【決算ポイント】 新作のヒット率低下が懸念材料

 

スクウェア・エニックスの株価情報

株価

(2023/2/6)

時価総額

自己資本比率

ROE

ROIC

6,050円

7,242億円

78.4%

N/A

N/A

PER(実績)

PER(予想)

PBR

配当利回り

EV/EBITDA

14.2倍

N/A

2.3倍

N/A

N/A

*注:スクウェア・エニックスはEmbracer Group ABに海外のスタジオ及び一部IPを売却したが、通期業績への影響を精査する必要があることから、未定とし業績予想及び配当予想は発表していない。

スクウェア・エニックス:2023年3月期3Q決算結果

売上高(累計)2,556億円前年同期比▲6.6%
営業利益413億円 同▲17.6%
四半期純利益464億円 同16.4%増

 

3Q単体の決算結果は

 

売上高922億円前年同期比▲11.9%
営業利益153億円同▲27.3%
四半期純利益69億円同▲58.9%

 

前年同期⽐で減収、営業利益は減益であったが、四半期純利益は為替差益、海外のスタジオ及び一部IPを売却により95億円の計上により増益 であった。3Q単体でみるとホリデーシーズンであったが複数の新作タイトル投⼊も、前年の売上規模に及ばず四半期純利益は前年同期比60%近く減益となった。累計の営業利益率は同2.1pt低下し16.2%となった。

セグメント別概況

【デジタルエンタテインメント事業】

デジタルエンタテインメント事業(HDゲーム、MMO、スマートデバイス、PCブラウザーゲーム)の累計の売上高は前年同期比▲12.9%減の1,844億円、セグメント利益は同21.6%減の387億円だった。内訳はHD(High-Definition:ハイディフィニション)ゲームが同11.3%減の581億円、スマートデバイス、PCブラウザーゲームが同12.4%減の857億円であった。MMOは同▲16%の405億円だった。全セグメントで減収となった。

3Qまでに「CRISIS CORE-FINAL FANTASY VII- REUNION」、「ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤」、「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン」等の発売があったものの、「OUTRIDERS」、「NieR Replicant ver.1.22474487139...」、「Marvel’s Guardians of the Galaxy」を発売した前年と比較して、新作タイトルによる収益が減少したことにより、前年同期比で減収となった。

MMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)では、「ファイナルファンタジーXIV」の拡張パッケージ発売がなかったこと等により、前年同期比で減収となった。

スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、既存タイトルの弱含み等により、前年同期比で減収となった。 

 

【アミューズメント事業】

アミューズメント事業に関しては、既存店売上高が前年を大幅に上回ったことにより、増収増益となった。アミューズメント事業の累計売上高は前年同期比23.3%増の409億円、セグメント利益は同206.5%増の41億円だった。

 

【出版事業】

デジタル販売及び紙媒体の販売が堅調に推移した一方で、印刷用紙等の値上げに伴う原価増に加えて、広告宣伝費の増加等により、前年同期比で減益となった。出版事業の累計売上高は前年同期比フラットの211億円、セグメント利益は同▲6.1%の84億円となった。

 

【ライツ・プロパティ等事業】

ライツ・プロパティ等事業は有力IPにかかる新規キャラクターグッズの販売が好調であったものの、商品別の売上構成比が変化したこと等により、増収減益となった。ライツ・プロパティ事業売上高は前年同期比13.8%増の119億円、セグメント利益は同▲8.5%の29億円となった。

 

スクウェア・エニックス:2023年3月期予想

スクウェア・エニックスは今期の業績予想に関しては資産売却は終了したが通期業績への影響を精査し、算定が可能となり次第発表するとしている。

アナリストによる投資判断

主力のデジタルエンタテインメント事業のHDゲームの新作がふるわず決算内容はぱっとしないものであったが為替差益と資産売却により増益を確保した。上場ゲーム会社の中でブロックチェーン事業にいち早く着手しており、また事業ポートフォリオの再編に取り組んでいる事は評価されるが、HDゲームのヒット確率が低下している。現在の株価でPBRは2.3倍。

記事で紹介された銘柄の無料投資シミュレーション!アイデアブックはこちら