株価 (2022/2/9) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
3,305円 | 11.7兆円 | 34.0% | 11.5% | 13.1% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
13.31倍 | 10.82倍 | 1.46倍 | 3.48% | 3.5倍 |
2022年3月期第3四半期決算
NTTの2022年3月期第3四半期決算(累計)の結果は
営業収益 | 8兆9,232億円 | (前年同期比2.1%増) |
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営業利益 | 1兆5,397億円 | (同2.5%増) |
当期利益 | 1兆303億円 | (同24%増) |
海外営業利益率 | 5.4% | (同2.4pt改善) |
営業収益、営業利益、当期利益いずれも過去最高の決算だった。NTTデータの貢献が大きかった。
営業利益ベースの内訳はNTTドコモの減益貢献が▲521億円、長距離・国際通信事業(NTT Communications)の減益貢献が▲119億円だった。一方、地域通信事業(NTT東、NTT西)の増益貢献が455億円、データ通信事業(NTTデータ)の増益貢献が602億円だった。ドコモの減益は前期下期から始めた5Gネットワーク投資を今上期に加速したための設備投資と減価償却、また6Gの研究開発費用のためであったが、それも上半期で一旦落ち着き、第三四半期単独だと増益に転換しており、第四四半期は更に増益を見込んでいる。
NTTドコモの第三四半期決算(累計)は、営業収益が前年同期比0.1%増の3兆5,175億円、営業利益が同6.3%減の7,696億円だった。ドコモの営業利益はNTTグループ全体の営業利益の約49.9%を占めた。通信事業の売上高は前年同期比0.13%減の2兆7,317億円、営業利益は同11.1%減の5,723億円だった。携帯電話契約数は同3%増の8,385万人となった。5G契約数は895万と順調に拡大した。
NTTドコモのスマートライフ領域(スマートライフ事業、その他事業)の売上高は前年同期比1.0%増の8,164億円、営業利益は同11%増の1,974億円だった。dポイントクラブ会員数は同9%増の8,721万人、dポイントカード登録数は同15%増の5,597万人だった。dポイント利用数は同12%増の2,034億ポイント、提携先利用は同22%増の1,554億ポイントだった。dカード取扱高は同27%増の4兆8,500億円、d払い取扱高は同58%増の8,990億円だった。決済・ポイント利用可能箇所は同35%増の387万か所となった。
地域通信セグメントは売上高が前年同期比2.0%増の2兆3,519億円、営業利益が同11.7%増の4,347億円だった。
長距離・国際通信事業の売上高が前期比0.07%増の1兆5,081億円、営業利益は同9.9%減の1,085億円だった。
NTTデータの第三四半期決算(累計)は、売上高は前年同期比11.4%増の1兆8,482億円、営業利益は同56.3%増の1,671億円、四半期純利益は同93.7%増の1,691億円だった。営業利益率は2.5pt改善の9.0%だった。セグメント別受注高の内訳は公共・社会基盤では中央府省向け更改案件及び新規案件の獲得等により543億円増、金融は前期に獲得した銀行向け大型案件の反動減により557億減、法人・ソリューションは製造業向け案件により205億円増、北米は金融向け、法人向け大型案件及び為替の影響で506億円増、EMEA・中南米はスペインを中心とした欧州での案件獲得及び為替の影響で739億円増であった。
2022年3月期予想
好調な業績を受けて通期予想を上方修正した。
売上高 | 12兆1,800億円 | (前期比2.0%増) |
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営業利益 | 1兆7,450億円 | (同4.4%増) |
当期利益 | 1兆1,000億円 | (同20.1%増) |
増収増益、過去最高益を予定している。事業別では地域通信事業は減収、移動通信、長距離・国際通信、データ通信その他通信では増収を予定している。
また、配当予想も上方修正した。2021年度期末配当予想は当初の配当予想から5円増の60円とし、年間一株当たり配当予想は115円とした。(対前年10円増)
自己株式取得については2021年12月31日までに2,500億円(79,358,500株)の取得を完了した。
アナリストによる投資スタンス
通信企業の中でのNTTグループの圧倒的な優位性は変わらず、中長期的な成長ストーリーは不変である。決算結果にサプライズはなく、株価はあまり反応しなかった。現在の株価バリュエーションは予想PERが10.82倍、PBRが1.46倍、EV/EBITDAが3.5倍、配当利回りが3.48%と割安な状況である。2023年度のEPS370円を使っての予想PERは8.9倍である。
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プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
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