SBIホールディングスの株価情報

株価*

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

4,360円

1.32兆円

4.3%

6.6%

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

15.1倍

N/A

 1.1倍

N/A

N/A

*株価は2025/2/7の終値。

SBIホールディングス:2025年3月期3Q決算結果(累計)

収益 1兆134億円前年同期比17.2%増
税引前利益1,794億円同79.2%増
四半期純利益1,012億円同69.7%増

3Q単独の決算結果は

収益3,374億円前年同期比16.4%増
税引前利益1,005億円同3.4倍増
四半期純利益564億円同150%増

3Qとして過去最高収益を達成した決算であった。収益は前年同期比17.2%増の1兆134億円、税引前利益は同79.2%増の1,794億円、四半期利益は同69.7%増の1,012億円であった。金融サービス事業、資産運用事業が堅調に推移した事に加えて投資事業及び暗号資産事業の収益が伸長した事も貢献した。

 

セグメント別業績の内訳は

セグメント名収益前年同期比税引前利益前年同期比
金融サービス事業 (証券、保険、銀行等)8,676億円10.9%増1,699.7億円44.3%増
資産運用事業253億円18%増44億円25.8%増
投資事業(PE投資等)579億円264.2%増173億円黒字転換
暗号資産事業628億円103.5%増181億円786.9%増
次世代事業*199億円1.1%増▲109億円赤字拡大

*バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業やWeb3関連事業が中心である。

金融サービス、資産運用事業、暗号資産事業で収益は過去最高、また資産運用事業、暗号資産事業は税引前利益も過去最高を達成した。投資事業は黒字転換したが、次世代事業の税引前損益は赤字を拡大した。

証券事業

証券事業はSBI証券、SBIリクイディティ・マーケット、SBI FXトレード、SBIマネープラザ、PTS運営各社、海外証券各社等から構成される。SBI証券の2025年3月期3Q連結業績(J-GAAP)は、オンラインでの国内株式売買手数料の無料化を2023年9月30日発注分から開始したが、営業収益は1,784億円(前年同期比17.6%増)、営業利益は604億円(同13.8%増)となり営業収益、営業利益ともに過去最高を更新した。

経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益は、それぞれ1Qに営業外費用(約7億円)、2Qに特別損失(約27億円)を計上したが、いずれも過去最高を達成した。

銀行事業

銀行事業の構成企業はSBI新生銀行グループ、住信SBIネット銀行、アルヒ、SBI貯蓄銀行を含む海外銀行各社である。

SBI新生銀行は、法人業務における事業法人を中心とした貸出残高増加による金利収益や海外事業での大口保証案件実行による手数料収益の計上等が寄与し、親会社株主に帰属する当期利益は約746億円(前年同期比94%増)となった。

住信SBIネット銀行(持株比率34.19%)については、住宅ローン事業で貸出が順調に拡大したほか、運用利回り上昇により資金運用収益が増加したこと等を背景に、J-GAAPベースの経常利益は前年同期比6.5%増の267億円、SBIホールディングスのIFRS取り込みベースの持分法による投資利益は同24.4%増の45億円となった。

韓国のSBI貯蓄銀行は、個人信用貸付及び住宅担保債権に対する高水準の与信コスト負担は継続したものの、優良資産の取り込み再開により利息マージンの拡大が進むなど、基礎的収支が堅調に推移したほか、融資債権劣化はほぼ収束しており貸倒償却費も減少するなど、業績に改善の兆しが見える。今後、優良資産の取り込みに伴う利息収益の拡大や事業環境の改善に伴う業績拡大が期待される。税引前利益は前年同期比25.1%増の126億円となった。
 

保険事業

保険事業の構成企業はSBIインシュアランスグループ、SBI損害保険、SBI生命保険、少額短期保険各社である。

SBIインシュアランスグループの2025年3月期3Qの連結業績(J-GAAP)の速報値は、グループ全体の保有契約件数の堅調な増加により、経常収益は前年同期比11.9%増の878億円、経常利益は同14.3%増の73.5億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同7.9%増の19億円であった。

資産運用事業

資産運用事業の構成企業はSBIグローバルアセットマネジメント(SBIGAM)、SBIアセットマネジメント(SBIGAM子会社)、ウエルスアドバイザー(SBIGAM子会社)、SBIレオスひふみ、SBI岡三アセットマネジメントである。

資産運用事業は新NISAの開始も追い風となり、各社の運用資産残高が大きく増加した事が寄与し、収益は前年同期比18%増の253億円、税引前利益は同25.8%増の44億円といずれも過去最高を記録した。

SBIグローバルアセットマネジメントは3Qとして売上高、営業利益、四半期純利益と全てで最高を記録した。売上高は前年同期比14.2%増の87億円、営業利益は同8.3%増の18億円、四半期純利益は同3.3%増の13億円であった。

SBIレオスの売上高は同11.9%増の86億円、経常利益は同14.3%増の16億円、四半期純利益は同17.2%増の11億円であった。SBI岡三アセットマネジメントの売上高は同34%増の98億円、経常利益は同162.2%増の15億円、四半期純利益は同160.2%増の9.7億円であった。

SBIグループの運用資産残高は2024年12月末時点で10兆9,329億円となった。

投資事業

SBIの投資事業の収益は前年同期比264.2%増の579億円、税引前損益は黒字転換し、173億円であった。公正価値評価の変動による損益及び売却損益は209億円、このうち上場銘柄は29億円、未上場銘柄は180億円であった。

IPO・M&Aの実績数は今通期は24件を予定している。(前通期は21件)

SBIの投資事業の運用資産残高は(2024年12月末時点)プライベートエクイティ等に8,244億円であった。引き続き高い技術力を有するベンチャー企業へ投資をしている。

暗号資産事業

暗号資産事業はSBI VC トレード、ビットポイントジャパン、 B2C2、暗号資産マイニング事業、HashHub(2023年4月よりグループ入り)から構成される。

暗号資産事業の2025年3月期3Qの収益は前年同期比103.5%増の628億円、税引前利益は同786.9%増の181億円といずれも過去最高となった。

米大統領選挙で暗号資産に前向きな姿勢を見せるトランプ氏が勝利し、ビットコイン(BTC)価格は史上最高値を更新するなど暗号資産市場は活性化。活況な市場環境を受け、暗号資産マーケットメイカーの英国B2C2社が過去最高益を記録したほか、暗号資産取引所でも顧客基盤拡大が加速し、大幅な増収増益を達成した。

SBI VCトレードでは、暗号資産の税制改正に対応した法人向け「期末時価評価課税の適用除外サービス」では6割を超える業界シェアを獲得した。

 

次世代事業

次世代事業はバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業、Web3を含むその他の事業である。

次世代事業の2025年3月期3Qの収益は前年同期比1.1%増の199億円、税引前利益は▲109億円と同赤字が拡大した。Web3・デジタルアセット等の先端技術領域は未だ先行投資の段階であり、SBIアラプロモは2025年度の上場を目指し準備中である。

SBIホールディングス:2025年3月期予想

業績予想は、投資・証券関連事業は、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きいため、SBIは業績予想の開示は行っていない。

アナリストによる投資判断

収益は3Qとして最高を記録した好決算であった。傘下に利上げの恩恵を受ける銀行二行を擁し、活況が続く暗号資産事業の増益基調も継続し、業績拡大が期待される。