株価* | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | ROIC |
2,645.5円 | 1.1兆円 | 80.1% | 24.4% | 21.9% |
PER(実績) | PER(予想) | PBR | 配当利回り | EV/EBITDA |
25.5倍 | 24.1倍 | 5.7倍 | 1.32% | 15.4倍 |
*株価は2024/5/9終値。カプコンは2024年4月1日付けで一対二の株式分割を行った。
カプコン:2024年3月期通期決算結果
売上高 | 1,524億円 | 前期比21%増 |
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営業利益 | 571億円 | 同12.3%増 |
当期純利益 | 434億円 | 同18.1%増 |
4Q単独の決算結果は
売上高 | 462億円 | 前年同期比▲0.06% |
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営業利益 | 93.7億円 | 同▲46.4% |
四半期純利益 | 87億円 | 同▲33.4% |
カプコンの2024年3月期通期決算は7期連続の最高益を達成した。通期の売上高は前期比21%増の1,524億円、営業利益は同12.3%増の571億円であった。通期で評価損を105億円計上したが、当期純利益は同18.1%増の434億円となった。主力の大型タイトルの投入やデジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進によりデジタルコンテンツ事業の販売本数は4,589万本と同10%増となった。通期の営業利益率は同▲2.8ptの37.5%であった。
セグメント別概況は
【デジタルコンテンツ事業】
セグメント売上高 | 1,198億円 | 前期比22.1%増 |
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セグメント利益 | 598億円 | 同11.8%増 |
セグメント利益率 | 49.9% | 同▲4.6pt |
販売本数(コンシューマー) | 4,589万本 | 同10%増 |
『ストリートファイター6』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)を6月に発売しグローバル幅広く支持され330万本販売し業績向上に貢献した。加えて12年ぶりのシリーズ最新作として2024年3月に発売した『ドラゴンズドグマ 2』(プレイステーション 5、パソコン用)は262万本を販売等順調に推移し、同シリーズのリピートタイトル『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』も販売拡大に貢献した。
リピートタイトルにおいては、「モンスターハンター」シリーズの完全新作『モンスターハンターワイルズ』の制作発表に併せ、同シリーズのリピートタイトル『モンスターハンター:ワールド』の販売が好調な結果となり全世界で2,532万本を達成するとともに『モンスターハンターワールド:アイスボーン』、『モンスターハンターライズ:ワンブレイク』も続伸した。さらに2023年3月発売の『バイオハザード RE:4』が累計702万本を販売した事に加え、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図る施策等を行い、『バイオハザード RE:2』等のシリーズタイトルを中心に販売した。その結果リピートタイトルの販売本数が3,269万本と前期の2,930万本を大きく上回り、収益を押し上げた。
モバイルコンテンツでは「モンスターハンター」シリーズの最新モバイルゲーム『モンスターハンターナウ』(iOS、Android用)が9月に配信された。同ゲームのグローバルでのダウンロード数は1,000万を突破し、IPの認知拡大に貢献した。
【アミューズメント施設事業】
セグメント売上高 | 193億円 | 前期比24%増 |
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セグメント利益 | 18億円 | 同52%増 |
セグメント利益率 | 9.7% | 同1.8pt上昇 |
4月に子供向け遊具施設の「キッズバネット 静岡店」および6月に体験型施設の「クレイジーバネット イオンモール新居浜店」(愛媛県)、12月にカプセルトイ専門店の「カプセルラボ 原宿竹下通り店」をオープンし、3月にプリントシール専門店も併設した「プリマート/カプセルラボ三宮店」をオープンし、施設数は49店舗となった。また、『モンスターハンターナウ』を楽しめる場所を各施設内に設け他事業との相乗効果を図った。既存店売上は前期比114%と好調であった。
【アミューズメント機器事業】
セグメント売上高 | 90億円 | 前期比15.6%増 |
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セグメント利益 | 41億円 | 同121%増 |
セグメント利益率 | 45.6% | 同1.6pt上昇 |
市場がスマートパチスロのけん引により好調に転じた環境下、スマートパチスロ第一弾『戦国BASARA GIGA』を8月に発売し、1万5,000台を販売した。第二弾として『バイオハザードヴィレッジ』を12月に1万台出荷し収益に貢献した。
【その他事業】
セグメント売上高 | 42億円 | 前期比▲3.6% |
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セグメント利益 | 8.8億円 | 同▲38.4% |
セグメント利益率 | 21.0% | 同▲11.9pt |
主力ゲーム関連商品の展開を積極化した。 新作CG長編映画『バイオハザード:デスアイランド』7月に全世界公開され、Netflixアニメシリーズ『鬼武者』が11月より全世界配信された。引き続き「ストリートファイターリーグ;Pro-JP2023」を世界各地で開催し、シリーズ最新作『ストリートファイター6』のブランド価値向上を図った。
カプコン:2025年3月期予想
売上高 | 1,650億円 | 前期比8.3%増 |
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営業利益 | 640億円 | 同12.1%増 |
当期純利益 | 460億円 | 同6.1%増 |
EPS | 109.98円 | |
一株当たり配当金 | 36円 |
2025年3月期は営業利益12期連続増益、最高益更新を計画している。
アナリストによる投資判断
6月に発売した大型新作である『ストリートファイター6』の売上本数は330万本を突破し、12年ぶりのシリーズ最新作となった『ドラゴンズドグマ』を3月に発売し262万本を販売し、合わせて同シリーズのリピートタイトル販売、『モンスターハンター』シリーズのリピートタイトル、『バイオハザード』シリーズのリピートタイトルも好調で、デジタルコンテンツ事業の総販売数は前期比10%増の4,589万本となり、うちリピートタイトルの販売本数が3,269万本となった。各メディアでのプロモーションによるブランド価値向上とリピートタイトルの販売が大変上手く行っており、新作タイトルに売上が左右されるリスクを低減している。バリュエーションは予想PERが24.1倍と割高感はなく安心感のあるゲーム銘柄である。