株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
3,146円 | 9,505億円 | 4.5% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
9.9倍 | N/A | 0.75倍 | N/A | N/A |
*株価は2024/8/5の場中の株価。
SBIホールディングス:2025年3月期1Q決算結果
収益 | 3,305億円 | 前年同期比9.3%増 |
---|---|---|
税引前利益 | 517億円 | 同20.3%増 |
四半期純利益 | 214億円 | 同▲12.6% |
収益、税引前利益ともに1Qとして過去最高となった決算であった。四半期純利益は前年同期に計上した住信SBIネット銀行の一部株式売却益15億円の剥落、1Qに生じた持分法適用会社であったgumiの減損損失計上に伴う持分法取込損失10億円の計上、などにより前年同期比減益であった。収益は前年同期比9.3%増の3,305億円、税引前利益は同20.3%増の517億円、四半期純利益は同▲12.6%の214億円であった。SBIが保有する外貨建てエクスポージャーのヘッジ損益は親会社持分として計上される一方、ヘッジ対象である外貨建て有価証券のうち、外部から出資を受けるファンド保有分については有価証券から生じる為替差損益の一部が非支配株主持分に計上される。1Qは急激な円安等により親会社持分に対して▲30億円程度の寄与であった。
セグメント別業績の内訳は
セグメント名 | 収益 | 前年同期比 | 税引前利益 | 前年同期比 |
---|---|---|---|---|
金融サービス事業 (証券、保険、銀行等) | 2,928億円 | 11.2%増 | 638億円 | 70.2%増 |
資産運用事業 | 94.5億円 | 36.4%増 | 26億円 | 162.1%増 |
投資事業(PE投資等) | 215億円 | 1.1%増 | ▲47億円 | 赤字転落 |
暗号資産事業 | 186億円 | 172.2%増 | 13.6億円 | 172.5%増 |
次世代事業* | 61億円 | ▲3% | ▲55億円 | 赤字拡大 |
*2Qより非金融事業は次世代事業に名称を変更した。当セグメントはバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業やWeb3関連事業が中心である。
金融サービス、資産運用事業、暗号資産事業で収益、税引前利益とも過去最高を達成した。
証券事業
証券事業はSBI証券、SBIリクイディティ・マーケット、SBI FXトレード、SBIマネープラザ、PTS運営各社、海外証券各社等から構成される。SBI証券の2024年3月期通期連結業績(J-GAAP)は、オンラインでの国内株式売買手数料の無料化を2023年9月30日発注分から開始したが、営業収益は568億円(前年同期比11.2%増)、税引前利益は200.8億円(同9.2%増)となり過去最高を記録した。
銀行事業
銀行事業の構成企業はSBI新生銀行グループ、住信SBIネット銀行、アルヒ、SBI貯蓄銀行を含む海外銀行各社である。
SBI新生銀行は、アプラスの割賦収益の増加やデリバティブ関連収益の増加に加え、海外子会社のUDC Financeにおける決算期変更による業績への増益効果や子会社清算に伴う特別利益の計上等から四半期純利益は前年同期比143.5%増の319億円となった。
住信SBIネット銀行(持株比率34.19%)については、住宅ローン事業の堅調な拡大等に伴い、J-GAAPベースの経常利益は前年同期比13.3%増の90.6億円であった。
韓国のSBI貯蓄銀行は、引き続き韓国国内の景況感は引き続き低迷しており、個人信用貸付及び住宅担保債権に対する高水準の与信コスト負担は継続したものの、基礎的収支が堅調に推移した他に融資債権劣化のペースは減速しており、貸倒償却費用は減少した。税引前利益(IFRS)は前年同期比144.1%の約42.9億円であった。
保険事業
保険事業の構成企業はSBIインシュアランスグループ、SBI損害保険、SBI生命保険、少額短期保険各社である。
SBIインシュアランスグループの2025年3月期1Qの連結業績(J-GAAP)の速報値は、グループ全体の保有契約件数の堅調な増加により、経常収益は前年同期比10.8%増の309億円、経常利益は同▲5.0%の37億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同▲4.7%の20.5億円であった。
資産運用事業
資産運用事業の構成企業はSBIグローバルアセットマネジメント(SBIGAM)、SBIアセットマネジメント(SBIGAM子会社)、ウエルスアドバイザー(SBIGAM子会社)、SBIレオスひふみ、SBI岡三アセットマネジメントである。
SBIグローバルアセットマネジメントは1Qとして売上高、営業利益、四半期純利益と1Qとして最高を記録した。売上高は前年同期比16.3%増の28億円、営業利益は同11%増の6億円、四半期純利益は同9.1%増の4.7億円であった。SBIグローバルアセットマネジメントグループの運用資産残高は前年同月末比30.5%増の約6.5兆円に拡大した。
SBIレオスの売上高は同11.6%増の28億円、経常利益は同19.3%増の5.75億円、四半期純利益は同26.2%増の4.19億円であった。SBI岡三アセットマネジメントの売上高は同32.8%増の31.6億円、経常利益は同320.7%増の4.67億円、四半期純利益は同344.4%増の3.2億円であった。
投資事業
投資事業はプライベート・エクイティ事業とSBIリーシング事業から構成される。
SBIの投資事業の投資事業の収益は前年同期比1.1%増の215億円、税引前利益は▲47億円であった。公正価値評価の変動による損益及び売却損益は▲31.6億円、このうち上場銘柄は▲39億円、未上場銘柄は7.8億円であった。
IPO・M&Aの実績数は今通期は36件を予定している。(前通期は22件)
SBIの投資事業の運用資産残高は(2024年6月末時点)プライベートエクイティ等に8,464億円であった。
暗号資産事業
暗号資産事業はSBI VC トレード、ビットポイントジャパン、 B2C2、暗号資産マイニング事業、HashHub(2023年4月よりグループ入り)から構成される。
暗号資産事業の2025年3月期1Qの収益は前年同期比172.2%増の186億円、税引前利益は同172.5%増の13.6億円であった。
暗号資産顧客は2022年6月比で33.3%増の88万8,800口座となった。SBI VCトレードとBITPOINTはそれぞれ預かり残高1,000億円を達成した。ステーキングサービスは順調に推移し、前年同期比ステーキングサービス報酬は6.6倍となり売上高に占めるステーキング報酬は15.2%となった。(前年同期は3.8%)
次世代事業
次世代事業はバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業、Web3を含むその他の事業である。
次世代事業の2025年3月期1Qの収益は前年同期比▲3%1の61億円、税引前利益は▲55億円と同赤字が拡大した。先端技術領域において事業拡大に向けた先行投資が増加した事、また持分法適用会社であったgumiの大幅減損損失計上により約10億円の持分法取込損失の計上により赤字が拡大した。
SBIホールディングス:2025年3月期予想
業績予想は、投資・証券関連事業は、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きいため、SBIは業績予想の開示は行っていない。
アナリストによる投資判断
収益、税引前利益ともに1Qとして最高を記録した好決算であったが、相場全体の下げを受けて大幅下落し、年初来安値を更新した。SBIは傘下にSBI新生銀行、住信SBI信託銀行など利上げによる恩恵を受ける銀行を保有しており、現在の株価でPBR0.75倍は売られ過ぎの印象がある。