株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
6,366円 | 7,635億円 | 78.9% | N/A | N/A |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
15.5倍 | 19.8倍 | 2.4倍 | 1.52% | 8.4倍 |
スクウェア・エニックス:2024年3月期1Q決算結果
売上高 | 857億円 | 前年同期比14.4%増 |
---|---|---|
営業利益 | 31億円 | 同▲78.5% |
四半期純利益 | 63億円 | 同▲65.7% |
大幅減益決算であった。売上高は「FINAL FANTASY XVI」等の発売により前年同期比14.4%増を達成したものの、開発費の償却負担が先行したこと等により営業利益は同78.5%減の31億円となった。営業利益率は同15.7ptと大幅低下し、3.6%となった。為替差益を58億円計上し、四半期純利益は同65.7%減の63億円となった。
セグメント別概況
【デジタルエンタテインメント事業】
デジタルエンタテインメント事業全体では売上高が前年同期比16.4%増の624億円、セグメント利益は同80.6%減の27億円となった。
HDゲームの売上は「FINAL FANTASY XVI」、「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」等を発売したことにより、前年同期比で140.9%増の289億円となった。
MMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)では、「ファイナルファンタジーXIV」の拡張パッケージ発売は来年夏までなく同18.3%減の223億円となった。
スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、既存タイトルの弱含み等により、同22%減の110億円となった。
【アミューズメント事業】
アミューズメント事業に関しては、既存店売上高が前年を大幅に上回ったことにより、増収増益となった。アミューズメント事業の売上高は同11.3%増の133億円、セグメント利益は同29.7%増の15億円だった。
【出版事業】
デジタル販売及び紙媒体の販売が前年を下回ったことにより、前年同期比で減収減益となった。出版事業の売上高は同4.7%減の59.6億円、セグメント利益は同14.8%減の21億円となった。
【ライツ・プロパティ等事業】
ライツ・プロパティ等事業は有力IPにかかる新規キャラクターグッズの販売が好調で増収増益であった。ライツ・プロパティ事業売上高は同28.7%増の47億円、セグメント利益は同51.9%の13億円となった。
スクウェア・エニックス:2024年3月期予想
通期の業績予想は従前予想を維持した。
売上高 | 3,600億円 | 前期比4.9%増 |
営業利益 | 550億円 | 同24.1%増 |
当期純利益 | 385億円 | 同▲21.9% |
EPS | 321.68円 | |
一株当配当 | 97円(中間10円、期末87円) |
会社計画は増収減益を予想している。売上、営業利益は増収増益予想であるが、前期のような特別利益がなくなるために当期純利益は▲21.9%を予定している。
アナリストによる投資判断
「FINAL FANTASY XVI」等の発売でHDゲームの売上は大幅増収であったのに開発費の先行計上でセグメント利益、営業利益ともに大幅減であった。売上はカプコンに比べて倍近くあるのに時価総額はカプコンは1兆円を超え、スクエニは7,000億円台と差が大きく、経営戦略の差が表れている。バリュエーションも予想PERが19.8倍と割安とは言い難く、バリュエーションの修正で売られるのではと考えている。