SBIホールディングスの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

3,582円

1.08兆円

4.4%

7.0%

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

12.4倍

N/A

 0.86倍

N/A

N/A

*株価は2024/11/8の終値。

SBIホールディングス:2025年3月期2Q決算結果(累計)

収益 6,760億円前年同期比17.6%増
税引前利益789億円同12.3%増
四半期純利益447億円同20.6%増

2Q単独の決算結果は

収益3,455億円前年同期比26.8%増
税引前利益271億円同▲0.4%
四半期純利益234億円同85%増

2Qとして過去最高の収益となった決算であった。収益は前年同期比17.6%増の6,760億円、税引前利益は同12.3%増の789億円、中間純利益は同20.6%増の447億円であった。

 

セグメント別業績の内訳は

セグメント名収益前年同期比税引前利益前年同期比
金融サービス事業 (証券、保険、銀行等)6,217億円20.2%増1,044億円40.3%増
資産運用事業171億円21.4%増32億円49.2%増
投資事業(PE投資等)122億円▲54.7%▲85億円赤字転落
暗号資産事業303億円88.7%増14億円111.4%増
次世代事業*123億円0.7%増▲93億円赤字拡大

*バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業やWeb3関連事業が中心である。

金融サービス、資産運用事業、暗号資産事業で収益、税引前利益とも過去最高を達成した。一方投資事業と次世代事業の税引前損益は赤字であった。

証券事業

証券事業はSBI証券、SBIリクイディティ・マーケット、SBI FXトレード、SBIマネープラザ、PTS運営各社、海外証券各社等から構成される。SBI証券の2025年3月期2Q連結業績(J-GAAP)は、オンラインでの国内株式売買手数料の無料化を2023年9月30日発注分から開始したが、営業収益は1,157億円(前年同期比13.4%増)、営業利益は377億円(同1.8%増)となり営業収益、営業利益ともに過去最高を更新した。

SBIリクイディティ・マーケットは国内FXマージン取引向けサービスを基盤として、外国為替事業をマルチに展開し、SBIグループの外国為替、デリバティブ取引を一手に担っている。SBIリクイディティ・マーケットでは、日銀の追加利上げ、米国の利下げ、各種経済指標の発表等のマーケットイベントにより取引が活発化した。その結果上半期として過去最高の営業収益223億円(同38%増)を達成した。

銀行事業

銀行事業の構成企業はSBI新生銀行グループ、住信SBIネット銀行、アルヒ、SBI貯蓄銀行を含む海外銀行各社である。

SBI新生銀行は、法人営業の利鞘収益の増加やダイヤモンドアセットファイナンス子会社化、UDC Financeの決算期の変更等により増益となり、中間純利益は前年同期比70%増の443億円となった。

住信SBIネット銀行(持株比率34.19%)については、住宅ローン事業の堅調な拡大等に伴い、J-GAAPベースの経常利益は前年同期比16.3%増の189.8億円であった。(持分法によるSBIホールディングスの取り分は同97.3%増の32億円)

韓国のSBI貯蓄銀行は、基礎的収支が堅調に推移した他に融資債権劣化のペースは減速しており、貸倒償却費用は減少した。既に優良資産の取り込みを再開しており、資産増加に伴う利息収益の拡大や事業環境の改善に伴う業績拡大が下期以降期待される。債権全体の延滞率は2024年3月末の5.6%から4.7%へ改善した。税引前利益(IFRS)は前年同期比112.7%増の約89億円であった。
 

保険事業

保険事業の構成企業はSBIインシュアランスグループ、SBI損害保険、SBI生命保険、少額短期保険各社である。

SBIインシュアランスグループの2025年3月期2Qの連結業績(J-GAAP)の速報値は、グループ全体の保有契約件数の堅調な増加により、経常収益は前年同期比9.2%増の574億円、経常利益は同0.3%増の49億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同▲2.5%の16億円であった。(前年同期に一過性の要因として計上した生命保険事業の責任準備金戻入額の影響等により、親会社株主に帰属する中間純利益は▲2.5%となった。)

資産運用事業

資産運用事業の構成企業はSBIグローバルアセットマネジメント(SBIGAM)、SBIアセットマネジメント(SBIGAM子会社)、ウエルスアドバイザー(SBIGAM子会社)、SBIレオスひふみ、SBI岡三アセットマネジメントである。

資産運用事業は新NISAの開始も追い風となり、各社の運用資産残高が大きく増加した事が寄与し、収益は前年同期比21.4%増の171億円、税引前利益は同49.2%増の32億円といずれも過去最高を記録した。

SBIグローバルアセットマネジメントは2Qとして売上高、営業利益、中間純利益と全てで最高を記録した。売上高は前年同期比15%増の57億円、営業利益は同8.1%増の12億円、中間純利益は同4.9%増の9億円であった。SBIグローバルアセットマネジメントグループの運用資産残高は前年同月末比26.6%増の約6.4兆円に拡大した。

SBIレオスの売上高は同10.8%増の57億円、経常利益は同6.2%増の11億円、中間純利益は同8.1%増の7.67億円であった。SBI岡三アセットマネジメントの売上高は同33.6%増の64億円、経常利益は同214.9%増の9.87億円、中間純利益は同219.9%増の6.57億円であった。

 

投資事業

SBIリーシング事業は2025年3月期1Qより金融サービス事業に変更となった。これに伴い2024年3月期上半期の数字も組み替えた。

SBIの投資事業の収益は前年同期比▲54.7%増の122億円、税引前損益は▲85億円であった。公正価値評価の変動による損益及び売却損益は▲58億円、このうち上場銘柄は▲43億円、未上場銘柄は15億円であった。

IPO・M&Aの実績数は今通期は31件を予定している。(前通期は21件)

SBIの投資事業の運用資産残高は(2024年9月末時点)プライベートエクイティ等に8,192億円であった。引き続き高い技術力を有するベンチャー企業へ投資をしている。

  • Preferred Networksは、AI半導体の設計・周辺ソフトウェア開発・自社AI半導体を用いたスーパーコンピューターの開発から、生成AI基盤の構築、それらを応用したアプリケーションまでを自社開発。2024年8月にSBIホールディングスと資本業務提携。
  • Sakana AIは高効率、高性能を両立した日本語ベースの生成AIの開発を行っており、経産省による国内生成AI開発力強化のためのプロジェクト(GENIAC)から支援先企業として採択された。Sakana AIはSBIインベストメントも参加したシリーズAの資金調達合計300億円を完了。
  • Secret Double Octopusはカリフォルニア州に本拠地を置き、フルパスワードレス化による堅牢性と認証環境を問わない汎用性を兼ね備える多要素認証ソリューションを開発しており、SBIグループを通じて出資した。

暗号資産事業

暗号資産事業はSBI VC トレード、ビットポイントジャパン、 B2C2、暗号資産マイニング事業、HashHub(2023年4月よりグループ入り)から構成される。

暗号資産事業の2025年3月期2Qの収益は前年同期比88.7%増の303億円、税引前利益は同111.4%増の14.25億円といずれも過去最高となった。

BTC価格は2月に高騰して以降比較的高い水準で推移しており、さらに暗号資産ETFの米国での実装により機関投資家のポートフォリオにBTCが組み込まれ、株価の上昇は暗号資産市場の追い風となった。このような環境下で過去最高の業績となった。暗号資産取引所では収益基盤の安定化に向け、ステーキングなどのストック収益やレバレッジ取引の更なる強化を図る計画である。

 

次世代事業

次世代事業はバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業、Web3を含むその他の事業である。

次世代事業の2025年3月期2Qの収益は前年同期比0.7%増1の123億円、税引前利益は▲93億円と同赤字が拡大した。先端技術領域において事業拡大に向けた先行投資が増加した事、また持分法適用会社であったgumiの大幅減損損失計上により約10億円の持分法取込損失の計上により赤字が拡大した。一方2025年度の上場を目指すSBIアラプロモは増益を達成した。

SBIホールディングス:2025年3月期予想

業績予想は、投資・証券関連事業は、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きいため、SBIは業績予想の開示は行っていない。

アナリストによる投資判断

収益は2Qとして最高を記録した好決算であった。SBIは傘下にSBI新生銀行、住信SBI信託銀行など利上げによる恩恵を受ける銀行を保有しており、現在の株価でPBR0.86倍は過少評価の印象がある。