【決算ポイント】NTTデータとの海外事業統合により海外営業利益率が高まっている。
株価 (2022/11/8) | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
3,842円 | 13.9兆円 | 33.5% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
11.7倍 | 11.4倍 | 1.6倍 | 3.12% | 3.8倍 |
NTTグループ:2023年3月期3Q決算結果
営業収益(累計) | 9兆5,726億円 | 前年同期比7.3%増 |
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営業利益 | 1兆5,208億円 | 同▲1.2% |
四半期純利益 | 1兆325億円 | 同0.2%増 |
海外営業利益率 | 6.4% | 同1.0pt改善 |
3Q単体の決算結果は
営業収益 | 3兆2,864億円 | 前年同期比8.3%増 |
営業利益 | 5,243億円 | 同▲1.2% |
四半期純利益 | 3,352億円 | 同▲5.2% |
営業収益、四半期期利益は過去最高を更新した。
営業利益ベースの各事業セグメントの貢献内訳は
総合ICT事業 | 29億円 |
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地域通信事業 | ▲481億円 |
グローバル・ソリューション事業 | 207億円 |
その他(不動産、エネルギー等) | 98億円 |
セグメント間取引消去 | ▲41億円 |
地域通信事業は減益であったが他事業は増益貢献をした。
ドコモの決算結果は
営業収益 | 4兆4,244億円 | 前年同期比1.5%増 |
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営業利益 | 8,888億円 | 同0.3%増 |
四半期純利益 | 6,435億円 | 同3.5%増 |
設備投資 | 4,484億円 | 同▲5.2% |
ドコモのコンシューマー通信事業はahamo等の戦略的なマーケットシェア拡大戦略により減収減益となったが法人事業とスマートライフ事業が利益成長を牽引した。法人事業では従来のソリューションに加え、 5G/IoT/FMC等のモバイルソリューション、アプリケーション、クラウド基盤等を組み合わせ、ワンストップで顧客価値を提供しているが、法人事業の営業収益はは前年同期比4.0%増の1兆2,958億円、営業利益は同14.4%増の2,225億円となった。スマートライフ事業の金融決済(dカード)の取扱残高は同の1兆5,030億円となった。第二の柱であるマーケティングソリューションはパートナー企業を新たに日清食品、千寿製薬、エステーと増やしマーケティングソリューションの収入は同23%増であった。コンシューマー通信事業の5Gの契約数は同2倍増加の1,822万契約となった。ドコモの営業利益はNTTグループの営業利益の58.4%を占めた。
NTTデータの決算結果は
受注高* | 1兆8,702億円 | 前年同期比8.7%増 |
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売上高 | 2兆4,061億円 | 同30.2%増 |
営業利益 | 1,835億円 | 同9.8%増 |
四半期純利益 | 1,057億円 | 同▲4.1% |
営業利益率 | 7.6% | 同▲1.4pt |
*受注はNTTを除く。
海外事業統合に伴いNTT Ltd.を連結開始したことにより、売上高・営業利益は増加したが、四半期利益は金融費用増加及び税金増により減益となった。売上高は、連結拡大影響に加え、全セグメントにおける規模拡大及び為替影響により増収した。営業利益は、全社戦略投資の増加及び第2四半期に計上した不採算案件の損失等はあるものの、連結拡大影響に加え、増収等により増益であった。受注高(NTT Ltd.連結拡大影響を除く)は、前期に獲得した国内事業における大型案件の反動減はあったが、海外事業での大型案件獲得及び為替影響により増加した。
売上高のセグメント別増減は公共・社会基盤はテレコム・ユーティリティ及び中央府省向けサービスの規模拡大等により増収(+169億円)、金融は大手金融機関向けサービスの規模拡大等により増収 (+167億円)、法人は製造業、流通・サービス業向け案件及びペイメントサービスの規模拡大等により増収(+410億円)、海外はNTT Ltd.の連結拡大影響、為替影響及び欧州での規模拡大等により増収(+5,046億円、うち+1,217億円は為替の影響)した。
NTTデータの営業利益はNTTグループの営業利益の12.1%を占めた。
NTTグループ:2023年3月期予想
通期の会社計画の業績予想は従前予想を維持した。
営業収益 | 12兆6,000億円 | 前期比3.6%増 |
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営業利益 | 1兆8,200億円 | 同2.9%増 |
当期純利益 | 1兆1,900億円 | 同0.8%増 |
EPS | 340円 | |
一株当たり年間配当金 | 120円 | 前期115円 |
増収増益を予定している。全事業セグメントで増益を予定している。NTTは継続的に自社株買いをしているが2022年11月1日から2023年3月末までに1,500億円の自社株買いをする予定である。
アナリストによる投資判断
通信企業の中でのNTTグループの圧倒的な優位性は変わらず、中長期的な成長ストーリーは不変である。国内のD/X需要、Web3、NTTデータの海外ビジネスからの利益貢献と業績の下振れリスクは限られており安心して保有できる銘柄である。現在の株価バリュエーションは予想PERが11.4倍、PBRが1.6倍、EV/EBITDAが3.8倍、配当利回りが3.12%と割安な状況である。2023年度(2024年3月期)のNTTの目標であるEPS370円を使っての予想PERは10.4倍である。
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