株価+ | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
162.9円 | 13.8兆円 | 34.2% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
11.7倍 | 11.1倍 | 1.6倍 | 3.07% | 4.0倍 |
*株価は2023/8/9の終値。NTTは2023年7月1日付で1対25の株式分割を行った。
NTTグループ:2024年3月期1Q決算結果
営業収益 | 3兆1,110億円 | 前年同期比1.4%増 |
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営業利益 | 4,747億円 | 同▲5.7% |
四半期純利益 | 3,758億円 | 同2.0%増 |
営業収益、四半期純利益が1Qとして過去最高を更新した決算であった。
営業利益ベースの各事業セグメントの貢献内訳は
総合ICT事業 | 90億円 |
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地域通信事業 | ▲271億円 |
グローバル・ソリューション事業 | ▲51億円 |
その他(不動産、エネルギー等) | ▲87億円 |
セグメント間取引消去 | 33億円 |
総合ICT事業のみ増益で、他事業セグメントは前年同期比営業減益であった。
ドコモの決算結果は
営業収益 | 1兆4,578億円 | 前期比2.5%増 |
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営業利益 | 2.929億円 | 同3.2%増 |
四半期純利益 | 2,055億円 | 同3.2%増 |
設備投資 | 1,214億円 | 同▲7.0% |
法人事業は増収増益、スマートライフは増収減益、コンシューマー通信は減収増益であった。スマートライフの減益は成長投資による減益であった。法人事業の社会・産業の課題解決に向けたDXソリューションを強化しており売上、利益ともに順調に伸びている。スマートライフ事業の金融・決済、コンテンツ・ライフスタイルともに、順調に拡大している。2023年4月に映像配信メディア「Lemino」を提供開始し、注目度の高いスポーツの独占コンテンツ等を配信している。7月のMAU(monthly active user)は4月比7倍の500万超となった。1Qの5G契約数は前年同期比63%増の2,245万となった。
NTTドコモの営業利益はNTTグループの営業利益の61.7%を占めた。
NTTデータの決算結果は
受注高 | 9,983億円 | 前年同期比60.3%増 |
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売上高 | 1兆150億円 | 同49.8%増 |
営業利益 | 583億円 | 同1.4%増 |
当期純利益 | 277億円 | 同▲30.4% |
営業利益率 | 5.7% | 同▲2.7pt |
売上⾼は、NTT 連結拡⼤影響に加え、国内・欧州における規模拡⼤及び為替影響等により増収であった。しかし、営業利益は、NTT 連結拡⼤影響や増収等に伴う増益はあるものの、海外における統合費⽤・構造改⾰費⽤の増加及び全社戦略投資の増加等により前年並みとなった。 四半期利益は、NTT 連結拡⼤影響に伴う⾦融費⽤等の増加により減益となった。 受注⾼は、NTT 連結拡⼤影響や国内における⼤型案件の獲得等により大幅に増加した。
売上高のセグメント別増減は公共・社会基盤は+ 中央府省向け案件の規模拡大により増収(+170億円)、金融は地域⾦融機関向け案件の規模拡⼤(+22億円)、法人は小売・消費財向け案件の規模拡大による増収で(+113億円)、海外はNTT Ltd.の連結拡大影響、為替影響及び欧州での規模拡大等により増収(+3,129億円、うち北米+16億円、 EMEA、中南米+287億円、NTT Ltd+2,854億円)した。
NTTデータの営業利益はNTTグループの営業利益の12.3%を占めた。
NTTグループ:2024年3月期予想
営業収益 | 13兆600億円 | 前期比▲0.6% |
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営業利益 | 1兆9,500億円 | 同6.6%増 |
当期純利益 | 1兆2,550億円 | 同3.5%増 |
EPS | 370円 | |
一株当たり年間配当金 | 5円* | 前期2.5円、後期2.5円 |
通期の業績は従前計画を維持した。減収増益を予定している。営業収益は減収予定であるが、営業利益、当期純利益は最高益を更新する予定である。中期財務目標であった2024年3月期EPS370円達成を目標としている。
アナリストによる投資判断
通信企業の中でのNTTグループの圧倒的な優位性は変わらず、中長期的な成長ストーリーは不変である。しかし、株価バリュエーションは予想PERが11.1倍と競合他社に比べて割安である。国内のD/X需要、Web3、NTTデータの海外ビジネスからの利益貢献と業績の下振れリスクは限られており安心して保有できる銘柄である。