【銘柄注目ポイント!】
国内最大の保険グループ。海外で積極的にM&Aを手掛け、北米で特に利益成長。
株価 (2022/2/16) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
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7,056円 | 4.8兆円 | 14.8% | 4.0% | N/A |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
30.4倍 | 11.8倍 | 1.2倍 | 3.47% | N/A |
2022年3月期第3四半期決算
東京海上ホールディングスの2022年3月期第3四半期決算(累計)の結果は
経常収益 | 4兆3,722億円 | (前年同期比6.7%増) |
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経常利益 | 4,991億円 | (同173.6%増) |
四半期純利益 | 3,741億円 | (同231.7%増) |
大幅増益の好決算だった。グループ全体の累計修正純利益は4,729億円と3Q末で通期予想の96.5%まで進捗した。(過去5年平均の進捗率は72.5%)国内は好調なトップラインに加え、発生保険⾦の下振れ(⾃然災害・⼤⼝事故の減少やコロナ影響)もあり予想を上回って進捗。海外も⾃然災害等を保守的に⾒込んでいた従前予想を上回って進捗するなどグループ全体として好調である。
国内損保事業の3Q事業別利益は、好調なトップラインと、発生保険⾦の下振れにより予想を上回って進捗し、3Q末時点で既に今年度予想の106.5%を達成した。前年同期比では、⾃然災害の減少等による保険引受利益の増益や、外貨建てファンドからの配当⾦の増加等による資産運用等損益の増益により、全体として438億円の増益であった。3Q実績では正味収入保険料は料率改定効果等により2.7%増と基調は好調である。資産運用等損益は3Qの政策株式売却額は910億円(前年同期比横ばい)、売却益は730億円(同20億円増)であった。
国内生保事業の新契約年換算保険料は回払変額保険や新商品(介護年⾦保険など)の販売好調により順調に進捗(3Q増収率24.5%には、前年のコロナ影響からの回復を含むが)した。一方保有契約年換算保険料は事業保険の解約等による減少が、新契約による増加を上回り、全体では減収だった。事業別利益は前年同期⽐では、保有契約の利益貢献や為替ヘッジコストの減少といった増益要因を、販売好調に伴う初年度負担の増加等が打ち消し、24億円の減益であった。
海外保険事業は、Philadelphia Insurance Companiesは好調なレートアップを実現している事に加え更新率や新規契約も好調である。Delphi は収益性向上を意識しつつ、新規契約獲得・レートアップを着実に進めており、⽣損保共に基調は順調である。TMHCCは良好なレート環境を背景に、高いレートアップを実現(3Q実績: +14%(A&H・Surety・Creditを除く))D&Oや⽶国外ビジネスを中心とした増収を遂げており、基調は好調である。欧州のTMKではレートアップの一方で、収益の更なる安定化に向けて引受⾒直しや出再等を引き続き実⾏しており、想定通り推移している。中南米ではマーケットの高い成⻑を確実に捉え、順調に拡大している。アジア・オセアニアではコロナ影響の反動があり順調に拡大している。海外保険事業全体では3Q累計で前年同期比9.9%増、1,253億円増であった。
連結純利益の3Q実績は、準備⾦負担の減少を含めたコロナ影響の反動や⾃然災害の減少に加え、TMNFと海外保険が保険引受・資産運用共に好調であることを主因に、前年同期比2,613億円増の3,741億円となった。
国内損保事業のE/I損害率は前年同期比4.9pt低下の56.4%、事業比率は同0.8pt上昇の31.8%、コンバインド・レシオは同4.2pt低下の88.1%だった。
2022年3月期予想
好調な3Q決算結果を受けて2022年3月期通期の業績予想を修正した。
経常収益 | 5,700億円 | (前年同期比113.7%増) |
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経常利益 | 4,100億円 | (同153.4%増) |
EPS | 597.52円 |
通期の当期利益を従前予想より18.8%上方修正した。上記会社計画は、正味収入保険料については3兆8,800億円(国内は2兆4,730億円、海外1兆4,070億円)生命保険料については9,700億円(国内5,530億円、海外4,130億円)を見込んでいる。また、今年度発生の自然災害に係る正味発生保険金については、国内は430億円、海外は540億円を見込んでいる。市場金利および株式相場については、2021年12月から大きくは変動しない前提としている。(2021年9月末のドル/円レート115.02円、日経平均株価は2万8,791円)
アナリストによる投資スタンス
2月14日の決算発表後は好業績と上方修正が好感されて株価は上昇している。海外の保険会社と比較しても東京海上のTotal Shareholder Returnは2002年4月を100とすると2021年9月に362とトップのリターンを誇っている。米国での金利上昇観測は追い風になり他セクターをアウトパフォームするだろう。バリュエーションは予想PERが11.8倍、PBRが1.2倍と割安になっており、配当利回りは3.47%である。東京海上に関しては成長分野(スペシャルティ保険事業)への投資を実行し、ポートフォリオの最適化をしている。金融セクターの中でも抜群の安定感のある銘柄である。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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