株価 (2022/2/15) |
時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
---|---|---|---|---|
5,670円 | 6,781億円 | 75.1% | 9.8% | 10.4% |
PER (実績) |
PER (予想) |
PBR | 配当利回り | EV / EBITDA |
25.2倍 | 19.4倍 | 2.5倍 | 1.55% | 9.3倍 |
2022年3月期第3四半期決算
スクウェア・エニックスの2022年3月期第3四半期決算(累計)の結果は
売上高 | 2,736億円 | (前年同期比7.9%増) |
---|---|---|
営業利益 | 501億円 | (同22.2%増) |
四半期純利益 | 398億円 | (同116.9%増) |
第3四半期単独の決算結果は
売上高 | 1,047億円 | (前年同期比29.4%増) |
---|---|---|
営業利益 | 209億円 | (同124.1%増) |
四半期純利益 | 169億円 | (同7.3%増) |
増収増益の好決算だった。3Q累計の営業利益率は前年同期比2.1pt上昇の18.3%、3Q単独の営業利益率は同8.4pt上昇の20.0%だった。第3四半期単独決算の四半期純利益の伸びは前年同期比7.3倍と大きく伸びた。業績の伸びを支えたのはMMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)の売上高が10~12月期に前年同期比138.4%増の205億円と過去最高水準となった事が大きな要因であった。『ファイナルファンタジーXIV』の月額課金会員数の大幅に増加したことに加え、拡張パッケージが寄与した。拡張パッケージは、『ファイナルファンタジーXIV』を12月に、『ドラゴンクエストX オンライン』は11月に発売した。
デジタルエンタテインメント事業の累計売上高は前年同期比4.0%増の2,116億円、累計セグメント利益は同17.1%増の494億円だった。内訳はHD(High-Definition:ハイディフィニション)ゲームが655億円、スマートデバイス、PCブラウザーゲームが978億円、NMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)は482億円だった。複数の新作タイトルを投入したものの前期に発売したHDゲームの⼤型タイトル「FINAL FANTASY VII REMAKE」に及ばず前年同期⽐で減収減益だった。MMOは前述したように絶好調であった。スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツに関しては、既存タイトルが弱含んだが会計方針の変更により前年同期比で増収だった。
アミューズメント事業に関しては、前年同期は政府の緊急事態宣言発出を受け、国内店舗は臨時休業した影響が大きかったために前年同期比で増収、黒字転換した。アミューズメント事業の累計売上高は前年同期比36.4%増の332億円、累計セグメント利益は同13億3,700万円だった。(前年同期は▲11億1,600万円)
出版事業は電⼦書籍等のデジタル販売が増加、また紙媒体の販売も堅調だったため、前年同期⽐で増収増益だった。累計売上高は前年同期比4.6%増の211億円、累計セグメント利益は同0.4%増の89億円となった。
ライツ・プロパティ等事業は有⼒IPの新規キャラクターグッズ販売が好調により、前年同期⽐で増収増益となった。累計売上高は前年同期比49.4%増の105億円、累計セグメント利益は同69.8%増の32億円となった。
2022年3月期予想
好調な第3四半期決算を受けて通期の業績予想を上方修正した。
売上高 | 3,400億円 | (前年同期比2.2%増) |
---|---|---|
営業利益 | 500億円 | (同5.9%増) |
四半期純利益 | 350億円 | (同29.9%増) |
減益予想から当期利益約30%増予想に変わった。同時に配当予想も上方修正した。期末の配当予想を従前の一株当たり51円から78円、年間配当88円とした。(中間配当10円)
アナリストによる投資スタンス
決算発表後は大きく株価は動いていないが、利益率の高いNMOの月額課金会員数が大幅に増加している事が好感されて基本は上げ基調である。市場の地合いの悪さが影響し、大手ゲーム銘柄の平均PERは20倍弱と大分下がり、スクエニも30倍台半ばから20倍弱まで下がっている。予想PERは19.4倍、PBRは2.5倍、EV/EBITDAは9.3倍とかなり割安になっている。
投資アイデア
他の投資家が何に注目しているか、アイデアブックでご確認いただけます。
プロフィール
新卒でメリルリンチ証券東京支店入社後コーネル大学経営大学院にMBA留学。
卒業後東京に戻りHSBCアセットマネージメントにて日本株アナリスト、年金運用、アライアンスバーンスタイン東京支店にてプロダクト・マネージャーとして勤務後フリーランスのコンサルタントを経て現職。
当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本記事の内容に関する一切の権利は当社に帰属し、当社の事前の書面による了承なしに転用・複製・配布することはできません。