株価+ | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
179.3円 | 15.08兆円 | 33.9% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
12.6倍 | 12.17倍 | 1.64倍 | 2.79% | 4.3倍 |
*株価は2024/2/8の終値。NTTは2023年7月1日付で1対25の株式分割を行った。
NTTグループ:2024年3月期3Q決算結果
営業収益(累計) | 9兆7,169億円 | 前年同期比1.5%増 |
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営業利益 | 1兆4,862億円 | 同▲2.3% |
四半期純利益 | 1兆111億円 | 同▲2.1% |
3Q単独の決算結果は
営業収益 | 3兆3,523億円 | 前年同期比2%増 |
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営業利益 | 5,352億円 | 同2.1%増 |
四半期純利益 | 3,403億円 | 同1.3%増 |
3Qの累計決算は営業収益は過去最高を更新の9兆7,169億円、営業利益は前年同期比▲2.3%の1兆4,862億円、四半期純利益は同▲2.1%の1兆111億円であった。営業利益レベルで地域通信事業の貢献が▲471億円と大きく、また人件費、減価償却費といった営業費用の増加、税負担増等で営業減益となった。
営業利益ベースの各事業セグメントの貢献内訳は
総合ICT事業 | 135億円 |
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地域通信事業 | ▲471億円 |
グローバル・ソリューション事業 | 71億円 |
その他(不動産、エネルギー等) | ▲144億円 |
セグメント間取引消去 | 64億円 |
総合ICT事業、グローバル・ソリューション事業は増益貢献であった。
ドコモの3Q累計決算結果は
営業収益(累計) | 4兆5,188億円 | 前年同期比2.1%増 |
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営業利益 | 9,022億円 | 同1.5%増 |
EBITDA | 1兆4,262億円 | 同2.7%増 |
四半期純利益 | 6,275億円 | 同▲2.5% |
設備投資 | 4,185億円 | 同▲6.7% |
ドコモの3Qの事業別決算結果は
法人事業 | 営業収益 | 1兆3,487億円 | 前年同期比4.1%増 |
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営業利益 | 2,301億円 | 同3.4%増 | |
スマートライフ | 営業収益 | 7.959億円 | 同3.7%増 |
営業利益 | 1,619億円 | 同▲5.6% | |
コンシューマー通信 | 営業収益 | 2兆5,588億円 | 同0.4%増 |
営業利益 | 5,103億円 | 同3.1%増 |
法人事業は増収増益、スマートライフは増収減益、コンシューマー通信は増収増益であった。営業利益はスマートライフが減益となったが、コンシューマ通信・法人の増益により対前年増益となった。
法人事業は社会・産業の課題解決に向けたソリューションの強化に取り組んでいる。法人事業の営業収益のうち総合ソリューション収入は前年同期比8%増の5,024億円となった。特に注力領域であるIoTソリューションは同13%増と高い伸びとなった。超小型GNSS受信端末による、精緻なデバイス制御や作業員の安全管理の実現など、IoTソリューションの適用領域をさらに拡大している。
スマートライフ事業の金融・決済、コンテンツ・ライフスタイルともに、順調に拡大している。金融・決済残高は前年同期比20%増の9兆7,500億円、dカード取扱高は同16%増の6兆9,500億円となった。マネックスグループ・マネックス証券との協業で更なる顧客基盤拡大を図っている。
NTTドコモの営業利益はNTTグループの営業利益の60.7%を占めた。
NTTデータの3Q累計決算結果
受注高 | 3兆5,668億円 | 前年同期比90.7%増 |
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売上高 | 3兆1,762億円 | 同32%増 |
営業利益 | 1,971億円 | 同7.4%増 |
当期純利益 | 837億円 | 同▲20.8% |
営業利益率 | 6.2% | 同▲1.4pt |
受注高は国内の公共・金融及び北米における大型案件の獲得等により前年同期比90.7%増と大幅に伸び3兆5,668億円となった。売上⾼は、NTT 連結拡⼤影響に加え、国内・欧州における規模拡⼤及び為替影響等により同32%増となり3兆1,762億円となった。営業利益は、海外における統合費⽤・構造改⾰費⽤の増加はあったものの、NTT 連結拡⼤影響や増収等に伴い同7.4%増の1,971億円となった。 四半期利益は、NTT 連結拡⼤影響に伴う⾦融費⽤等の増加により同20.8%の減益となり837億円となった。
売上高のセグメント別内訳は公共が同10.4%増の4,674億円、金融は同4.2%増の5,022億円、法人は7%増の3,941億円、国内全体では同6.5%増の1兆2,466億円であった。北米は▲1.2%の4,404億円、EMEA・中南米は18.4%増の6,0165億円、海外のNTT連結拡大分は6,139億円であった。
NTTデータの営業利益はNTTグループの営業利益の13.3%を占めた。
NTTグループ:2024年3月期予想
営業収益 | 13兆600億円 | 前期比▲0.6% |
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営業利益 | 1兆9,500億円 | 同6.6%増 |
当期純利益 | 1兆2,550億円 | 同3.5%増 |
EPS | 14.8円 | |
一株当たり年間配当金 | 5円* | 前期2.5円、後期2.5円 |
通期の業績は従前計画を維持した。減収増益を予定している。営業収益は減収予定であるが、営業利益、当期純利益は最高益を更新する予定である。NTTグループは2023年7月を効力発生日として1対25の株式分割を行っており、今期通期のEPS予想は25倍すると中期経営目標であった370円となる計画である。
アナリストによる投資判断
本日NTTの株価が2%強下げたが、通信企業の中でのNTTグループの圧倒的な優位性は変わらず、中長期的な成長ストーリーは不変である。NTTとNTTデータが海外事業を統合し1年半が経ったが、海外売上は国内売上を上回るまでに成長している。また、ドコモとマネックスの協業により顧客の囲い込み戦略が一層進むと思われる。