株価 (2023/5/15) | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
6,770円 | 8,106億円 | 79.1% | 15.6% | 11.1% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
16.4倍 | 21.0倍 | 2.6倍 | 1.43% | 8.6倍 |
スクウェア・エニックス:2023年3月期通期決算結果
売上高 | 2,556億円 | 前期比▲6.6% |
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営業利益 | 443億円 | 同▲25.2% |
当期純利益 | 493億円 | 同▲3.4% |
EPS | 411.62円 | 前期426.82円 |
一株当配当金 | 124円(中間10円、期末114円) | 前期129円(中間10円、期末119円) |
4Q単独の決算結果は
売上高 | 877億円 | 前期比▲4.4% |
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営業利益 | 30億円 | 同▲66.9% |
四半期純利益 | 29億円 | 同▲74.3% |
減収減益決算であった。売上高が前期比▲6.6%の2,556億円、営業利益が同25.2%減の443億円であった。営業利益率は同▲3.3pt低下の12.9%であった。営業外では為替差益、海外のスタジオ及び一部IPの売却益95億円を計上し、またコンテンツ制作勘定の処分等63億円を特別損失として計上し、当期純利益は同3.4%減の493億円となった。
セグメント別概況
【デジタルエンタテインメント事業】
デジタルエンタテインメント事業のHDゲーム、MMO、スマートデバイス、PCブラウザーゲーム全てで減収となり売上高は前年同期比▲12.2%の2,456億円、セグメント利益は同30%減の413億円だった。内訳はHD(High-Definition:ハイディフィニション)ゲームが同9.9%減の785億円、スマートデバイス、PCブラウザーゲームが同▲12.8%の1,136億円であった。MMOは同▲14.3%の533億円だった。
HDゲームでは「CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII- REUNION」、「FORSPOKEN」、「オクトパストラベラーII」等の発売があったものの、「OUTRIDERS」、「NieR Replicant ver.1.22474487139...」、「Marvel’s Guardians of the Galaxy」を発売した前年と比較して、新作タイトルによる収益が減少したことにより、前期比で減収となった。
MMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)では、「ファイナルファンタジーXIV」の拡張パッケージ発売がなかったこと等により、前期比で減収となった。
スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、既存タイトルの弱含み等により、前期比で減収となった。
【アミューズメント事業】
アミューズメント事業に関しては、既存店売上高が前年を大幅に上回ったことにより、増収増益となった。アミューズメント事業の売上高は前期比22.9%増の564億円、セグメント利益は同163.9%増の53億円だった。
【出版事業】
デジタル販売及び紙媒体の販売が堅調に推移した一方で、印刷用紙等の値上げに伴う原価増に加えて、広告宣伝費の増加等により、前期比で増収減益となった。出版事業の売上高は前期比フラットの292億円、セグメント利益は同▲4.8%の116億円となった。
【ライツ・プロパティ等事業】
ライツ・プロパティ等事業は有力IPにかかる新規キャラクターグッズの販売が好調であったものの、商品別の売上構成比が変化したこと等により、増収減益となった。ライツ・プロパティ事業売上高は前年同期比11.9%増の157億円、セグメント利益は同▲6.5%の37億円となった。
中期業績目標
決算と同時に中期業績目標を発表した。
3か年目標
・売上高 4,000~5,000億円
・営業利益 600~750億円
・売上高営業利益率の改善
更なる成長のために既存のデジタル・エンタテインメント事業は 開発体制・タイトルポートフォリオの見直しを行い前期に海外スタジオと一部IPを売却した。グループ全体での中長期タイトルポートフォリオ再編成のためにグローバル市場を志向したタイトルを厳選しリソースを集中投下 、大型タイトルの定期的ローンチを可能とするパイプライン構築、た開発プロセス全体の再点検、見直しを行っている最中である。
新規領域としてはブロックチェーン・エンタテインメント事業部を新設しWeb3領域へ挑戦する。gumi社との資本・業務提携 をSBIホールディングスと共同で行った。また海外8社、国内3社への出資を行った。今期は4月に「資産性ミリオンアーサー」の第6弾販売を開始し、既に75%は販売した。セット、キャラクターは完売した。累計14万枚NFTを発行した。「資産性ミリオンアーサー」のゲームコンテンツリリースを2023年4月20日に行い、一週間でNFTホルダー数が4倍増の1.3万人を突破した。LINE Blockchain アイテムトークン別トランザクション1位となった。また新規IPによるスクエニ初のNFTコレクティブルアートの販売を予定しており、約10,000体のNFTアート販売する計画である。
スクウェア・エニックス:2024年3月期予想
売上高 | 3,600億円 | 前期比4.9%増 |
営業利益 | 550億円 | 同24.1%増 |
当期純利益 | 385億円 | 同▲21.9% |
EPS | 321.68円 | |
一株当配当 | 97円(中間10円、期末87円) |
会社計画は増収減益を予想している。売上、営業利益は増収増益予想であるが、前期のような特別利益がなくなるために当期純利益は▲21.9%を予定している。
アナリストによる投資判断
主力のHDゲームの新作ヒット率の低下が懸念され、開発体制の見直し等に取り組んでいる一方新規事業のNFT関連の事業は好調のようである。12日の決算発表後週末をはさみ本日15日に株価は僅かではあるが上昇し年初来高値を更新したが、NFT事業の好調に関してはポジティブに受け止められているようである。