東京センチュリーの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

5,739円

7,025億円

13.9%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

19.7倍

10.04倍

0.81倍

3.48%

 16.5倍

*株価は2023/11/13の前場の終値。

東京センチュリー(TC):2024年3月期2Q決算結果

売上高6,855億円前年同期比9.4%増
営業利益531億円同7.6%増
当期純利益356億円 黒字転換(前年同期は▲63億円)

2Q単独の決算結果は

売上高3,565億円前年同期比14.5%増
営業利益248億円同10.8%増
四半期純利益174億円同31.5%増

東京センチュリーの2Q決算は売上高は前年同期比9.4%増の6,855億円、売上総利益は同10.5%増の1,254億円、営業利益は同7.6%増の531億円、営業外損益は持分法投資利益の減少により同5.5%減の61億円となり、経常利益は同6.1%増の592億円となった。特別損益は17億円の利益となり親会社株主に帰属する四半期純利益は356億円と黒字に転換した。前期に計上したロシア関連損失362億円の剥落等により増益となった。

事業セグメント別の純利益およびROAは

国内リース事業分野純利益 121億円前年同期比▲7億円
ROA   1.9%同フラット
オートモビリティ事業分野純利益 99億円 同31億円増
ROA     3.7%同1.5pt増
スペシャルティ事業分野純利益 109億円同223億円増(前年同期は▲114億円)
ROA   0.8%  N/A
国際事業分野純利益  44億円 同150億円増(前年同期は▲81億円)
ROA   1.3%N/A
環境インフラ事業分野純利益 35億円前年同期比23億円増
ROA   2.6%同1.4pt増
その他純損益▲52億円赤字拡大(前年同期は▲51億円)
ROA   N/AN/A

スペシャルティ事業分野、国際事業分野、環境インフラ事業分野の回復により、356億円の黒字となった。

 

事業分野ごとの概況は以下の通りであった。

【国内リース事業分野】

売上高は前年同期比76億円(3.1%)減少し2,335億円、セグメント利益は7億円(5.4%)減少し121億円となった。主な減益要因は、資産効率を重視したポートフォリオ運営の推進等によるセグメント資産残高減少である。セグメント資産残高は前期末比753億円(5.8%)減少し1兆2,118億円となった。資産減少要因は、連結子会社でありました株式会社オリコビジネスリース(OBL)の持分法適用関連会社への変更である。

OBLの持分法適用関連会社化や資産効率を重視したポートフォリオ運営の推進によりROAは改善傾向にあるとともに、利益は当初計画どおり堅調に推移した。

持分法適用会社のNTT・TCリース株式会社は売上高が前年同期比▲9%の1,874億円となった。四半期純利益は同▲7%の72億円となった。前年同期計上の大口案件の手数料収益剥落により減益となるものの、ベース収益の底支えとなるセグメント資産残高は堅調に推移し、同11%増の1兆7,650億円となった。

国内リース事業分野でITADサービス(IT asset disposition service、(IT機器を安全かつ、適切な方法で処分するサービス)を拡充する予定である。 TCの100%子会社で北米拠点のリース会社のCSIリーシングの子会社のEPCは世界各国でITADサービスを手掛けておりEPCのノウハウを活かし、国内のITAD 取扱台数 と サービス範囲 を拡大しITADサービスのリーディングカンパニーを目指す。取扱台数増に加えサービス高度化により売上高約50億円 を目指す予定である。

 

【国内オート事業分野】

売上高は前年同期比122億円(6.9%)増加し1,892億円、セグメント利益は31億円(45.8%)増加し99億円となった。主な増益要因は、レンタカー事業における高効率運営推進による利益率の大幅な改善及びリース・レンタル車両の売却益の増加であった。セグメント資産残高は前期末比1,454億円(23.8%)減少し4,661億円となった。資産減少要因は、連結子会社であった株式会社オリコオートリースの持分法適用関連会社への変更である。

ニッポンレンタカーサービス(NRS)では高効率運営推進による利益率の大幅改善に加え、車両売却益増加により過去最高益を更新した。また、2025年度までに全店舗の3分の1に当たる約200店舗のリニューアルを計画・実施する予定で収益性のさらなる改善を図る。

 

【スペシャルティ事業分野】

売上高は前年同期比221億円(17.7%)増加し1,471億円、セグメント利益は109億円(前年同期はロシア関連の航空機減損損失計上を主因にセグメント損失114億円)となった。セグメント資産残高は為替変動を主因に前期末比3,212億円(12.9%)増加し2兆8,118億円となった。

ACG(Aviation Capital Group)は米国政策金利上昇に伴う資金原価増加や連結調整等により経常利益は前年同期比▲52%の30億円であった。米国金利の急上昇の影響を受けるも、オペレーションリース収入は回復傾向にある。ACGの資金調達状況はマーケット環境に機動的に対応し、資金調達先の多様化を推進している。社債に加え、TCのリレーション等を活用した金融機関からの調達も実施。調達手段の多様化を推進することで、よりバランスの取れた調達構造へシフトし、 長期的な調達コスト低減を図っていく戦略である。日系金融機関をアレンジャーとするタームローン、米国大手行など複数の金融機関参加によるクレジットファシリティ増枠など、新たな調達アクセスを拡大している。手元資金は十分な流動性を確保しており、格付は S&P・BBB-、Moody’s・Baa2 と投資適格を維持している。 ACGのポートフォリオは流動性の高いナローボディ航空機を中心に、世界45カ国超、90社のエアラインへ展開しておりポートフォリオを分散している。

航空機事業のその他では、航空機のパーツ売買等を手掛けるGATが牽引し同52%増の44億円の経常利益となった。船舶事業では持分法適用関連会社の売船収益減少などにより同▲55%の24億円となった。

不動産事業に関しては国内は三菱地所等の優良パートナーと協業し大型都市開発プロジェクト(東京駅前、内幸町1丁目)を手掛け、TC神鋼不動産では物流施設をはじめとした案件パイプラインを拡大している。海外では需要拡大を見込む データセンター や安定成長が続く 物流施設・賃貸住宅 を中心に投資・回収サイクルの確立・拡大を指向している。 

 

【国際事業分野】

売上高は前年同期比145億円(21.8%)増加し808億円、セグメント利益は44億円(前年同期は連結子会社が保有する営業投資有価証券の評価損計上を主因にセグメント損失105億円)となった。セグメント資産残高は為替変動を主因に前期末比1,021億円(15.6%)増加し7,578億円となった。

アジアでは前年同期に計上した営業投資有価証券の評価損剥落などにより増益を確保した。北米・欧州ではCSIは二次収益の減少等により経常利益は前年同期比▲12%の53億円となった。CSIは2016年の完全子会社化以降、グローバル拠点を拡大し、セグメント資産残高が拡大している。CSIの世界戦略は21年度~22年度にノルウェーのリース会社・2社と、ドイツのITADサービス会社を子会社化した。欧州地域の営業・ITAD拠点を拡充している。今年度はマレーシアのITADサービス会社を子会社化した。アジア地域のITADサービスをさらに強化する予定である。また今年度にコロンビアにITAD拠点を設立した(中南米で四か国目)が、来年度以降にブラジルにITAD拠点を設立する予定である。

 

【環境インフラ事業】

売上高は前年同期比179億円(107.5%)増加し345億円、セグメント利益は23億円(187.5%)増加し35億円となった。主な増益要因は、前年同期計上の試運転費用剥落及び発電事業の収益計上による増加であった。セグメント資産残高は前期末比157億円(5.6%)減少し2,622億円となった。周南パワーのバイオマス混焼発電所は、2022年9月より商業運転を開始した。

 

東京センチュリー:2024年3月期予想

経常利益1,100億円前期比3.6%増
当期利益700億円同14.6倍
EPS142.97円前期EPS38.95円
一株当たり配当金200円(中間配当100円、期末配当100円)前期配当143円

通期の業績予想は従前の会社計画を維持した。今期は当期純利益が700億円と最高益を更新する予定である。前期に計上した損失の剥落などもあり、全ての事業分野において増益を見込んでいる。なお、今期から事業セグメント区分を環境インフラ事業分野の新設により、4セグメントから5セグメントに変更した。2024年1月1日を効力発生日として、1対4の株式分割を実施する予定である。株式分割を考慮しない場合のEPSは、571.89円である。

アナリストによる投資判断

NTTグループとの協業事業はオートリース、環境・エネルギー、不動産、データセンター等と順調に拡大している。他にも三菱地所と協業で国内でホテル建設、米国でデータセンター開発等を手掛けており、有力な企業との協業による中長期的な利益成長のストーリーは不変である。また、2016年に買収したCSI Leasingはグローバル拠点を拡大し、業績、資産ともに順調に伸びている。CSIの子会社のEPCは世界各国でITADサービスを手掛けており、日本も含め世界中でITADサービスを拡大する予定である。地政学的リスク以外は業績に大きなブレもなく、予想PER10.04倍は割安に感じる。

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