NTTの株価情報

株価+

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

162.3円

13.64兆円

33.3%

13.9%

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

10.8倍

12.5倍

 1.4倍

3.08%

3.9倍

*株価は2024/5/10の終値。NTTは2023年7月1日付で1対25の株式分割を行った。

NTTグループ:2024年3月期通期決算結果

営業収益13兆3,746億円前期比1.8%増
営業利益   1兆9,229億円同5.1%増
当期純利益1兆2,795億円同5.5%増

4Q単独の決算結果は

営業収益3兆6,577億円前期比2.6%増
営業利益4,367億円同41.7%増
四半期純利益2,684億円同48.6%増

 

NTTの2024年3月期の決算は過去最高益を更新した好決算であった。営業収益は前期比1.8%増の13兆3,746億円、営業利益は同5.1%増の1兆9,229億円、当期純利益は同5.5%増の1兆2,795億円であった。通期の営業利益率は同0.5pt増の14.4%であった。

 

営業利益ベースの各事業セグメントの貢献内訳は

総合ICT事業505億円
地域通信事業172億円
グローバル・ソリューション事業439億円
その他(不動産、エネルギー等)▲74億円
セグメント間取引消去▲104億円

総合ICT事業、地域通信事業、グローバル・ソリューション事業は増益貢献であった。

ドコモの決算結果は

営業収益6兆1,400億円前期比1.3%増
営業利益1兆1,444億円同4.6%増
EBITDA1兆8,678億円同4.3%増
当期純利益7,951億円同3.0%増
設備投資7,054億円同▲0.1%

 

ドコモの事業別決算結果は

 

法人事業営業収益1兆8,817億円前期比4.2%増
営業利益3,242億円同14.7%増
スマートライフ営業収益1兆908億円同1.5%増
営業利益2,044億円同4.7%増
コンシューマー通信営業収益3兆4,248億円同▲0.1%
営業利益6,158億円同▲0.03%

法人・スマートライフの事業成長が拡大、コンシューマ通信は機器収支改善、コスト効率化等で前年並となり全体で大幅な増益を達成した。

法人事業は統合ソリューションを中心に順調に拡大し、2025年度中期目標の法人収益2兆円に向けて進捗している。統合ネットワーク(SASEソリューション)、コンタクトセンターソリューション、IoTソリューション等の大企業向けを中心としたソリューションが好調である。

スマートライフ事業のdポイントクラブ会員は1億人を突破、またdポイント提携先は90万社/300万店舗と拡大中である。金融決済残高は対前年成長率が+18%の13兆1,200億円であった。クレジットカードとQRコード決済の両サービスで高い成長を継続している。

マーケティングソリューション収入はマーケティングDXの堅調な拡大に加え、インテージとの資本業務提携もあり、対前年比+40%の1,300億円と大幅な増収を実現した。

ドコモの5G契約は順調に拡大し、5G契約比率は4割を突破した。

NTTドコモの営業利益はNTTグループの営業利益の59.5%を占めた。

 NTTデータの決算結果

受注高4兆7,909億円前期75.8%増
売上高4兆3,674億円同25.1%増
営業利益3,096億円同19.5%増
当期純利益1,339億円同▲10.7%
営業利益率7.1%同▲0.3pt

受注高はNTTの連結拡大とともに日本国内、海外における大型案件の獲得により前期比75.8%増、2兆654億円と大幅に増加した。日本国内では中央省庁向け大型案件や地銀向け大型案件の獲得等により2,015億円増加した。海外ではNTTの連結拡大、為替の影響、北米での大型案件獲得等により1兆8,627億円の増加となった。

売上高のセグメント別内訳は公共が同8.9%増の6,923億円、金融は同5.1%増の6,962億円、法人は5.9%増の5,352億円、国内全体では同6.2%増の1兆7,570億円であった。北米は▲1.3%の5,867億円、EMEA・中南米は19.6%増の8,285億円、海外のNTT連結分は6,582億円拡大し、1兆2,410億円であった。海外全体では41.2%増の2兆6,545億円であった。

NTTデータの営業利益はNTTグループの営業利益の16.1%を占めた。

NTTグループ:2025年3月期予想

営業収益13兆4,600億円前期比0.6%増
営業利益1兆8,100億円 同▲5.9%
当期純利益1兆1,000億円同▲14%
EPS13円
一株当たり年間配当金5.2円前期2.6円、後期2.6円

今期は増収減益を予定している。

アナリストによる投資判断

本日NTTの株価が3%強下げ年初来安値を更新したが、通信企業の中でのNTTグループの圧倒的な優位性は変わらず、中長期的な成長ストーリーは不変である。特にNTTが中心となって開発を進める次世代情報通信基盤のIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は従来のインターネットと比較して100倍以上の電力効率と125倍以上の大容量化を可能にすると言われており、国内外の企業との提携で国際プラットフォーム化を目指しており期待は大きい。