 |
2022年3月期第3四半期決算
東京エレクトロンの2022年3月期第3四半期決算(累計)の結果は
売上高 | 1兆4,389億円 | (前年同期比49.9%増) |
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営業利益 | 4,307億円 | (同104.8%増) |
四半期純利益 | 3,102億円 | (同96.1%増) |
第3四半期単独の結果は
売上高 | 5,064億円 | (前年同期比5.4%増) |
---|---|---|
営業利益 | 1,560億円 | (同30.8%増) |
四半期純利益 | 1,100億円 | (同10.2%増) |
第3四半期は売上、利益ともに過去最高を更新した好決算であった。SPE(半導体製造装置)は2Qより更に4.5.%増の4,888億円の売上を計上した。一方FPD(フラットパネルディスプレイ) は有機EL投資の増加により2Q比40.1%増の176億円の売上であった。売上総利益率は2Q比1.9pt上昇の46.0%、営業利益率は2Q比3.1pt上昇の30.8%だった。
セグメント別では、SPEはロジック/ファウンドリ向け半導体に対する設備投資は、社会のデジタル化を背景に最先端から成熟世代まで広い範囲での設備投資が堅調に推移した。これに伴い、前年まで投資が調整されていたDRAM向け設備投資が回復し、前年同期と比べて高い投資水準となった。その結果、セグメント売上高は、4,888億円(前年同期比84.9%増)、セグメント利益は1,705億円(同151.1%増)、セグメント利益率は34.9%(同9.2pt上昇)となった。
FPDはテレビ用大型液晶パネル向け設備投資が一巡したことにより、FPD TFTアレイ向け製造装置市場全体としては減速傾向となった。一方、中小型有機ELパネル向け設備投資については、最終製品に搭載されるディスプレイが液晶から有機ELへと転換される事に伴う投資が継続した。セグメント売上高は、176億円(前年同期比35.5%減)、セグメント利益は19億円(同60.4%減)、セグメント利益率は11.3%(同6.6pt低下)となった。
事業環境に関しては、2021年11月時点において半導体前工程製造装置(WFE)の設備投資はデータセンター投資のさらなる加速など、社会のデジタルシフトの進展による先端から成熟にかけた幅広い世代のロジックやメモリ需要の急増を背景に、WFE市場は大幅に拡大している。CY2021は前年比 約2割増の成長を見込んでいる。
FPD製造装置 TFTアレイ工程向け設備投資に関しては、車載など新たなアプリケーションやモバイルの新技術採用に伴う投資が増加している。LCDからOLEDへの移行は小型パネルから進行しており、今後は大型パネルへの展開も期待。CY2022は前年比微増を見込んでいる。
2022年3月期予想
好調な第3四半期決算結果を受けて、2022年3月期通期の業績を上方修正した。今期3回目の上方修正である。
売上高 | 1兆9,500億円 | (前年同期比39.4%増) |
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営業利益 | 5,700億円 | (同77.7%増) |
四半期純利益 | 4,160億円 | (同71.2%増) |
SPEとFPDの売上高の内訳はSPEが1兆8,900億円、FPDが600億円を予定している。過去最高益の前期を大幅に上回る予定である。
アプリケーション別ではロジック/ファウンドリ向けは、情報通信技術の推進に伴うアプリケーションの拡大により、積極的な投資が一層進み、市場成長を牽引すると見ており、売上は前期比20%程度増加すると考えている。DRAM売上は、前期比15%程度増加とみている。5Gモバイルの普及、データセンターの需要の増加、DDR5の進展により高水準の投資を見込んでいる。不揮発性メモリは前期比5%程度増と考えている。SSDの採用の進捗と搭載容量の増加により、堅調な投資が継続するとみている。
1株当たりの配当金は、業績予想上方修正に伴い、前回予想の1,284円から1,336円へと二度目の上方修正した。
アナリストによる投資スタンス
決算発表の翌日は祝日だったために市場の反応は連休明けにならないと分からないが、中間決算時よりも事業環境に対する見方が超強気からトーンダウンしたような印象を受けた。株価バリュエーションは予想PERが22.2倍、PBRが7.6倍、EV/EBITDAが14.3倍と割高感は全くない。今期も半導体需要が拡大し続ける事、また次世代半導体のEUV向けコータ/デベロッパの量産機においてシェア100%を有している事を考えると割安であると考える。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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